エテボース「ポケモン戦記」【後編】

203 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:34:02 ID:t6YeHT5E (1/193)



―――…
水の国と電気王国対立の要因はその経済体制にあった。

電気王国は国王を強力な主君とする独裁国家。そこまでは炎帝国と何ら変わりがない。

だが、電気王国では計画経済や企業の国営化といったシステムが発達していた。

一方、水の国は自由経済が主となっており、炎帝国はその中間にある体制であった。

当然その二つの経済システムは対立を招いたのである。

その対立は建国直後から長く長く続いているのだった。

元スレッド情報
エテボース「ポケモン戦記」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1351697037/
204 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:34:58 ID:t6YeHT5E (2/193)


―――数日後 電気王国―――

エレキブル「結局はウインディの負けか?はは、野望に身を堕としすぎたようだな」

エレキブル「エテボースもやるではないか…素直に賞賛させてもらおう」

ルクシオ「水の国はノーマル・飛行連合帝国の警戒と、炎帝国との同盟破棄を要求しています」

205 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:35:18 ID:t6YeHT5E (3/193)


エレキブル「ふん。言われなくてもするつもりだあの馬鹿め」

エレキブル「ウインディ亡き今、奴と結んでいる意味は無くなった」

エレキブル「大連合も終わりだな」

ルクシオ「では…水の国との同盟も破棄を?」

206 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:35:56 ID:t6YeHT5E (4/193)


エレキブル「ふん。ほっておいてもあっちから勝手に破棄してくれるだろうしな」

エレキブル「電気王国はこれより炎帝国の紛争に介入する」

エレキブル「そして、最終的には併合するのだ」

エレキブル「まあウインディのように下手な差別政策を敷いたりはせんよ」

207 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:36:09 ID:t6YeHT5E (5/193)


ルクシオ「何か策案があるのですか?」

エレキブル「炎帝国も衰えはしたが…あまり刺激して攻撃されれば損害は計りしれんからな。とでも言っておこう」

ルクシオ「?」

208 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:36:33 ID:t6YeHT5E (6/193)


―――数週間後 大連合首脳会議―――

カメックス「な…貴様!そんなことを許すとでも思っているのか!?」

エレキブル「思っているわけないだろうが」

エレキブル「我が国は、貴様らの要求通り炎帝国との同盟を破棄する」

エレキブル「そして、水の国との同盟も同じく破棄する」

エレキブル「大連合もここまでだ」

209 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:37:00 ID:t6YeHT5E (7/193)


カメックス「ぐ…平和が遠のくだけだぞ」

エレキブル「炎帝国の今までの侵略行為」

エレキブル「あれは平和のためなどではない…」

エレキブル「連合によって我が国と水の国を抑えただけにすぎないのだ」

210 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:37:20 ID:t6YeHT5E (8/193)


エレキブル「吾輩もウインディの口車に乗って連合に参加したが…」

エレキブル「やはり平和など実現はできやしないのだ」

カメックス「次会うときは…また敵だな」

エレキブル「一向に構わぬ」

211 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:38:09 ID:t6YeHT5E (9/193)


―――…

電気王国は水の国及び炎帝国との同盟を破棄。

水の国も炎帝国との同盟を破棄し、ここに大連合は消滅した。

電気王国は炎帝国の内乱に介入、各地を占領していった。

同時に鋼の国、岩・地面の国、虫の国も併合し、さらなる大国へと成長していった…

212 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:39:13 ID:t6YeHT5E (10/193)


―――…

「ケケケケ…大連合が消滅しましたカ…うまくいきましたネェ…」

「ユキメノコさんもシャンデラさんもいい働きですヨ…」

「あとは邪魔なあの国を消すだけでス…」

「世界のシハイシャは我らゴーストタイプにありでス…」

「さテ…同盟を結びましょうカ…」

「もうすぐでス…もうすグ…」

213 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:40:19 ID:t6YeHT5E (11/193)



―――大連合消滅から5年後 悪国 アジト―――

マニューラ「はぁ…同盟ね」

ゴース「キキ…そうです…リーダー殿…」

マニューラ「アタシらにゃデメリットはないし、いいんじゃない?」

マニューラ「あんまり面倒ごとに巻き込まれるのもヤダしねぇ…」

214 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:40:51 ID:t6YeHT5E (12/193)


マニューラ「それより…アンタ不気味すぎ。もうちょっとシュっとしなさいよシュっと」

ゴース「キキ…そういうもんなんです…」

マニューラ「ケッ。裏切ったりしたら承知しないよ」

マニューラ「アンタんとこのなんとか長ってのに伝えときな」

215 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:41:21 ID:t6YeHT5E (13/193)


ゴース「もちろんです…悪国は眠れるマニューラと呼ばれる大国ですから…『局長』にお伝えします…」

マニューラ「聞いたことないよそんなの!」

ゴース「キキ…では…」ドロン

マニューラ「相変わらず気味悪いねぇ」

マニューラ「コソコソと大連合の肩を持ったりして…あのなんとか長ってのは何を考えてんだかね」

216 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:41:53 ID:t6YeHT5E (14/193)


―――1か月後 ノーマル・飛行連合帝国首都 元大統領邸―――

エテボース「それで…何の御用です?」

カメール「はっ。皇帝陛下直々の御面談、ありがたき幸せに存じます」

カメール「ここ5年間での、電気王国の炎帝国、岩・地面、虫、鋼の国併合。ゴースト国の悪、氷両国との同盟」

カメール「水の国カメックス大統領はそれらを侵略行為とみなし、批判しています」

217 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:42:34 ID:t6YeHT5E (15/193)


エテボース「それには同意するよ」

カメール「はっ。つきましては、わが国は連合帝国との同盟を要求いたします」

エテボース(電気王国と対立したと思ったらこっちに転がり込んできたか…)

218 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:42:47 ID:t6YeHT5E (16/193)


エテボース「よし、同盟を承諾します」

エテボース「近く友好条約を結びましょう」

カメール「はっ。善い御返事を…では、私はこれにて…」

219 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:44:08 ID:t6YeHT5E (17/193)


―――…

ブースター「5年連続の高度経済成長に軍事力の増大…」

ブースター「随分と調子がいいな」

エテボース「うん。復興は着実に進んでるね」

ブースター「信じられない…ノーマル・飛行国民は計り知れないのか…もう戦争の準備も万端じゃないか」

220 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:44:53 ID:t6YeHT5E (18/193)


エテボース「戦争はなるべく避けたいところだが…」

エテボース「各国の対立はもう限界にきてる。そううかうかしてはいられないだろう」

ブースター「ああ。まさにビリリダマ状態だな」

エテボース「…」

221 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:45:16 ID:t6YeHT5E (19/193)


ブースター「…まあ要注意はゴースト国だ」

ブースター「あの国はなにを考えているのかわからない」

ブースター「さらに、氷の国も格闘国との国境が騒がしいらしい」

エテボース「十分様子を見ないといけないね…」

222 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:45:51 ID:t6YeHT5E (20/193)


―――竜の国 居城―――

フライゴン「戦争は確実だな」

フライゴン「我らは誇り高きドラゴンタイプ!そのような争いに耳を貸す必要はない」

ボーマンダ「竜の国領土もこのシロガネ山のみ!」

ボーマンダ「侵略をはねのけるなど容易いわ!」

「「双王は永世中立国を宣言する」」

223 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:46:52 ID:t6YeHT5E (21/193)


―――ノーマル・飛行連合帝国―――

エテボース「竜の国は中立を宣言か」

ブースター「まあ当然だろう。あいつらは誇り高いからな」

ブースター「開戦を予告してのことだろう」

224 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:47:27 ID:t6YeHT5E (22/193)


エテボース「うーむ…」

エテボース「ブースター、勝算は」

ブースター「十分だ」

ブースター「おそらく戦争の中心となるのは格闘国だ」

225 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:49:12 ID:t6YeHT5E (23/193)


ブースター「ポケモン共和国元老院も衰退した」

ブースター「『奴ら』が狙うなら今だ」

ブースター「悪国は後詰の水の国がなんとかしてくれるだろう」

エテボース「電気王国は参戦してくるかな…?」

ブースター「それはないだろう。今は炎帝国の内乱鎮静に手いっぱいだ」

226 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:49:59 ID:t6YeHT5E (24/193)


エテボース「ふぅ。この国の産業は岩・地面の国の資源が必要不可欠だからね…敵に回すわけにはいかないな」

ブースター「ああ。だが戦争はもう時間の問題だ」

エテボース「格闘国国境に軍を向かわせよう」

エテボース「氷の国には貸しがあるからね…」

ブースター「あれだけ戦争嫌いだった君がよく言うよ」

227 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:50:22 ID:t6YeHT5E (25/193)


エテボース「今だって嫌いさ。でも、教えたのはブースターだろう?私は今でもプクリン元大統領を私淑しているよ…」

エテボース「もし他国を占領したって、平等に治めるつもりさ。草・毒の国のようにね」

ブースター「平等統治は電気王国に先を越されたようだが…?」

228 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:51:04 ID:t6YeHT5E (26/193)


