1 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/01 00:23:57 ID:UXPKAQ6o (1/194)
人間がポケモン世界から姿を消して幾年。文明は衰退した。
残されたポケモン達は人間たちの遺した文明を受け継ぎ、復興と繁栄を遂げた。
彼らはポケモン共和国という国を立ち上げ、協調と共和のもと、永遠の平和を互いに誓い合った。
だが、ポケモン達はタイプごとに分かれ共和国内部に独自の国を立ち上げた。彼らは『法』や『技術』など、人間をほとんど模倣することに成功したのだ。文明レベルは、兵器が存在しないことを除き、人間のいなくなる1世紀前のレベルまで戻った。
そして、それが引き金となり、ポケモン共和国は最後の『平和宣言』も空しく、崩壊の一途をたどることとなっていった…
元スレッド情報
エテボース「ポケモン戦記」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1351697037/
2 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 00:24:46 ID:UXPKAQ6o (2/194)
―――某国某所―――
?「いやはや、皆様のおかげで真の平和は目前ですヨ。もうポケモン共和国は持ちまセン。強力なリーダーは必要不可欠なのでス」
ウインディ「がははは!それも貴様の功労だな!」
カメックス「この炎、水、電気という大国同士の連合とは…改めてみても大胆ですね」
エレキブル「ふん。協調など必要ないが、水の国と炎帝国が結べば我が国にも損害が出るだけだからな。仕方がない」
3 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 00:25:34 ID:UXPKAQ6o (3/194)
?「まあまあエレキブル王…これも平和のためなのですヨ」
?「でハ…明日にも大連合発足のニュースを流すとしましょうカ。各国にリーダーの存在を知らしめるのでス」
ウインディ「がははは!ならば今日のところは解散だ!また会おう諸君!」
4 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 00:29:08 ID:UXPKAQ6o (4/194)
―――翌日 ノーマル・飛行国 大統領邸―――
TV『本日未明、重大な発表がなされました!』
TV『なんと、炎帝国、水の国、電気王国が同盟を結び、『北部大連合』が発足したということです!』
TV『この発表により、ポケモン共和国全土には不安と衝撃が走っています!』
TV『ポケモン共和国元老院主席のペルシアン氏は格闘国本部より…』
5 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 00:31:00 ID:UXPKAQ6o (5/194)
エテボース「プ、プクリン大統領、これは…」
プクリン「まずいことになったな。あの北部三大国が同盟とは…予想していなかった」
エテボース「あの三国が結べば確かに『三すくみの関係』を打破できます」
エテボース「しかし、電気王国と水の国は犬猿の仲だと聞いていましたが…」
プクリン「ウインディ皇帝だろう」
プクリン「彼としては電気王国と水の国の不仲は不利益だ。ここでその二国を抱き込んでおけば、後々の脅威は無くなる」
6 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 00:31:40 ID:UXPKAQ6o (6/194)
プクリン「これは侵略開始の宣言と同意だ。我が国は炎帝国と国境を接している…」
プクリン「エテボース第一議長!すぐに国境へノーマル軍を派遣せよ!」
エテボース「はっ」
エテボースは尻尾早に大統領邸を立ち去った。
7 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 00:33:04 ID:UXPKAQ6o (7/194)
ノーマル・飛行国は簡単な大統領制である。
大統領は国民投票で選ばれるが、任期は原則無制限である。
大臣職はほとんどを大統領が兼任し、その下に第一議会と第二議会を置く。
第一議会は大統領の弾劾権をもつなど、第二議会よりも権限が強く、人数も極めて少ない。
そして、その第一議長は議会内での拒否権を持ち、権限としては実質大統領に次ぐ国のNO.2となっている。
8 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 00:33:36 ID:UXPKAQ6o (8/194)
エテボース「はぁ、ついに来たか…」
エテボース「そう簡単には攻めてこないといいんだけどな…」
エテボース「とにかく、軍の司令部に電報を送らないと」
9 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:31:38 ID:UXPKAQ6o (9/194)