エテボース「あれは私たちの先例をもっての教訓だろう」

エテボース「実際、独立の風潮は強まっているし…下手に押さえつければ革命が起きかねない」

エテボース「実際地面タイプとは相当慎重に接しているらしいしね…」

ブースター「そうだな。まあその独立の風潮とやらが、次の戦争の火ぶたを切ってくれそうだよ」

229 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:52:19 ID:t6YeHT5E (27/193)


―――格闘国 元老院本部―――

ペルシアン「ええい!何をしてるザマス!」

ペルシアン「平和宣言を無視しすぎザマスよ!」

ペルシアン「エビワラー!なんとかなさいザマス!」

エビワラー「そう仰られましても主席…」

230 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:52:49 ID:t6YeHT5E (28/193)


エビワラー「我が格闘国も財政は逼迫…限界なのです」

ペルシアン「ぐぬぬ…」

ペルシアン「エルレイド!今すぐにでも共和国軍を動かして戦争を止めさせるザマス!」

エルレイド「…」

ペルシアン「エルレイド!?」

エルレイド「…」ニヤ

232 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:56:32 ID:t6YeHT5E (29/193)


エルレイド「その必要はありませんよ主席」

ペルシアン「なんですって!?」

エルレイド「次の戦場は…ここですから」ガタッ

233 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:57:19 ID:t6YeHT5E (30/193)


テレポート!

パシュッ

ペルシアン「な、なんザマスか!?」

ヤドキング「ポケモン共和国元老院はこれより我らが占拠する!抵抗は無意味だ」

ヤドキング「格闘国各地でも我が同胞が、独立のためののろしを上げている」

234 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:58:13 ID:t6YeHT5E (31/193)


ヤドキング「祖国を再建するため…この国には消えてもらう!」

ヤドキング「祖国の恨み!今こそ晴らす時よ!」

ペルシアン「エルレイド!裏切ったザマスね!?」

エルレイド「貴方を殺しはしません。直ちに元老院を追放します」

エルレイド「ポケモン共和国は今日をもって長い歴史にピリオドを打つのです」

ペルシアン「そんな…」

235 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/08 21:58:53 ID:t6YeHT5E (32/193)


―――…

元老院は突如現れた無数のエスパータイプポケモンにより占拠された。

格闘国各地でも紛争は繰り広げられ、エスパータイプポケモンによって次々と占領された。

元老院は格闘国から追放され、ここにポケモン共和国は国際法のみを遺し、名実ともに消え失せたのであった…

その後、ノーマル・飛行連合帝国及び氷の国が侵攻。ここに第一次戦争が勃発した。

236 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 20:47:53 ID:4yuOqUYU (33/193)


―――ノーマル・飛行連合帝国―――

プリン「ついに始まったわね…ゴクリ」

ハヤシガメ「まあ余裕っしょwww」

キマワリ「ここ数年でこの国も変わりましたものね」

トゲピー「チョゲプリィィィィィ」

ケンタロス「さすがエテボース帝だな!」

ブルー「占領国以前からこの国を支えてくれた真のリーダーだぜ」

237 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 20:49:50 ID:4yuOqUYU (34/193)


―――…

エテボース「戦況はどう?」

ブースター「今のところは飛行隊の活躍で圧倒だ」

ブースター「対氷タイプ用にヤチェの実を草・毒州から大量に輸入した」

ブースター「奇襲攻撃で敵軍の司令系統を破壊する戦術はかなり効果を上げているよ」

238 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 20:50:10 ID:4yuOqUYU (35/193)


ブースター「ひこうタイプの『速さ』には氷軍も対応できないだろう」

ブースター「先日の悪国の参戦も今は抑え込んでいる」

ブースター「後詰が来れば余裕だ」

239 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 20:50:35 ID:4yuOqUYU (36/193)


エテボース「よーし。このまま押し切るんだ。氷の国さえ追っぱらってしまえばこっちのもの…」

ブースター「さらにエスパータイプ達を味方につけるとはいい考えだったな」

エテボース「独立と引き換えにね。草・毒州のように保護すればいいのさ」

ブースター「そうだな」

240 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 20:51:02 ID:4yuOqUYU (37/193)


エテボース「ゴースト国の動きはまだないの?」

ブースター「無い。ありえないくらいない」

エテボース「…警戒は怠らないようにね」

エテボース「この戦争さえ終われば平和な世界が待っているといいな…」

ブースター「さすがにまだ大国が黙っているとは思えんが」

エテボース「はぁ」

242 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 20:54:39 ID:4yuOqUYU (38/193)


―――数か月後 格闘国⇔氷の国国境 氷軍第一師団戦略本部―――

フリージオ「ノーマル・飛行連合帝国軍により103高原、105、106ブロック陥落!」

フリージオ「第二、第四師団は壊滅!第三師団、第五師団も撤退しました!」

フリージオ「第二師団長バイバニラ司令官、第四師団長マンムー中将、及び第五師団長グレイシア中将が既に戦死!」

フリージオ「残るは我ら第一師団のみ!もはや勝機はありません!撤退しましょう!」

243 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 20:55:02 ID:4yuOqUYU (39/193)


ツンベアー「ぐぬぬ…やむなしか…」

ツンベアー「フリージオ副長、全軍に撤退命令を出せ」

ツンベアー「殿は任せろ。先に行け」

244 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 20:55:47 ID:4yuOqUYU (40/193)


フリージオ「分かりました」

フリージオ「またお会いしましょう…」

ツンベアー「ああ。また」

ガァァン

バァン

ビュワッ

245 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 20:56:45 ID:4yuOqUYU (41/193)


「敵国飛行隊の強襲!!」

「警備隊応戦せよ!応戦せよ!」

ツンベアー「な、なんだ!?」

フリージオ「まさか…この戦略本部の場所がばれたと…!?」

ツンベアー「そんなはずがない!空からでも覗かない限りは…」

246 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 20:57:10 ID:4yuOqUYU (42/193)


バサッ

「敵陣営本部確認!」

「一斉に射撃せよ!」

「「「はかいこうせん!!!」」」

ドガァァァァァ・・・…

247 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 20:58:21 ID:4yuOqUYU (43/193)


―――…

送還されたひこうタイプポケモンによる『飛行隊』を駆使し、あっという間にノーマル軍は氷軍を敗走させ、新エスパー国を建国させた。

それは各国の反対を招いたが、連合帝国はそれを一切無視。

悪国戦線も押し返し、戦争はこのまま終戦を迎える…はずだった。

249 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 21:48:56 ID:4yuOqUYU (44/193)


―――電気王国 王城―――

エレキブル「そろそろだな」

「ええそうでス」

エレキブル「氷の国を占領し…」

エレキブル「お前の国を通って悪国を潰せばいいんだろう?」

250 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 21:49:29 ID:4yuOqUYU (45/193)


「まずはそこですネ…」

「疲弊した氷の国はあっさりいくでしょうガ、悪国はちと厄介でス」

エレキブル「連合帝国はほっといていいのか?どうも最近力をつけているようだぞ」

「まあまア、格闘国なんてどーでもいいんですヨ」

251 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 21:49:54 ID:4yuOqUYU (46/193)


「差し詰め新しく建てたエスパー国、あれをネタにすればいいんでス」

「さらにあの国は電気王国の資源がないとシマイですかラ…」

エレキブル「なるほど。水の国も相性的には余裕だな」

「手筈は整ったのでス」

「もう少しで世界は我らのものですヨ…」

252 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 21:50:44 ID:4yuOqUYU (47/193)


エレキブル「ふん。よく言うわ」

エレキブル「世を治めてまた『新生ポケモン共和国』を建てる。それがお前の提案だろう」

「ああそうでしたネ…つい表現を誤ったようでス…」

エレキブル「余計なことを考えるなよ?」

エレキブル「ムウマージ局長」

ムウマージ「ヒヒ…もちろんでス…」

253 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 21:52:24 ID:4yuOqUYU (48/193)


―――ノーマル・飛行連合帝国―――

TV『我らが連合帝国は格闘国での戦争に勝利しました!!!』

TV『これにより、エスパー国が独立!また一つ平和への道が開かれたのです!!』

TV『エテボース帝は…ガサゴソ』

254 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 21:53:11 ID:4yuOqUYU (49/193)


TV『ここで臨時ニュースが入りました』

TV『電気王国が氷の国と悪国に宣戦』

TV『現在、氷の国は大部分を占領され、降伏間際まで迫っています』

ざわざわ…

ナンダッテ…

アノコオリノクニガアットイウマニ…

デンキオウコクヤバイゾ…

255 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 21:54:36 ID:4yuOqUYU (50/193)


―――…

ブースター「動いたな」

エテボース「電気王国と悪国は国境を接していない…」

エテボース「ゴースト国を通る気なのか?」

256 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 21:54:57 ID:4yuOqUYU (51/193)


ブースター「ああ。もう王国軍がゴースト国に入ったらしい」

ブースター「ゴースト国はタイプ的にも悪国に不利だ」

エテボース「都合がよすぎるね」

エテボース「裏で結んでいたか…」

257 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 21:55:12 ID:4yuOqUYU (52/193)


ブースター「だろうな…そうとなったらまずいぞ」

ブースター「電気王国とゴースト国が結んだとなれば…」

ブースター「こちらの水、ノーマル陣営は限りなく不利になる」

エテボース「悪国と講和条約を結ぼう!今すぐにだ!」

258 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 21:57:30 ID:4yuOqUYU (53/193)


―――電気王国が悪国に宣戦して数日後 悪国 アジト―――

マニューラ「てめぇ!裏切ったね!?」

ムウマージ「さあなんのことやラ…」

カモネギ「あの…講和…」

マニューラ「黙ってな!」

259 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 21:58:02 ID:4yuOqUYU (54/193)


マニューラ「くっそ!!こうなったら意地でも追い返してやる!」

ムウマージ「頑張ってくださイ…」

マニューラ「アンタの国もでてきなさいよ!」

ムウマージ「それはちょっト…」

マニューラ「ムキー!」

260 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 21:59:36 ID:4yuOqUYU (55/193)


マニューラ「ふざけんじゃないよ!同盟なんて破棄だ!言葉通りぶっ潰してやる!」

ムウマージ「そうですカ…ならば私は去りますヨ…」ポヨン

マニューラ「ムキー!!!!帰るなぁ!!!」

261 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:00:15 ID:4yuOqUYU (56/193)


カモネギ「あの…」

マニューラ「うっさい!鍋にして食っちまうよ!!」

カモネギ「トホホ…」

262 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:00:40 ID:4yuOqUYU (57/193)


悪国は直ちにゴースト国との同盟を破棄。連合帝国の講和案も無視した。

結果ゴースト国への宣戦を待たずして電気王国が侵攻を開始。

じわじわと要所が占領され、数か月後には悪国はすっぽり電気王国となった。

263 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:01:12 ID:4yuOqUYU (58/193)


―――数か月後 悪国辺境

悪国はアジトが陥落し、マニューラ他幹部は逃亡を余儀なくされた。

再三の電気王国軍の包囲をかいくぐり、生き残ったのはもう2、30匹であった…

264 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:03:12 ID:4yuOqUYU (59/193)


マニューラ「はぁ…なんでこんなことになっちまったんだい…」

マニューラ「アタシともあろう者がこんなところまで逃げる羽目になるとは」

マニューラ「情けないねぇ」

265 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:03:39 ID:4yuOqUYU (60/193)


グラエナ「マニューラ様!まだ我々は負けておりませぬ!」

グラエナ「この川さえ渡れば王国軍も追っては来ないでしょう!」

グラエナ「この先の土地はまだ味方がおります故、再び悪国を建て直すには充分です!」

グラエナ「どうか早く川をお渡りください」

266 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:04:02 ID:4yuOqUYU (61/193)


マニューラ「はは。お天道さんがアタシを見捨てて滅ぼそうとしているのに、どうしてこの川を渡るんだい。いや、渡らないね」

マニューラ「もう仲間もこんな少しになっちまった…」

267 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:04:26 ID:4yuOqUYU (62/193)


マニューラ「もしこの先の味方が同情してまたアタシをリーダーに立ててくれたとしても、アタシは一体どのツラさげて接すれば良いんだい」

マニューラ「もしこの先の味方が何も言わなくたってさ、アタシが自分を恥じないことがあると思うかい?いや、ないね」

268 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:04:55 ID:4yuOqUYU (63/193)


マニューラ「アンタは十分アタシに尽くしてくれた。アンタだけでも行きな!」

グラエナ「いえ。私はマニューラ様のお付きとして使命を全うする次第であります」

マニューラ「そうかい…」

269 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:05:11 ID:4yuOqUYU (64/193)


マニューラ「この場に生き残った全員に告ぐ!!」

マニューラ「アタシ達はここで王国軍と接近する!逃亡は許さないよ!!」

マニューラ「最期の意地を見せてやろうじゃないか!」

オー!!

270 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:05:40 ID:4yuOqUYU (65/193)


しばらくして、王国軍はこの地に到達。

マニューラ一行はそれに最後まで抵抗した。

マニューラが倒した王国軍はすでに数百。しかし、マニューラもまた多くの傷を負っていた。

271 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:06:28 ID:4yuOqUYU (66/193)


マニューラ「はぁはぁ…」ポタポタ

ミカルゲ「最期の意地などにひるむなー!!全員討て!!」ハッ

マニューラ「お前は!?元幹部のミカルゲじゃないのか!」

咄嗟に目を逸らすミカルゲ。

272 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:06:57 ID:4yuOqUYU (67/193)


ミカルゲ「くっ…おいライチュウ!あれがリーダーのマニューラだ!」

マニューラ「ははは」

マニューラ「アタシは電気王国がアタシの首に大金と広大な領土をかけて求めていると聞いた!」

マニューラ「アンタに是非ともくれてやろうじゃないか」ニヤ

273 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:07:20 ID:4yuOqUYU (68/193)


首に鋭い爪を宛がい、目を閉じる。

マニューラ(ブラッキー。アンタに合わせる顔がないよ…)

マニューラ「後は頼んだ」グッ

ズバッ

ブシュッ

274 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/10 22:08:06 ID:4yuOqUYU (69/193)


―――…

こうして2年に及ぶ第一次戦争は終結した。

氷、悪国は電気王国が支配する傀儡国家に成り果ててしまった。
―――…

275 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 21:49:30 ID:hCJGUgSo (70/193)


―――4年後 ノーマル・飛行連合帝国―――

ブースター「くそっ!ついに資源の輸入を禁止しやがった」

エテボース「本格的につぶしに来たか…」

ブースター「水の国からも宣戦要求が来ている」

276 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 21:50:03 ID:hCJGUgSo (71/193)


ブースター「限界だ」

エテボース「く…」

エテボース「ゴースト国に行く」

ブースター「!何を!?」

エテボース「戦争をしない要求さ」

エテボース「死にはしないよ」

277 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 21:50:54 ID:hCJGUgSo (72/193)


ブースター「知らんぞ僕は」

エテボース「もしそうなっても君がこの国を引っ張ればいいんだよ」

ブースター「そう簡単に言うな」

278 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 21:51:16 ID:hCJGUgSo (73/193)


ブースター「この国は想像以上に成長した…それも君のおかげだ」

ブースター「僕がこんな国を作り上げられるはずがなかったんだよ…」

ブースター「十分夢は見たさ」

エテボース「じゃあいってくるよ…」

279 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 21:58:14 ID:hCJGUgSo (74/193)


―――ゴースト国 某所―――

ムウマージ「できませんねェ…」

エテボース「どうしてです!?もう戦争は避けるべきなんです!」

エテボース「これ以上同胞が死んでいくのを見てどうするんですか!」

280 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 21:58:45 ID:hCJGUgSo (75/193)


エテボース「人間がいたころは…タイプも種族も関係なく平和な時代が続いていたそうじゃないですか」

エテボース「どうしてそれを理想としないんですか!」

ムウマージ「知っていますヨ…それゆえニ…でス」

エテボース「?」

281 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 21:59:09 ID:hCJGUgSo (76/193)


ムウマージ「まあこれ以上の会話は無駄でス」

ムウマージ「お帰りなさイ」

エテボース「…」トボトボ 

ドロン

282 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 22:57:26 ID:hCJGUgSo (77/193)


ゴースト「よかったんですか…?いま殺しておいた方が…」

ムウマージ「ちっ嫉妬を抱きますヨあんなの…」

ムウマージ「ああいうのは最後まで絶望を与えるべきなんですヨ…」

ゴースト「おお、おそろし おそろし」

ムウマージ「元老院時代の皆さんにそっくりですネ…」

ムウマージ「もうほとんど残っていませんけド…」

283 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 22:58:16 ID:hCJGUgSo (78/193)


2か月後、ノーマル・飛行連合帝国及び水の国はゴースト、電気王国両国に宣戦。

第二次戦争となった。

戦争は意外にも連合帝国側の好調。

悪国、氷の国での戦闘に勝利し、解放した。

284 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 22:58:45 ID:hCJGUgSo (79/193)


―――水の国群島 水中首都―――

カメックス「国境線が突破されただと!?」

カメール「はい!このままではまずいです…」

ゼニガメ「電気王国軍は火の勢いで水の国群島を占領しています!」

カメール「既に7割がやられたと…」

カメックス「もはやここまでか…」

285 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 22:59:45 ID:hCJGUgSo (80/193)


水の国無条件降伏。

戦争が始まってから1年後のことだった。

元首は自殺。上層部は処刑となり電気王国によって支配された。

286 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:00:31 ID:hCJGUgSo (81/193)


―――ノーマル・飛行連合帝国―――

エテボース「孤立したか…」

ブースター「ちぃ。だがまだ勝機はある」

エテボース「氷の国も奪還されたし、草の国もエスパー国も陥落か…」

ブースター「また奪い返せばいいさ」

エテボース「そうだな…最後まであきらめはしない!!」

287 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:01:27 ID:hCJGUgSo (82/193)