―――数日後 ノーマル・飛行国首都 中央広場―――
オタチ「…戦争だって??」
ラッタ「ああ、噂だとこの国も狙われてるらしい」
コラッタ「うそでしょ!?ヤバいじゃん!!」
ジグザグマ「エテボース議長が国境に軍を派遣させたそうじゃぞ…」
ポッポ「これは間違いないね。あーあ、平和な時代も終わりかぁ」
ドードー「まじポケモン共和国なにしとんwww」
10 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/01 20:32:50 ID:UXPKAQ6o (10/194)
―――草・毒の国首都―――
ブースター「我が国及び大連合は貴国との友好を望んでいます」
ブースター「だから、この条約を結んでいただきたいのです。一度お目通しを」
リーフィア「パラパラ…き、貴様!なんだこの不平等な内容は!?」
ブースター「何を仰いますか。ただの友好条約です。結んでいただければ貴国に武力措置は致しません」
ロゼリア「外相、力の差は歴然だ。やむをえん」
リーフィア「ロゼリア元帥…ぐ、仕方ない…」
リーフィア「調印しよう…」
ブースター「フフ…末永い友好を」
11 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:34:35 ID:UXPKAQ6o (11/194)
―――数日後 ノーマル・飛行国 大統領邸―――
エテボース「草・毒の国、鋼の国、岩・地面の国さらに虫の国が大連合と不平等条約を?」
プクリン「ああ、国境を交える小国が次々とだ。エスパー国は使者を処刑して抵抗しているそうだがな」
エテボース「いつ我が国に白羽の矢が立つかわかりませんね」
プクリン「うむ。時間の問題だろう。だが、わが国には空軍と産業がある。そう簡単に不平等条約を結ぶつもりはない」
エテボース「そうですね」
12 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:35:20 ID:UXPKAQ6o (12/194)
エテボース「これはある方からの助言なのですが…今のうちに氷の国と同盟すべきだと思います」
プクリン「ん? あの国は国境を接してはいないぞ…」
エテボース「空軍は役に立ちます。しかし、氷の国に敵対されては挟み撃ちの上タイプ的にも不利です。」
エテボース「格闘国は仮にも、平和宣言を出したポケモン共和国の本部ですからまず攻めては来ないでしょう」
プクリン「うむ。近いうちに使者を派遣しよう。国境での動きはまだないか?」
エテボース「はい。今のところは」
プクリン「軍を出動させる機会がなければいいのだがな」
エテボース「はい。仰る通りです…」
プクリン「我が国には自国防衛の最低限の戦力しかない」
プクリン「とてもあの大国の勢いを止めるのは無理だろう…」
エテボース「仕方ありませんよ。それが大統領の政権意向だったのですから」
エテボース「それよりも活発な経済と平和をささえることが第一です」
プクリン「そうだな…」
13 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:37:03 ID:UXPKAQ6o (13/194)
―――後 氷の国 王宮―――
オニスズメ「お初にお目にかかりますユキメノコ女帝陛下。ノーマル・飛行国より使者として参りました」
ユキメノコ「寒い中ご苦労様ね。で、話とは何かしら?」
オニスズメ「はい。先日、北部大連合が発足したのをご存知だと思います」
オニスズメ「彼らはその軍事力を持って近隣諸国を征服しようとしております」
オニスズメ「我がノーマル・飛行国もその強権に曝されているのです」
ユキメノコ「知っているわ。続けなさい」
オニスズメ「我が国は、伝統と産業を守るため、その蛮行を断固として受け入れないつもりです」
オニスズメ「そこで、貴国との同盟を提案したいのです」
14 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:37:31 ID:UXPKAQ6o (14/194)
ユキメノコ(そう来ましたか…)
ユキメノコ(ノーマル・飛行国は産業の栄えた国と聞いている。炎帝国に支配されれば我が国への侵略拠点となりかねない…)
ユキメノコ(ここは、条件でも付けて受諾しましょうか…)
ユキメノコ「いいでしょう。ただし、ノーマル・飛行国の技マシン産業を我が国と共有すること。これが条件です」
オニスズメ「ありがとうございます。その件については、我が国で審議させていただきます」
ユキメノコ(これでひとまず大丈夫かしら…)
15 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:43:54 ID:UXPKAQ6o (15/194)
―――炎帝国―――
ウインディ「がはは!ノーマル国と氷の国が同盟か!これは好機だな!」
ガーディ「と仰いますと陛下…?」
ウインディ「がはは!奴らはほのおタイプを弱点にしている!それを利用してやるのだ!」