ノーマル・飛行連合帝国は、水の国の敗北を境に勢いを失くしていった。

国内の資源は底を尽いた。

だが、それでも諦めることはなかった。国内の士気だけは高くあり続けたのだ。

連合帝国は再三の降伏勧告を無視し、がむしゃらに悪国戦線にとどまり続けた。

だが…

288 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:01:51 ID:hCJGUgSo (83/193)


―――2年後 ゴースト国 政治・軍事局―――

ムウマージ「ええイ…しつこいですネ…」

ムウマージ「もうこれ以上の被害は出すわけにはいきませン…」

ムウマージ「エテボース…貴方の言う通りニ」

289 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:02:08 ID:hCJGUgSo (84/193)


ムウマージ「戦争を永遠に終わらせましょウ」

ムウマージ「ゴースト科学局長!」

ドロン

ゴースト「はっ」

290 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:02:42 ID:WsiEq6eE (85/193)


ムウマージ「アレを使いなさイ…」

ゴースト「はっ!?『人間の遺産』のことですか!?」

ムウマージ「今使うしかありませン」

ゴースト「いいんですか…?まだ実用化できるとは…」

ムウマージ「構いませン。やりなさイ」

ゴースト「…わかりました」

291 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:03:20 ID:hCJGUgSo (86/193)


―――数日後 悪国戦線にて―――

ルリリ「おかしいよ?敵が基地の中から出てくる」

ミルホッグ「帰りたいなぁ…」

ミネズミ「ここで戦死すれば名誉なんだぞ!」

ブニャット「そうだよなぁ…!?」

カッ

292 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:04:02 ID:hCJGUgSo (87/193)


ピンプク「うわぁぁぁっ!まぶしい!!!」

ミネズミ「なんだありゃあ!?」

グランブル「目がぁっ!目がぁっ!…ぐわぁぁぁぁ!!!」

ゴォォォォォ…

293 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:04:31 ID:hCJGUgSo (88/193)


―――電気王国―――

エレキブル「貴様…あれは一体何のつもりなのだ…」

エレキブル「悪国領土の半分を一瞬で焼け野原にするなど、ポケモンの力では不可能だろうに」

ムウマージ「そうですネ。伝説のポケモンでも呼び出さない限りハ」

294 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:05:06 ID:hCJGUgSo (89/193)


エレキブル「そんな馬鹿な!伝説のポケモンなど神話の中の存在にすぎないはずだろう!」

ムウマージ「はイ。そうでス」

ムウマージ「確かに伝説のポケモンなどは存在しませン」

ムウマージ「ですガ…かつてそれと同等の力を手にした種族がいタ…」

ムウマージ「私たちは、その力の再生に成功したのでス」

295 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:05:40 ID:hCJGUgSo (90/193)


ムウマージ「ヒヒヒ…これですべての国は我がゴースト国の前にひれ伏すのでス!」

エレキブル「野望のために初めから皆を欺いていたというのか…」

エレキブル「今までの…平和のための多くの犠牲はすべて無駄だったというのか!!」ビリビリッ

296 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:06:39 ID:hCJGUgSo (91/193)


ムウマージ「そんなものですヨ…まあ平和にも色々な平和のカタチがあるのでス…」

ムウマージ「かつての『人間』による支配もまた一つ平和だったのですヨ」

ムウマージ「では私は去りまス…次は是非頭を垂れて頂きますからネ…ヒヒヒ」

ドロン

エレキブル「ふん…吾輩も結局は愚公か…」ビリッ

エレキブル「ウインディに顔向けができんな…ははは」ガクッ

297 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:07:15 ID:hCJGUgSo (92/193)


―――ゴースト国 政治・軍事局―――

ムウマージ「大成功ですネ」

ムウマージ「これで戦争も終わりますヨ…」

ゴースト「そうですね…」

298 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:07:48 ID:hCJGUgSo (93/193)


ムウマージ「どうしたんですカ?」

ゴースト「いえ、何でもないですよ。ただ私もポケモンですから…後ろめたいことはあります」

ムウマージ「まあまア…それは全て私が背負いまス…貴方は悪くありませんヨ…」ニコッ

ゴースト「局長…」


ピカッ

ゴォォォォォォ…

299 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:08:24 ID:hCJGUgSo (94/193)


―――ノーマル・飛行連合帝国 元大統領邸ベランダ―――

ブースター「正体不明の爆発?一体何をしたんだ…?」

ブースター「だがどうして自国まで…」

ブースター「終わり…か」フッ

300 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:09:00 ID:hCJGUgSo (95/193)


ブースター「いつから僕はこんな夢を見ていたのだろう」

ブースター「はは。長い長い夢だった…」

ブースター「もうレールも途切れてしまったか」

ブースター「いや、目的地にたどり着いた…と言った方が正しいのかもしれないな」

301 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:09:29 ID:hCJGUgSo (96/193)


ブースター「エテボースを利用したつもりが、ただ乗せて行ってもらうだけになってしまうとはな…」

ブースター「皮肉な話だよ」

ブースター「氷の国のグレイシア、悪国のブラッキー、草・毒の国のリーフィア、エスパー国のエーフィ、水の国のシャワーズ」

ブースター「僕を蔑んだ者は皆戦争で死んでしまった…」

302 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:10:05 ID:hCJGUgSo (97/193)


ブースター「残っているのはいじめられっこだった僕とサンダースだけなんてね」

ブースター「僕ももう終わりなのかな」

トコトコ

303 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:10:41 ID:hCJGUgSo (98/193)


エテボース「どうしたんだ?」

ブースター「いや、なんでもないさ」

エテボース「もう降伏は受け入れた。戦争は終わったんだよ…」

ブースター「ああ。これで平和が戻るだろう」

304 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:11:03 ID:hCJGUgSo (99/193)


ブースター「もう役目は終わった」ゴォ

ブースターは紅蓮の炎を口に含んだ。

エテボース「何をっ!?」ザッ

ブースター「ここで君を殺し、僕は新たな大国を築くんだよ…!」

305 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:11:30 ID:hCJGUgSo (100/193)


ブースター「なんてな、冗談さ」シュン

ブースター「はは。大国を作るという夢。もう存分に叶えさせてもらった」

ブースター「楽しかったよ」ニヤッ

シュタッ

306 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:11:47 ID:hCJGUgSo (101/193)


エテボース「なっ!ブースター!!」

すぐにベランダから身を乗り出したが、見えたのはブースターの無残な姿だけだった。

307 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:13:24 ID:hCJGUgSo (102/193)


エテボース「そんな…」

エテボース「ようやく平和が時代が来るっていうのに…」

エテボース「どうしてだよブースター!!」

エテボース「どうして…」グスッ

エテボース「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



――――――
―――――
――――

308 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:14:15 ID:hCJGUgSo (103/193)



ノーマル・飛行連合帝国は、謎の兵器により悪国戦線の多くの兵を失った。

それにより、降伏を受諾することとなった。

だが、謎の兵器はゴースト国をも焼き払ってしまった。

309 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:14:48 ID:hCJGUgSo (104/193)



ノーマル・飛行連合帝国は、14年続いた帝政を破棄、共和国となる。

直ちに憲法改正及び軍の解散を行い、エテボースは戦犯として国の主権保護と引き換えに処刑された。

310 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:15:15 ID:hCJGUgSo (105/193)


だが、電気王国も戦争の疲弊により大国を支える支配力はなかった

電気王国も戦後王政と当時の経済体制を撤廃し、電気国となった。

電気国支配圏の各国は悪国、ゴースト国を除き、主権を持って独立することとなった。

311 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:16:43 ID:hCJGUgSo (106/193)



のちに元老院長にペルシアンが立ち、新生ポケモン共和国が建国される。

そして、戦争の反省を生かして、平和連合理事会を立ち上げた。電気国 氷の国 竜の国 炎の国 が常任理事国であった。

ノーマル国と近隣諸国は復興をつづけるも、謎の兵器の毒性が発覚し、悪国、ゴースト国は立ち入り禁止区域となる。

それをはじめとした紛争は長く長く続いた。真の平和が訪れることはなかったのである。

312 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:17:57 ID:hCJGUgSo (107/193)


ノーマル・飛行国発展に尽くしたエテボースは悪人として伝えられることとなった。
 

ノーマル・飛行国は現在、電気国に次ぐ大国として栄えている。

313 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/13 23:19:20 ID:hCJGUgSo (108/193)


エテボース(ポケ歴902~945 在位931~945)

ノーマル・飛行国第一議長及びノーマル・飛行連合帝国皇帝。

ノーマル・飛行国敗戦後、反帝国組織を設立。
後にブースターと共にクーデタを起こし、皇帝となった。

連合帝国は、第一次戦争には勝利するも、第二次戦争に敗北。 
その間、恐怖政治によって無理矢理経済成長を成し遂げたと言われる。

敗北後に電気王国へ移送され、非公開に処刑される。


なお、その後突如炎の国に現れ、一大復興と繁栄を成し遂げたエテボース大統領との関連性が疑われているが、それは偽であることが証明されている。





END1 「平和」

315 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:31:27 ID:5WHPiPCQ (109/193)


―――終戦後 電気王国 牢獄―――

エテボース「これで…よかったんだよね…」

エテボース「プクリン大統領…ブースター…ザングース…もうすぐ会えますね…」

スタスタ

エレキブル「ははは。元気か?」

エテボース「貴方は!?国王陛下がこんなところで何をしているのです?」

エレキブル「ふん。野暮用だ野暮用」

エレキブル「…」

エテボース「…」

316 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:32:15 ID:5WHPiPCQ (110/193)



エレキブル「…吾輩は王位を降りるつもりだ」

エテボース「え」

エレキブル「ふん。王位なんぞ争いのもとになるだけだからな」

エレキブル「…この国を見てみろ。もう戦争でボロボロだ」

エレキブル「経済体制ももう破綻寸前…」

エレキブル「もう大国としての威厳などない」

エレキブル「すべてはゴースト国に騙されていただけだったようだ」

317 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:32:47 ID:5WHPiPCQ (111/193)


エテボース「そうだったんですか…」

エレキブル「正直に賞賛させてもらう」

エレキブル「あの短い時間での発展…占領国からの脱出…君主の見本なり」

エレキブルは膝をつき、エテボースに頭を下げた。

エテボース「な、おやめください!罪人に礼など…」

318 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:33:27 ID:5WHPiPCQ (112/193)


エレキブル「吾輩は愚公だ。平和こそ成し遂げたものの…実質何もしていないではないか!」ドンッ

エレキブル「最後まで侵略ばかりだ。ウインディと何も変わりはしなかった」

エレキブル「吾輩に貴公を殺すことなど到底出来ぬ…」

エテボース「何を仰るのですか…」

エレキブルは立ち上がり、わざとらしく言った。

319 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:36:26 ID:5WHPiPCQ (113/193)


エレキブル「あーあー。ゴホン。明日、お前を絞首刑に処すー」

エレキブル「吾輩はその『大きな尻尾』が邪魔だと何度もいったのだがなー」

エレキブル「側近どもは許してくれなくてなー」

エレキブル「非公開にはしたがー絶対にその尻尾で縄をつかんで助かろうなどと思うなよー」

エレキブル「そうなっても、我が国の法では『死亡扱い』になってしまうからなー」

エレキブル「はははー。まさか先代も受刑者が生き残ることなんぞ考えていなかっただろー」

320 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:37:07 ID:5WHPiPCQ (114/193)


エテボース「エレキブル王…」

エレキブル「さらばだー」テクテク

エレキブルはテクテクと来た方向へと戻っていく。

ピタッ

321 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:37:26 ID:5WHPiPCQ (115/193)


エレキブル「まさか法の穴がこのようなところで役に立つとはな…」

エレキブル「貴公には炎の国の復興をお願いしたい」

エレキブル「まあ、生きるか死ぬかを強制はせん」スタスタ

エテボース「あ…」

322 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:37:57 ID:5WHPiPCQ (116/193)



―――次の日 死刑台―――

エテボースは死刑台の階段を一歩一歩上っていった。

サンダース「さぁ…縄を」

キュッ

エテボース「どっちみち『私』は死ぬんですね…」

サンダース「はい…しかし、まだ死ぬべきではありません…」

323 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:38:28 ID:5WHPiPCQ (117/193)


エテボース「…」

エテボース「『悪者』として、私は死を受け入れるつもりですよ」

エレキブル「…やれ」

パカッ

ギィィィ…

324 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:38:46 ID:5WHPiPCQ (118/193)


―――…

ロトム「本国が消えてもゴーストタイプは滅びないのじゃー」

ロトム「さっさと王に入れ替わって…」

サンダース「聞かせていただきました」

ロトム「お前は国王顧問官の!?」

サンダース「貴方を逮捕します」ザザッ

ロトム「ムウマージ様ぁ~…」

325 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:39:21 ID:5WHPiPCQ (119/193)


その後、シャンデラやユキメノコなど、ゴースト国に関わっていた者たちが次々と逮捕。その野望が暴露された。

だがそれは全く知らされることはなく、戦争はただエテボース帝の悪行であるという常識が定着していった――

326 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:39:49 ID:5WHPiPCQ (120/193)


―――…数か月後 炎の国

サンダース「いよいよですね。この宣言によって新首都と元首が国民に知らしめられるのです」

「そうだね。最初のうちは反発もあるだろうけど…いつかは理解してくれるだろう」

「電気王国…今は電気国だね。そのお陰でシャンデラは逮捕されたし、ガーディ皇太子も戦死して内戦は落ち着いたからね」

327 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:40:17 ID:5WHPiPCQ (121/193)


サンダース「貴方の政治力ならばきっと大丈夫ですよ」

サンダース「それにしても、僕を首相に選ぶなんてそちらの方が驚きです」

「ん?いやあそれは…」

328 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:40:38 ID:5WHPiPCQ (122/193)


「君も元はノーマル・飛行国出身なんだろう?」

サンダース「はい。そうですね」

「そこから国王顧問官まで出世したなら大したものだからね」

サンダース「いえ…あの役職、実は歴代でも就任して五か月間も生きていた者がいない貧乏くじだったんですよ…」

329 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:40:56 ID:5WHPiPCQ (123/193)


サンダース「無能な役人の処理場みたいなものだったんです」ハハ

「でも君は生きているじゃないか。つまり君は無能じゃないってことじゃないのかい?」

サンダース「いえ、たまたま運よく任期と王政破棄がかぶっただけです…」

「そう謙遜するなよ。君は十分な器を持っているさ」

「それと、君は私の死んだ友人に似ている気がするからかな」

330 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:44:07 ID:5WHPiPCQ (124/193)


サンダース「僕が友人に…ですか?」

「ああ。君と同じイーブイ族のね」

「彼のお陰で今の私があるんだ」

「一度他国へ渡り、功績をため、自分の信念のために祖国へ戻り繁栄させた英雄だよ」

サンダース「そうなんですか…」

「まあ君よりももっと図々しかったけどね」

331 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:45:00 ID:5WHPiPCQ (125/193)


サンダース「あ、そろそろ時間ですね」

「おっと、雑談している間にあっという間に時間が過ぎてしまったみたいだ」

サンダース「行きましょう」

「ああ。私の最後の大仕事だ」

332 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:45:21 ID:5WHPiPCQ (126/193)


―――…

その後、炎の国は突如現れた『英雄』により大復興を遂げた。

彼は安保理を提案し、さらなる平和を約束した。

彼は善政を敷き、内戦を完全に平定した。

彼はノーマル国と強い提携を結び、産業を発展させた。

彼はノーマルタイプとして、差別を完全になくした。

彼は死後も語られる偉ポケモンとなった。

だが、とある悪者との関連は皆無と証明された。

悪者は確かに『死んだ』からである。

本当のことを知るのは一部の者に過ぎない。

ただほっそりとその本当の英雄伝は伝えられていくのであろう…

END2「英雄と悪者」

333 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:46:04 ID:5WHPiPCQ (127/193)


―――…

「はぁっ…はぁっ…」タッタッタッタッ

「ここまでくれば…」タッタッタッタッ

「ぐっ…」バタッ

「もう三日は走りっぱなしだ…限界か…」ハァハァ

ガサガサ

334 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:46:29 ID:5WHPiPCQ (128/193)


「!?」


「まさかこんな森の中に炎帝国軍が…?」

「ちっ…もうダメか…」ギュッ

エイパム「あ、あなたは!?」

335 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/15 22:46:45 ID:5WHPiPCQ (129/193)


エイパム「ザングースさんじゃないですか!」

ザングース「あ、お、お前は…?」

エイパム「大丈夫ですか?今すぐ仲間のところに…!」

ザングース「すまない…」

336 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/16 00:43:58 ID:jWKO/Evo (130/193)


―――数週間後 ノーマル共和国 サウスエリア郊外―――

ムクホーク「まさかお前が転がり込んでくるなんてなぁ」

ザングース「ああ。ノコノコと殺されに行くわけにもいかなかったんだよ」

ザングース「それよりお前が生きているのも不思議だろうに」

ザングース「先の戦争で死んだんじゃなかったのか?」

337 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/16 00:44:22 ID:jWKO/Evo (131/193)


ムクホーク「エイパムが助けてくれたのさ。私が襲撃された後、必死で氷を溶かして連れ出してくれたんだ」

ムクホーク「まあ『鳥の4将』は私だけになっちまったみたいだが…」

ザングース「なるほどな…それで、こっそり残党を捕まえていたと」

ムクホーク「そうだ。いざという時のためにとな」

338 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/16 00:45:07 ID:jWKO/Evo (132/193)


ザングース「…だがもうそれも必要なさそうだな」

ムクホーク「うむ。先日の革命で炎帝国の勢力は排斥された」

ムクホーク「有志によって、ほとんどの者は新帝国の軍に帰化させるつもりだよ」

ザングース「お前はどうするんだ?」

ムクホーク「私か?私は残る」

ムクホーク「こんな翼じゃもう飛べもせん…」バサッ

彼の翼はボロボロになっていた。恐らく先の襲撃でやられてしまったのだろう。

339 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/16 00:45:30 ID:jWKO/Evo (133/193)