ウインディ「適当に戦争でもして、どさくさに紛れてノーマル・飛行国を占領してしまえばいいわ!」
ガーディ「次の狙いはやはりノーマル・飛行国ですか」
ウインディ「がははは!当然だ!奴らの技マシン産業を抑えてしまえば我が軍はさらに軍事力を高められよう!」
16 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:44:52 ID:UXPKAQ6o (16/194)
ガーディ「どうして不平等条約ではないのですか?」
ウインディ「がははは!よい質問だ!奴らの技マシン産業は同盟国の氷の国にも近隣諸国にも流れている!それでは意味がないだろう!」
ガーディ「つまり、独占でなければ意味がないと?」
ウインディ「当然だ!」
ウインディ「それに、草の国も岩・地面の国もいずれは併合するのだ!特に変わるものではないわ!」
ウインディ「がはは!このご時世、力こそ全てなのだ!」
ガーディ「全くです陛下」
ウインディ「いづれはこのポケモン共和国内諸国全てを我が手中に収めるのだ!」
ガーディ「そのようなことは陛下にしか実現できません」
17 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:45:14 ID:UXPKAQ6o (17/194)
ウインディ「…ところで、エスパー国はどうなったのだ?使者を殺したと聞いたが」
ガーディ「はい。条約締結には応じないつもりでしょう。いかがいたしますか?」
ウインディ「がははは!腕白小僧め!その勇気に免じてもう一度だけ機会をやろうではないか!」
ガーディ「もう一度使者を送りますか?」
ウインディ「がはは!今すぐにでも送れ!とびっきりの愛国者をな!」
ガーディ「御意」
18 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:45:56 ID:UXPKAQ6o (18/194)
―――…
ガーディ「ということだ」
ブースター「そうか…ならば適任を遣るとしよう」
ガーディ「ん?今回は自分で行かないのか?」
ブースター「ははは。僕も随分と功績をため込んできた」
ブースター「ここで死にたくはないのでね」
19 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:46:18 ID:UXPKAQ6o (19/194)
ガーディ「ふん。賢い奴だな」
ブースター「君は何故私がこんな外交職を始めたか知っているか?」
ガーディ「知らないね」
ブースター「もうすぐのはずなんだよ…」
ブースター「僕の夢がかなうのはな」
ガーディ「いいだろ。じゃあ使者の件はお前に任せるぞ」
ブースター「あいよ」
20 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:47:12 ID:UXPKAQ6o (20/194)
―――エスパー国―――
ヒトカゲ「では、条約に応じる意思はないということでよろしいのですか?」
ヤドキング「うるさい!お前たちなどに従うものか!こいつを処刑しろ!」
ヤドキングの合図とともに、数匹のエスパーポケモンが使者を取り囲んだ。
ヒトカゲ「結構です。自分で行きますよ。私は皇帝陛下に命を捧げた身、死など恐れはしません」
ヤドキング「くっ…バケモノめ!」
21 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:48:13 ID:UXPKAQ6o (21/194)
ヒトカゲ「それは貴方ですよ閣下?閣下は自国民を危険に曝すのです」
ヒトカゲ「それこそ本当の悪なのですよ」
ヤドキング「つれていけっ!」
ヒトカゲ「では、御武運を祈ります」
使者は自らの足でその場を去った。そして、すぐに刑は執行された。
数日後、彼の言葉通り、エスパー国は窮地に立たされることとなったのである。
22 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:48:43 ID:UXPKAQ6o (22/194)
―――ノーマル・飛行国―――
TV『ついに戦争が勃発しました。ポケモン共和国内国際法に基づき、大連合はエスパー国に宣戦』
TV『その強大な兵力により、エスパー国は圧倒されているということです』
TV『それを受けて、エスパー国の隣国、悪国もエスパー国への侵攻を始めた模様です』
TV『我が国が氷の国と同盟を結んだ直後の戦禍に、各国は同様の動きを見せています』
23 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:49:15 ID:UXPKAQ6o (23/194)
プリン「戦争だってやっべええええええ」
ゴニョニョ「大連合に勝てるとでも思ったのかよwww」
エネコ「物騒ですわ」
ヨーテリー「決着なんてあっという間につくでしょwwwww」
マッスグマ「ま、オレたちにゃ氷の国が味方に付いてるから余裕だなwww」
24 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:50:19 ID:UXPKAQ6o (24/194)
エスパー国がそれから間もなく敗戦したということは言うまでもない。
エスパー国は炎、水を中心とした部隊と悪国に分断占領され、主権、領土含めて完全に消滅した。そして、植民地では激しい差別政策などが敷かれた。
元首ヤドキングは逃亡。共和国全土で指名手配となった。
だが、この戦争はまだ序章に過ぎなかった…
25 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:51:13 ID:UXPKAQ6o (25/194)
―――大統領邸―――
プクリン「ついに始まったか…」
エテボース「はい…平和は、もう維持できないのでしょうか…」
プクリン「残念だが…これは仕方のないことなのかもしれん」
プクリン「人間もこうやって滅びていったのだろう」
エテボース「我らも辿るは滅びの道ですか」
プクリン「もちろん、黙ってみているつもりはない。共和国元老院時代に最後の平和宣言を出したのは私なのだからな」
26 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:51:59 ID:UXPKAQ6o (26/194)
エテボース「承知しております。私はその『貴方』に憧れて政治家となったのですからね」
プクリン「はは。そう言ってもらえて嬉しいよ」
プクリンは一つ微笑んだ。それは大統領などという肩書きのもとではない。
エテボース「私は今でも大統領と話ができるだけも舞い上がる思いです」
エテボース「どうかこの国に戦禍がもたらされないことを祈ります」
プクリン「私も同感だよ。我が国に永遠の平和を」
その後しばらくは特に各国での動きはなかった。
突然の戦争勃発により、各国は慎重に動かざるを得なかったのだ。
27 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:52:38 ID:UXPKAQ6o (27/194)
―――数か月後 氷の国 王宮―――
ユキメノコ「まさか…あなたが直接出向いてくるなんてねウインディ」
ウインディ「がははは!今回の提案は極秘としておきたいことだからな!」
ユキメノコ「提案…?」
ウインディ「がはは!その通り!」
ウインディ「我の次の標的はほかでもない、ノーマル・飛行国だ!」
ウインディ「奴らの産業!空軍!そして地理!世界平定には有利なものがすべて揃っている!」
ウインディ「手に入れないなどという手はないだろう!」
28 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:54:15 ID:UXPKAQ6o (28/194)
ユキメノコ「世界平定とは呆れたものね…」
ユキメノコ「貴方、元老院時代に平和宣言を提唱したじゃないの」
ウインディ「がはは。あの頃の我は若かったのだ…そして、無知だった」
ウインディ「がははは!我は気付いたのだ!世界平和など無意味だとな!」
ウインディ「いづれは解れ、まやかしの平和など終わりを迎えるのだ!このポケモン共和国のように!」
ユキメノコ「でも、我が国はノーマル・飛行国の同盟国。そんなことは…」
ウインディ「がはは!頭のよいお前ならもうわかっているだろう!」
29 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:55:18 ID:UXPKAQ6o (29/194)
ユキメノコ「う…ノーマル・飛行国を犠牲にしろというの?」
ウインディ「がははは!ご名答だ!」
ウインディ「炎帝国は氷の国との平等条約締結と引き換えに、ノーマル・飛行国との同盟破棄を要求する!」
ユキメノコ「我が国は今、ノーマル・飛行国よりもたらされた技マシン産業により、潤っているわ」
ユキメノコ「世論が同盟存続に傾くことは必至よ…」
ウインディ「がははは!そこも考えてある!」
ウインディ「最近…我の周りで我の命を狙う者が現れたのだ」
ウインディ「そやつらの粛清をついでに、氷の国との交戦理由をつくるのだ!」
30 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:55:43 ID:UXPKAQ6o (30/194)
ユキメノコ「氷の国民によるテロにでも見せかけると言うのね…」
ウインディ「その通り!そしてノーマル・飛行国を戦争に引きずり出すのだ!」
ウインディ「あとは機を計って同盟を破棄してしまえばよい!戦時のごたごたで多少の融通は利く!」
ユキメノコ「貴方の大胆さはやっぱり消えてないのね」
ウインディ「どうする!提案を受け入れるか?」
ユキメノコ「はじめからそのつもりしかないのでしょうに。タイプ相性を考えればすぐわかるわ…」
ユキメノコ「…約束しましょう」
ウインディ「がはは!お互いの繁栄を望もうではないか!」
ウインディ(束の間の、な…)
ユキメノコ(束の間の、ね…)