ザングース「そうか…」

ザングース「ならば、俺の話に乗らないか?」

ムクホーク「ん?なんだ?」

ザングース「俺が第一議員をしているときに妙な噂を聞いたんだ」

ザングース「とある国に『人間の遺産』が実在している。そしてそれは恐ろしいものであると…」

340 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/16 00:45:58 ID:jWKO/Evo (134/193)


ムクホーク「人間の遺産?」

ザングース「ああ。だが俺もそれが何かが正確にわかっているわけじゃない」

ザングース「だから、死ぬ前にここまで逃げてきて突き止めようと思ったのさ」

ムクホーク「なるほど…タダでは死なんということだな…」

ザングース「ああ。ぜひ協力してほしい」

341 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/16 00:46:18 ID:jWKO/Evo (135/193)


ムクホーク「いいだろう…こんな老体でよければ喜んで力を貸そう!」

ザングース「十分だよ。ありがとう」


ムクホーク「ならば今からは?」

ザングース「俺が噂を聞いたのは悪国の商人だ」

ザングース「落ち着いたら悪国へ向かおうと思う」

344 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/16 23:53:47 ID:jWKO/Evo (136/193)


―――悪国―――

悪国は国とはいえど、その実態はマニューラをリーダーとした組織体である。

憲法や明確な法などは定められておらず、ただ暗黙のルールに従って動く怪しい場所であった。

だが、経済は活発で、各国の商人がここで市をよく行っていた。

それもあり、他タイプの者が悪国内を歩き回ることに特に問題はなかったのである。

345 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/16 23:54:20 ID:jWKO/Evo (137/193)


ムクホーク「ふむ…初めて来たが、意外と明るいんだな」

ザングース「ああ。」

ムクホーク「あてはあるのか?」

ザングース「ない」

ムクホーク「」

346 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/16 23:54:50 ID:jWKO/Evo (138/193)


ザングース「冗談だよ…まずは噂の発信源を辿る」

ザングース「うまくいけば幹部にも立ち会えるかもしれない…」

ムクホーク「なぜだ?」

ザングース「簡単なことだ」

ザングース「普通ならそんな噂誰も信用しないだろう?」

ザングース「だが、その商人は俺を引き留めてまでその噂を俺に教えたんだ」

347 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:10:12 ID:ehbBi326 (139/193)


ムクホーク「そんなのそいつが信じやすい性格だったんじゃないのか?」

ザングース「いや、そんなことはない。言ってなかったがそのとき俺は2万ポケを渡されたんだ」

ザングース「狡猾な彼らが、証明料などと言って置いていったんだぞ?おかしいと思わないか?」

ムクホーク「なんと…」

ザングース「つまり、その噂は相当信用できるところから来ている…」

ムクホーク「だから幹部とのつながりが濃厚というわけだな」

ザングース「そうだ。しばらく聞き込みをしよう」

ザングース「怪しまれない程度にな」

348 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:17:30 ID:ehbBi326 (140/193)


―――数週間後 悪国 末席幹部の館―――

アブソル「ブラッキー様。最近この辺りで『人間の遺産』について触れ回る輩がいるそうです」

アブソル「どう致しますか?」

ブラッキー「おお。ついに現れたか。商人共は一体誰に目星をつけたのかしら?」

アブソル「どうやらノーマルタイプの者らしいです」

349 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:17:49 ID:ehbBi326 (141/193)


アブソル「ザングースとムクホークという種族の者だと…」

ブラッキー「いいでしょう」

ブラッキー「そいつらを呼び寄せなさい」

ブラッキー「これでたっぷりお礼が出るわ…ムフフ」

アブソル「御意」

350 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:18:09 ID:ehbBi326 (142/193)


―――数日後 館前―――

アブソル「ここが主人の館です。どうぞ」

ザングース「ああ。ありがとう」

ムクホーク「まさか本当に幹部つながりだとは…」

ザングース「はは。『遺産相続』も捗りそうだな」

351 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:18:37 ID:ehbBi326 (143/193)


―――末席幹部の部屋―――

ブラッキー「わざわざ悪国までようこそ」

ザングース「一応隣国だからな」

ブラッキー「そうでしたわね…フフ」

ブラッキー「それで、あなた方はあの噂を聞いていらっしゃったんでしょう?」

ムクホーク「うむ。ということはあの噂は貴方が流したということですな」

352 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:19:01 ID:ehbBi326 (144/193)


ブラッキー「いかにも。と言っても、ワタクシもある方に依頼されたんですけどね」

ザングース「!?さらに後ろがいるということか」

ブラッキー「そうですわ。実際にここまで来たのはあなた方が初めてですけど…このことを教えるのも依頼の一部です」

ブラッキー「しばらくは泊まっていってください」

ブラッキー「次にまた戦争が始まるまでは泊めておけというのも依頼の一つです」

ムクホーク「そうですか…ではお言葉に甘えて」

ザングース「そうだな。当てがなくて困っていたしちょうどいい」

353 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:19:38 ID:ehbBi326 (145/193)


――…

それから俺たちは束の間の平和を楽しんだ。

館は豪華そのものだった。

使用人にはノーマルタイプの者もいたので、すぐになじむこともできた。

だが、どうしても心が晴れることはなかったのだ。

『人間の遺産』とは何なのか…考えるまま夜は眠れない。

354 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:20:15 ID:ehbBi326 (146/193)


そんな時には祖国の繁栄を知って歓喜するのだ。

エテボースは表の舞台で賢帝を演じ、俺は裏でぬくぬくと平和を楽しむ。

こんな生活も悪くないと思った。


そんな時だった――

355 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:21:08 ID:ehbBi326 (147/193)


―――5年後―――

アブソル「開戦です!ノーマル・飛行連合帝国軍と氷軍が格闘国で衝突!」

アブソル「悪国もすぐさま連合帝国に宣戦したと…」

ブラッキー「ついに始まりましたか」

ブラッキー「まあ悪国に被害はないでしょう。これは儲かりますわ…ムフフ」

アブソル「しかし…あの二匹はどうします?」

ブラッキー「そうですね。依頼の続きをお願いしましょう」

356 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:21:36 ID:ehbBi326 (148/193)


―――…

ザングース「で…依頼の続きというのは?」

ブラッキー「はい。ワタクシへの依頼主のことです」

ムクホーク「ふむ。一体誰なんだ?」

ブラッキー「ほとんど身の上は隠されていたのですが…」

ブラッキー「ゴースト国民のゴーストです」

357 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:21:59 ID:ehbBi326 (149/193)


ザングース「ゴースト国か…やはりあの国怪しいと思ったら…」

ムクホーク「政治体制もいまだに謎の隠密国家…下手に手出しはできませんな」

ブラッキー「ええ。しかし、戦争が始まった。ゴースト国はさらに何かしらの動きを見せると思われます」

ブラッキー「その隙をついて潜入を…」

ザングース「あそこの国境は厳しいんじゃなかったのか?」

358 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:22:39 ID:ehbBi326 (150/193)


ブラッキー「はい。真向に行けばまず毒殺です」

ブラッキー「しかし、参戦すれば話は別…国境の警備は手薄になる」

ブラッキー「ゴーストも何かしら手を入れているでしょうし…大丈夫でしょう」

ムクホーク「また無茶苦茶ですな」

ザングース「構わないさ。どうせ俺はもう死んでるはずなんだからな」

ブラッキー「あら。どいうことなのですか?」

359 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:23:25 ID:ehbBi326 (151/193)


ザングース「俺は元ノーマル・飛行国第一議員のザングースだ」

ムクホーク「おっとならば私も…元軍司令のムクホークです。以後お見知りおきを」

ブラッキー「!あらあら。商人もえらく大きな穴を選んだようですね」

ブラッキー「ムフフ…これはお礼をはずんでもらわないと…」ボソッ

ザングース「ん?何か?」

ブラッキー「いえいえ。何でもありません」

ブラッキー「まあそういうことです。まあもうしばらくはゆっくりしていってください」

ムクホーク「ここまでしていただいて申し訳ない」

ザングース(お礼…?)