31 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:56:28 ID:UXPKAQ6o (31/194)
―――炎帝国 皇居―――
ガーディ皇子兄「キャハハハ!暗殺計画の方はどうだ参謀長?漏れていないだろうな!」
バシャーモ「はっ。もちろんです閣下」
ガーディ皇子兄「父上め…よりによって弟を正統後継者に選抜するとは…許せない!」
バシャーモ「お気持ちはよくわかります閣下」
32 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:57:05 ID:UXPKAQ6o (32/194)
ガーディ皇子兄「キャハハ!でももうすぐ終わりさ!この国は僕のものになるんだ!」
ガーディ皇子兄「キャハハ!弟も父上もみんな死んじゃえばいいんだ!」
バシャーモ「…」
バシャーモ「それはどうでしょうか」
ガーディ皇子兄「キャハハ!なんだなんだ参謀長?怖気づいたか?」
バシャーモ「いえ、そうではありません」
33 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:57:43 ID:UXPKAQ6o (33/194)
ガーディ皇子兄「ん?お前も父上に恨みがあるんじゃないのか?」
バシャーモ「はい。あります。初めのうちは私も閣下に賛同していました」
バシャーモ「ですが、それはただ皇位継承に異議を立てる程度のもの」
バシャーモ「このようなばかげた考えではなかったはずです」
ガーディ皇子兄「きっきさまっ!」
ガーディ皇子兄「僕に逆らうつもりか!?」
バシャーモ「はい。罰は受けるつもりです。ただし…」
34 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:58:35 ID:UXPKAQ6o (34/194)
バシャーモ「お前も一緒にだこのドラ息子め!」ガシッ
ガーディ皇子兄「ま、まさか、今までのことは全て…」
コロコロ
ビリリダマ「びりびりのびり」
カッ
ドッガァァァァ…
35 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:59:17 ID:UXPKAQ6o (35/194)
―――ノーマル・飛行国 大統領邸―――
プクリン「なんということだ…最悪の事態が起きてしまった…」
プクリン「炎帝国が氷の国に宣戦とは…同盟国の戦争とあっては我が国も参戦せざるをえなくなる…」
プクリン「他タイプの国民が、あの差別風潮の厳しい炎帝国に入り込めるはずがない」
プクリン「…やはり炎帝国の狙いは…?」
そこに、ドタドタと足音を立ててエテボースが駆け込んできた。
36 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 20:59:56 ID:UXPKAQ6o (36/194)
エテボース「だ、大統領!国内に動揺の声が広がっています!」
プクリン「わかってる。だが、どうしようもない」
プクリン「すぐにでも参戦要求がくるだろう」
エテボース「し、しかし!ここで戦争となれば世論は…」
エテボース「大統領不信任になりかねません…」
プクリン「私のことなどかまうな。それよりも我が国のこと考えるべきだろう」
エテボース「…わ、わかりました…」
エテボース「近日第一議会にて審議を行います…宣戦権は憲法により第一議会にありますから…」
プクリン「私も出席しよう」
37 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:00:33 ID:UXPKAQ6o (37/194)
―――後日 第一議会―――
エテボース「…では本日最後の議題に入ります。」
エテボース「先日の炎帝国皇居の爆破事件は、氷の国民によるテロだと断定されたのはご存じに思います」
エテボース「事件により、炎帝国の皇子や軍参謀長など多数の死傷者をだしました。これは甚大な被害です」
エテボース「そこで、炎帝国は氷の国に宣戦。氷の国は我が国に参戦および軍の駐留を要求しております」
38 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:00:55 ID:UXPKAQ6o (38/194)
エテボース「私としては、もちろん戦争など避けるべきものであるという意見です」
エテボース「ですが…近隣情勢を考慮するともう戦争は不可避…」
プクリン「炎帝国…そして大連合は後々草・毒の国ら諸国を併合するつもりだろう」
プクリン「ここで意地を張ってももう彼らと同じ道をたどるだけだ」
プクリン「私はすぐにでも宣戦権を行使することを第一議会に要求する」
エテボース「…では、本日の欠席は0。宣戦権の行使の是非を9人全員に問います」
39 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:01:33 ID:UXPKAQ6o (39/194)
―――…
賛成…4
反対…4
棄権…1
40 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:01:58 ID:UXPKAQ6o (40/194)
エテボース「このような結果となりました。」
エテボース「憲法により、第一議会同票の場合は議長である私の投票結果により決議されます」
エテボース「私の投票は…」
エテボース「賛成です」
エテボース「宣戦権は行使されました。すぐにでも帝国にこの旨を通達致します」
エテボース「それでは、本日の第一議会を閉会します…」
41 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:03:22 ID:UXPKAQ6o (41/194)
―――中央広場―――
ピジョン「おい…第一議会が宣戦布告を議決したって本当なのかよ…」
オニドリル「何が平和宣言だよあのへっぽこ大統領め!」
ピッピ「信頼してたのに…」
ドーブル「ど、どうすんだよ。あんな大国にかてるわけないだろう」
ペラップ「俺たちも終わりか」
ホーホー「おい!そろそろ演説が始まるぞ!」
42 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:06:36 ID:UXPKAQ6o (42/194)
プクリン『…ノーマル・飛行国民の皆様。大統領のプクリンです』
プクリン『我が国は第一議会の宣戦権行使により、炎帝国に宣戦を布告します』
プクリン『私のことを平和宣言提唱者として大統領へと推した方が大勢いらっしゃることは存じ上げております』
プクリン『ですが、近隣諸国の情勢悪化及び同盟国の参戦要求により、私は平和存続を不可能だと判断しました』
ざわざわ・・・
43 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:07:10 ID:UXPKAQ6o (43/194)
プクリン『大国はいづれ我が国に目を付けるでしょう。しかし、黙って搾取されるのを見ていることはできません』
プクリン『我が国には優秀な軍と産業があります』
プクリン『決して敗北などありえません!』
プクリン『決して…』
こうして長い演説は続いた。それでも、世論は動きを見せず、大統領への反感は全土へと広がることとなっていった。
44 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:07:38 ID:UXPKAQ6o (44/194)
―――ノーマル・飛行国 ノースエリア基地―――
ムクホーク「諸君!司令のムクホークだ!これより我らは国境に行く」
ムクホーク「我らの目的はあくまで駐留氷軍の応援だ!『てだすけ』などの補助技を主に使い、攻撃技は上官の許可によってのみ使用せよ!」
ムクホーク「自発的な交戦は可能な限り避けよ!自衛に徹するのだ!」
ムクホーク「では祖国に勝利と平和を!」
「ワァァァァァ!!!」
「ノーマル・飛行国万歳!!!」
45 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:08:50 ID:UXPKAQ6o (45/194)
―――…
氷、ノーマル・飛行連合軍と帝国軍の戦況は膠着した。
氷軍は相性の悪さから苦戦を強いられたが、水氷部隊やノーマル・飛行軍の援助によりそれを脱却した。
戦線は移動することもなく、ノーマル・飛行国の国境でとどまり続けた。
ただ、氷軍がノーマル・飛行国の戦火のない部分へ進駐していったことへ、誰一人として疑問を抱くことはなかった。
46 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:10:06 ID:UXPKAQ6o (46/194)
―――数か月後 ノーマル・飛行国 ノースエリア基地周辺氷軍駐留陣地―――
フリージオ「ツンベアー師団長!本国総司令部より臨時作戦コードです!」
ツンベアー「何!?ついに来たか!」
フリージオ「その通りです!作戦コード『シロガネヤマ クダレ』…ノーマル・飛行国軍への攻撃、撤退命令です!」
ツンベアー「直ちに陣地全員に知らせろ!戦争は終わるぞ!」
フリージオ「はっ!」
47 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:10:49 ID:UXPKAQ6o (47/194)
―――首都 軍司令部―――
ムクホーク「ノースエリア基地が攻撃を?」
エイパム「はい!それだけではありません!」
エイパム「国内各地の基地が氷軍によって攻撃されているのです!」
ムクホーク「は?そんな馬鹿な」
エイパム「氷軍の声明では、ノーマル・飛行国軍の工作を受けて国境の部隊が全滅したと…」
ムクホーク「ありえない!攻撃技はあれだけ規制していたんだ!」
48 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:11:43 ID:UXPKAQ6o (48/194)
ムクホーク「これは奴らの裏ぎり…」
ナッ!オマエハッ!