360 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:23:52 ID:ehbBi326 (152/193)


―――数か月後―――

ザングース「長い間世話になったな」

ムクホーク「また会う機会があれば!」

ブラッキー「はい。ではまた…」

二匹は西の方へと旅立っていった。

361 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:24:14 ID:ehbBi326 (153/193)


―――…

ブラッキー「さて…お礼をもらいましょうかゴースト」

ゴースト「お久しぶりですね…」

ゴースト「本当にありがとうございます」

ブラッキー「お礼のポケはずんでもらいますからね。何せノーマル・飛行国の元上層部を送ったのですから」エッヘン

362 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:24:41 ID:ehbBi326 (154/193)


ゴースト「残念ですがポケでは渡せません」

ブラッキー「なんですって!?」

ゴースト「私が貴方にだすお礼は『情報』です」

ブラッキー「な、そんな話通用すると思っているの!?」

ゴースト「はい。しばらくすれば貴方も納得しますよ」

363 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:25:01 ID:ehbBi326 (155/193)


ブラッキー「そんな根拠のないことを…」

ゴースト「まあまあ…よく聞いておいてください」

ブラッキー「ちっ。いいでしょう。くだらなかったらあなたを斬り捨てますからね」チラッ

アブソル「…」ザッ

364 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:25:28 ID:ehbBi326 (156/193)


ゴースト「…はい。もうすぐ電気王国がこの悪国に宣戦します」

ブラッキー「は!?あんなポケモン共和国の正反対側にある国がどうやって…」

ゴースト「先日始まった氷の国への侵略」

ゴースト「あれはこの国を狙ってのものだったのです」

ブラッキー「な…なんということなの…リ、リーダーに知らせなくては…」

365 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:25:55 ID:ehbBi326 (157/193)


ゴースト「無駄ですよ。もう数日で電気王国は氷の国を占領しきり、ゴースト国を貫通してこの国に侵攻します」

ゴースト「あなたが逃亡の準備をする間にはもう侵攻は始まるのです」

ゴースト「しかも、貴方はあまりマニューラに好かれてもいない末席幹部…」

ゴースト「まず信じるような方はいないでしょう」

ブラッキー「く…そんな所まで図っていたとは…」ペタン

ゴースト「今すぐにでも逃げることをおススメします」

ゴースト「ではこれにて」ドロン

366 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:31:21 ID:ehbBi326 (158/193)


ブラッキー「…」

アブソル「…ブラッキー様…」

ブラッキー「…できるだけのことはするわ」

ブラッキー「まずはマニューラ様に助言して、悪国辺境にて様子をうかがうことにしましょう」

ブラッキー「万が一敗けたとしても、そこからまたやり直せるようにね…」

アブソル「御意」

367 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:31:55 ID:ehbBi326 (159/193)


ゴーストの言葉通り、数日後に悪国と電気王国との戦争は始まった。

ブラッキーは悪国消滅後、悪国幹部の中で唯一生き残った。

そして終戦後には、祖国復活のため内戦を率いてゆくこととなるのだ…

368 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:32:31 ID:ehbBi326 (160/193)


―――数か月後 ゴースト国北部―――

ムクホーク「結局ノーマル・飛行国からの回り道になっちまったな」

ザングース「仕方ないだろう。ゴースト国と悪国は戦時中だ。国境なんてガチガチだろう」

ザングース「それに…もうあの国は『ノーマル・飛行連合帝国』に生まれ変わったんだぞ」

ムクホーク「おおそうだったな。つい懐かしくなってしまうようだよ」

ザングース「まあいいじゃないか。新しい国もエテボースがうまく引っ張っているようだしな…」

ドロン

369 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:32:55 ID:ehbBi326 (161/193)


ゴースト「いやはや初めまして」

ザングース「敵か!?」

ムクホーク「つばさで…」ザッ

ゴースト「お待ちください。私が貴方がたの依頼主、ゴーストです」

ゴースト「隠れ家は用意してあります。ひとまずはそこへ…」

370 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:33:24 ID:ehbBi326 (162/193)


ゴースト国のポケ口密度はかなり低く、町へ行っても何もいないことはよくあった。

経済体制は電気王国と大体同じ。だが、あまり裕福とは言えない、独裁国家であった。

371 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:33:50 ID:ehbBi326 (163/193)


―――…

ゴースト「いやはや…さすが元幹部様ですね。この国に難なく侵入するとは…」

ムクホーク「難なくではなかったがな」

ザングース「ああ。一度見つかりかけた」

ゴースト「おおお。もし見つかっていたら私の命も飛んでいましたよ…危ない危ない…」

ムクホーク「?」

372 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:34:16 ID:ehbBi326 (164/193)


ザングース「ところでお前は一体どういう身分なんだ?今の言い方からしてただの国民じゃあないだろう」

ゴースト「はい。私は…ゴースト国の科学局局長を務めています…」

ザングース「科学局?」

ムクホーク「そんなところは初めて聞いたな」

ゴースト「当然ですよ。極秘ですからね。ゴースト国にはいくつかの局があってですね…」

ゴースト「独裁の中心地は政治局と呼ばれる場所なんです」

373 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:34:42 ID:ehbBi326 (165/193)


ゴースト「現在はムウマージ政治局局長がこの国の君主なのです」

ムクホーク「そんな極秘のことを軽々と…大丈夫なのか?」

ゴースト「はい。私科学局局長はムウマージ局長第一の部下…いわば最高幹部なのです」

ゴースト「権力で多少はどうにかできます。まさか局長も最高幹部が裏切るなんて予想もできないでしょうから…」

ザングース「で、この依頼の趣旨を教えてもらおう。『人間の遺産』とはいったいなんなんだ?」

ゴースト「はい…」

374 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:35:11 ID:ehbBi326 (166/193)


ゴースト「貴方がたはどうして人間が滅んだか知っていますか?」

ムクホーク「知らないな…」

ザングース「考えたこともない」

ゴースト「…私たちはその原因を知っているのです…建国以前から…」

ザングース「そんな前から…もう何百年も前の話じゃないか」

375 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:35:40 ID:ehbBi326 (167/193)


ゴースト「はい。そしてその原因とは…」

ゴースト「戦争ですよ…何百万というポケモンたちと人間たちが互いに争い合ったのです」

ゴースト「しかし、それでも決着はつかなかった」

ゴースト「人間は、最後にその知恵を使い、ある兵器を使ったのです」

ムクホーク「ヘイキ?」

ゴースト「はい…簡単に多くの命を奪える恐ろしいものですよ」

376 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:36:15 ID:ehbBi326 (168/193)


ゴースト「マルマインの爆発原理を解明し爆発力を極限まで高め、さらにわれらゴースト族の強力な毒を混ぜた爆弾です…その爆発力は元のマルマインの約2千万倍で…うんぬんかんぬん」

ゴースト「とまあこれが『人間の遺産』の正体なのです」

ムクホーク「」

ザングース「」

377 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:36:54 ID:ehbBi326 (169/193)


ゴースト「とりあえず…マルマインのように爆発し、国一つを焼きつくし、さらに毒を盛った危ないものだということです」

ザングース「な、なるほど…そんなものがここに実在しているということか」

ムクホーク「使われればポケモン共和国もろとも吹き飛ぶな…」

ゴースト「いえ…さすがにそこまでは…せいぜいゴースト国がまるごと吹き飛ぶ程度ですよ」

ザングース(それでもすごいような…?)

378 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:37:29 ID:ehbBi326 (170/193)


ゴースト「私達科学局はその遺産を発掘し、また使えるように修復していたのです」

ゴースト「現在3つが修復に成功しました…」

ザングース「そんなもの国際法以前にあってはならないものだろ…」

ゴースト「はい…私もそれを修復する間に恐ろしくなったんです」

ゴースト「ムウマージ局長は次の戦争にでも使うつもりでしょう…」

379 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:38:06 ID:ehbBi326 (171/193)


ムクホーク「今はゴースト国は参戦していないんだよな」

ゴースト「はい。しかし、ゴースト電気、ノーマル水両陣営はこの戦争のあとも対立を続けるでしょう」

ゴースト「第二次戦争は避けられるものではありません…」

ゴースト「もし使われることになったら…安全な起爆方法を教えますから、この国のなかで爆発させてください」

ゴースト「もうこの国は滅ぶべきなのです」

380 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:38:36 ID:ehbBi326 (172/193)


ムクホーク「なぜそこまで…」

ザングース「祖国を粗末に考えてどうする!」

ゴースト「貴方がたが知らないのも無理はありません」

ゴースト「この第一次戦争の…いやもっと前、ノーマル・飛行国を滅ぼした元凶はこのゴースト国なのです」

ザングース「なんだと!?」

381 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:39:02 ID:ehbBi326 (173/193)


ゴースト「事の発端はあの『北部大連合』までさかのぼります…」

ゴースト「あの大連合発足を影で結びつけたのがムウマージ局長なのです」

ゴースト「さらに氷の国女帝のユキメノコ、炎帝国左大臣のシャンデラらもムウマージ局長の手下であり…」

ゴースト「彼らはこっそりと戦争が始まるよう動いていたのですよ…」

382 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:39:50 ID:ehbBi326 (174/193)


ムクホーク「なんということだ…」

ザングース「すべてはこの国に踊らされていただけだったのかっ…」ギリ

ゴースト「はい。だからもうこのようなことを繰り返さないためにも…」

ゴースト「協力をお願いしたいのです…」



――――――
―――――
――――

383 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:40:26 ID:ehbBi326 (175/193)


―――7年後 第二次戦争終戦間近 ゴースト国 科学局―――

「シンニューシャダー」

「ニンゲンノイサンマデタドリツカセルナー」

「ソッチニイッタゾー」

ザングース「はあはあ。もうすぐだ…」

ムクホーク「私たちの戦いもついに終章だな」

ザングース「ああ。いままでありがとう」

384 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:40:54 ID:ehbBi326 (176/193)


――― 1時間後 最深部 ―――

シュン

ザングース「ここだ…」

目の前には、ザングースと同じくらいの大きさの球体が厳重に安置されていた。

遊び心なのか、無機的な色にマルマインの模様があしらわれている。

385 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:41:18 ID:ehbBi326 (177/193)


ムクホーク「おいまて!2つしかないぞ!」

ザングース「しまった!もう運び出されたか…」

ザングース「仕方ない。この二つだけでも起爆させよう」

ムクホーク「思いっきり技をぶつければいいんだよな」

ザングース「ああ。ゴーストの言ってることは何一つ理解できなかったさ」

386 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:42:11 ID:ehbBi326 (178/193)


ムクホーク「そうだな。生き残ったってどうしようもない」

ザングース「俺は誰も知らない英雄にでもなるさ。エテボースだって一緒だろう」

ムクホーク「はは。オオスバメ、オニドリル、ケンホロウ…そしてムクホーク」

ムクホーク「『鳥の4将』最後の一匹にふさわしい死にざまよ!」

「アイツラッ」

「マズイッキバクサレタラウゴカセンゾ」

「タイヒ!タイヒ!」ドロンドロン

387 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:42:53 ID:ehbBi326 (179/193)


ザングース「あいつらも見物していけばいいのにな」

ムクホーク「そうだな…さーて」

ザングース「遺言もない。やるぞ。俺は右、お前は左だ」

「せーの!」

「「はかいこうせん!!!」」

ドォォッ

ガイブカラノコウゲキヲカンチ

キバクシマスキバクシマス…

388 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:43:56 ID:ehbBi326 (180/193)


ザングース「またあの世で会おうじゃないか…」ドサッ

ムクホーク「それこそゴーストになって、だな…」ドサッ


カッ

389 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:44:23 ID:ehbBi326 (181/193)


―――数分前 政治・軍事局―――

ムウマージ「大成功ですネ」

ムウマージ「これで戦争も終わりますヨ…」

ゴースト「そうですね…」

ムウマージ「どうしたんですカ?」

390 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:44:46 ID:ehbBi326 (182/193)


ゴースト「いえ、何でもないですよ。ただ私もポケモンですから…後ろめたいことはあります」

ムウマージ「まあまア…それは全て私が背負いまス…貴方は悪くありませんヨ…」ニコッ

ゴースト「局長…」

ゴースト「申し訳ありません。最後に貴方を裏切ってしまうこととなるとは…」

391 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:45:17 ID:ehbBi326 (183/193)


ムウマージ「?」

ゴースト「今、科学局にある残りの爆弾を起爆させようと、ある方々が向かっています」

ゴースト「もう爆弾までたどり着いているかもしれません」

ゴースト「この国も野望も終わりですよ」

392 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:45:46 ID:ehbBi326 (184/193)


ゴースト「…しかし…私に貴方を殺すことは…できない…」

ムウマージ「そうですカ…まあこうなることは分かっていましタ…」

ゴースト「え?」

ムウマージ「実はあの爆弾…連合帝国内を直接爆破するつもりだったんでス…」

ゴースト「な…」

393 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:46:04 ID:ehbBi326 (185/193)


ムウマージ「それがどういう訳か悪国ニ…」

ムウマージ「貴方だけではないのですヨ…賢い者はネ…」

ゴースト「局長っ!」

ゴースト「どうか地下に…緊急用のシェルターにお行きください!」

394 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:46:52 ID:ehbBi326 (186/193)


ムウマージ「えエ…まだ私は諦めてはいませン」

ムウマージ「またどこかの時代で機会を狙うとしましょウ…」

ムウマージ「貴方は来ますカ?」

ゴースト「いえ。行けません」

ゴースト「私は何十万という命を奪ったのです」

395 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:47:24 ID:ehbBi326 (187/193)


ムウマージ「それが賢い判断でス…」

ムウマージ「またお会いしましょウ」

ムウマージ「それこそゴーストになって、ネ…」

ポヨン

396 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:48:11 ID:ehbBi326 (188/193)


ゴースト「はあ…私は…」

ゴースト「ふふ…それもまた面白いかもしれませんね」

ゴースト「さて、古の花を特等席で見させてもらいましょうか…」

397 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:48:26 ID:ehbBi326 (189/193)

窓から外を見れば、目と鼻の先に科学局が見えた。

職員たちが次々と逃げ出している。もうすぐこの戦争も…


カッ

ゴォォォォォォォ…

398 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:48:51 ID:ehbBi326 (190/193)


―――…

その後、ゴースト国は立ち入り禁止区域となり、事実は封印された。

ザングースのことも、ムクホークのことも、何1つ記録されることはなかった。
ただ元悪国幹部の話を除いて。

399 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:49:15 ID:ehbBi326 (191/193)


噂では、その立ち入り禁止区域のゴースト国で姿影が目撃されたとか。
時を超えて、再び世界が脅威に曝されるという話は、また別の物語である。

ここにおいて、裏の戦争も終わりを告げる。
知られていることが本当の歴史とは限らない。もしかしたら、誰も知らない英雄が存在していたのかもしれない。

400 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:50:15 ID:ehbBi326 (192/193)



END3「誰も知らない」


及び、エテボース「ポケモン戦記」 完

401 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:51:37 ID:ehbBi326 (193/193)


ということで終わりです!支援ありがとうございました。

また別スレで続きやらスピンオフ書くかもしれません。
そのときはまたよろしくお願いします。

ではみさんおやすみなさい!

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[ 2012/11/25 23:38 ] その他 | TB(0) | CM(7)

探偵GODです

はじめまして探偵GODです。
これは勉強になります。
[ 2012/12/08 20:07 ] [ 編集 ]

一生に一度のチャンスでした。

私のことを覚えてないかもしれないですけど、それでもいいです。
母子家庭で1歳の息子がいて、何も買ってあげられなかったんです。
そんなとき、すごい夢見たいな話がきたんです。
おそるおそる連絡をしただけで、本当にお金が振り込まれたんです!
すぐにお金持ちになれる方法あります。
本気で知りたいという人は連絡してください。
emi_himitu@yahoo.co.jpまでメールしてもらえたらその方法を教えます。
メールもらえたらすぐに返事出しますから。
[ 2014/07/17 01:54 ] [ 編集 ]

お釈迦様が連絡してくれました。

これで最後にするので最後に一ついわせてください。
母子家庭で1歳の娘がいて、何も買ってあげられなかったんです。
あるとき、すごく有名な人と連絡をとることができました。
お金がほしいと伝えたら、すぐに振り込んでくれたんです。
借金を一括で全額返済できます。
本当に知りたいという人は連絡してきてください。
知りたい人はemi_himitu@yahoo.co.jpまでメールください。
驚愕の秘密を連絡してくれた人だけに教えます。
[ 2014/07/21 17:13 ] [ 編集 ]

神様はいるんだなって思います。

どうしても伝えたいと思って、こうして連絡します。
5歳の子供がいるのに何も買ってあげられませんでした。
ある場所で噂になっていた掲示板を教えてもらいました。
お金がほしいと伝えたら、すぐに振り込んでくれたんです。
不労所得が簡単にできるんです。
本当に助かりたい人だけ、連絡してください。
知りたい方はemi_himitu@yahoo.co.jpまでメールください。
メールもらえたらすぐに返事出しますからね。
[ 2014/07/29 19:59 ] [ 編集 ]

本当に助かりました。

できるだけ多くの人に教えたくて、こうして連絡します。
母子家庭で2歳の娘がいて、何も買ってあげられなかったんです。
そんな私でも、借金も一括で返済して、家を現金で買えてしまいました。
すべて信じて連絡をしてみたら、使いきれないほどのお金をもらうことができました。
借金を一括で全額返済できるんです。
本当に助かりたい人だけに教えます。
もし知りたい人は、emi_himitu@yahoo.co.jpまでメールしてください。
メールしてくれた人だけにすごい秘密を教えます。
[ 2014/08/10 09:39 ] [ 編集 ]

最初は本当に受け取っていいのか戸惑っちゃって何度も確認しました。

我慢できなくて、伝えることにしました。
1つも幸せなんて知らずに生きてきました。
ある場所でうわさになっていた掲示板を知りました。
信じれば信じるほど、お金をもらうことができました。
不労所得が簡単にできるんです。
本当に知りたい人だけに教えます。
emi_himitu@yahoo.co.jpまでメールしてもらえたらその方法を教えます。
禁断の秘密を連絡してくれた人だけに教えます。
[ 2014/08/17 22:10 ] [ 編集 ]

神様が連絡してくれました。

お願いですから少し時間をください。
母子家庭で4歳の息子がいて、何も買ってあげられなかったんです。
お金が欲しいってずっと思っていたら、ある人に出会いました。
一生使い切れないほどのお金が振り込まれたんです。
借金を一括で全額返済できるんです。
本当に知りたいという人は連絡してきてください。
banana_ayako@yahoo.co.jpまでメールしてもらえたらその方法を教えます。
メールしてくれた人に驚愕の秘密を教えます。
[ 2014/09/02 12:30 ] [ 編集 ]

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