ドガァァァ
ギャァァァ!!
バタン
49 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:12:10 ID:UXPKAQ6o (49/194)
ムクホーク「ん?貴様は!?」
オニゴーリ「れいとうビーム!」ビッ
ムクホーク「ぐわあああああ」カチーン
エイパム「司令!?」
オニゴーリ「任務完了」
エイパム「ま、まてっ」
エイパムはあわてて部屋を飛び出したが、既に敵の姿はなかった。
50 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:12:30 ID:UXPKAQ6o (50/194)
エイパム「今のは氷軍の…?」
エイパム「司令!大丈夫ですか!?」
ムクホーク「」コオリー
エイパム「あぁぁ…司令がやられた…でもどうして氷軍が…」
51 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:13:15 ID:UXPKAQ6o (51/194)
―――…
氷軍が寝返った後、戦況は一変した。
国境付近で抵抗していたノーマル・飛行軍は敗走を余儀なくされ、南退していった。
ノーマル・飛行国軍のみで炎帝国にかなうはずなどなく、炎帝国軍はあっというまに首都市街地まで迫った。
52 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:14:02 ID:UXPKAQ6o (52/194)
―――ノーマル・飛行国首都―――
ニャース「もうこの国も終わりかニャ…」
カクレオン「そうですね…はぁ…あの時私たちの反対が伝わっていれば…」
カクレオン「第一議会の議決も変わっていたのに…」
ニャース「言ってもしょうがないニャ。今は生きることのみを考えるんだニャ」
バタン
53 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:14:43 ID:UXPKAQ6o (53/194)
ワカシャモ「第一議員二名発見!」
ニャース「な、なんだニャ!?」
ワカシャモ「かえんほうしゃ!」
ニャース「ぐわぁっ」
カクレオン「ニャース!くっ…は、話せばわかる!」
ワカシャモ「問答無用!」ゴォッ
グワッ
54 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:15:21 ID:UXPKAQ6o (54/194)
―――ノーマル・飛行国 第一議会―――
数人の姿が消えた第一会議で、エテボースが絶望的な口どりで話し始めた。
エテボース「し、首都はもう陥落寸前です…」
エテボース「無条件降伏するしかありません…」
55 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:16:20 ID:UXPKAQ6o (55/194)
ザングース「どうして奴らが寝返ったのだ!!!?」
ザングース「やはり完全に彼らの思うつぼだったということではないのか!?」
ザングース「大統領!議長!あなた方は我が国を売るつもりだったのか!!?」
プクリン「…」
エテボース「い、今そのようなことを話している場合では…」
ザングース「だから俺は反対したのだ!」
56 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:16:54 ID:UXPKAQ6o (56/194)
エテボース「で、ですが…今となってはもうどうしようも…」
ザングース「もうこりごりだ!もう俺は議会なんかやめてやる!」
エテボース「はい…すぐに炎帝国に無条件降伏します…」
プクリン「すまない…」
57 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/01 21:18:32 ID:UXPKAQ6o (57/194)
――――――
ノーマル・飛行国 炎帝国に無条件降伏。
粛清により第一議会9名中5名 第二議会90名中72名が死亡。
軍司令部も氷軍の暗殺命令により約半数が死亡。
炎帝国はすぐに氷の国と平和条約を締結。
いつぞやのテロの容疑者はノーマル・飛行国民へと化けていた…
――――――
60 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 20:56:57 ID:XZoyLgYE (58/194)
―――数日後―――
中央広場の高台に、炎帝国の使者団とノーマル・飛行国の首脳、そして多くの炎帝国民が集った。
61 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 20:58:04 ID:XZoyLgYE (59/194)
ブースター「炎帝国はこの戦争終結に当たり、ノーマル・飛行国へと要求する」
ブースター「ノーマル・飛行国は直ちに軍を解体すること」
ブースター「ノーマル・飛行国は憲法を改正すること」
62 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 20:58:35 ID:XZoyLgYE (60/194)
ブースター「ノーマル・飛行国は北部領土を炎帝国へ割譲すること」
ブースター「ノーマル・飛行国は主要産業を炎帝国へ譲渡すること」
ブースター「ノーマル・飛行国はひこうタイプの国民を炎帝国へ全て移住させ、逆に帝国民の移住を受け入れること。その際、帝国民の権利を侵害しないこと」
63 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 20:59:16 ID:XZoyLgYE (61/194)
ブースター「ノーマル・飛行国は炎帝国の選出した大統領を元首とすること」
ブースター「ノーマル・飛行国は直ちに国名を『炎帝国領ノーマル共和国』へ改称すること」
ブースター「ノーマル・飛行国は現政権の大統領、軍司令部、そして、第二議長を戦犯として炎帝国に引き渡すこと」
64 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 20:59:57 ID:XZoyLgYE (62/194)
エテボース「なっ!?だ、第一議長も戦犯なのでは」
ブースター「皇帝の詔だ。間違いはない。口を慎め」
エテボース「大統領だけが戦犯で第一議長がそうでないはずが…」
65 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:00:25 ID:XZoyLgYE (63/194)
異論を唱えるエテボースに、プクリンはぽんと肩をたたいた。
プクリン「…もういい。君は生き残るのだ。私の後に平和な世を築いてくれ…」
エテボース「大統領…」
エテボースはがくりと肩を落とした。
66 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:02:07 ID:XZoyLgYE (64/194)
ブースター「…これで以上だ。そして、炎帝国は炎帝国領ノーマル共和国の新大統領にこの私を選出した!」
ブースター「大統領として、ここに新たな独立を宣言する!」
「ワァァァァァァァァ!!!」
「炎帝国に栄光あれ!!」
「炎帝国に栄光あれ!!」
――――――
――――
――
67 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:17:07 ID:XZoyLgYE (65/194)
―――某所死刑執行所―――
ピジョット「大統領…第二議長ピジョット、お先に失礼いたします…」
ブースター「撃て!」
「かえんほうしゃ!」ゴオオオオオオ
整列したほのおポケモン達が一斉に射撃した。
68 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:17:46 ID:XZoyLgYE (66/194)
ピジョット「うぐああああああ!!!!ぐっ…ノーマル…飛行国…万…歳…」ドサッ
ブースター「さあ…お前が最後だ」
ブースター「最後に何か遺言はないか?
69 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:19:21 ID:XZoyLgYE (67/194)
…戦犯は裁判の余地もなく死刑を宣告された。
そして戦犯の処刑は後日、炎帝国皇帝とノーマル共和国新大統領の付き添いの下に秘所にて行われることになった。
この不安定な国際情勢の中、敗戦国民の感情を逆なでしないためである。
処刑は淡々と進み、国務大臣、軍総司令、参謀長、第二議長と、次々にノーマル・飛行国のために尽くした者が消えて行った。
70 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:20:10 ID:XZoyLgYE (68/194)
プクリン「…ウインディ。君はこれで本当にいいのか」
ウインディ「がはは!久しぶりなのは認めよう」
プクリン「平和宣言はどうなったんだ!」
プクリン「あれの草案は私と君が共に考えたものじゃないか!」
71 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:20:52 ID:XZoyLgYE (69/194)
ウインディ「がはは!あの頃は若かったのだよ!」
ウインディ「我はもうあの頃の我ではないのだ…」
ウインディ「そもそも協調など不可能なのだよ!」
72 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:21:50 ID:XZoyLgYE (70/194)
プクリン「そんなことはない!証拠に、いままでポケモン共和国は続いている!」
ブースター「貴様っ!生意気な口をっ!」
ウインディ「黙っていろブースター」
ブースター「申し訳ありません…」
73 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:22:26 ID:XZoyLgYE (71/194)
ウインディ「ふん。そこまで言うなら平和な世を築いてみるがよいわ」
ウインディ「お前はもう生きてはいられないが、意志は生き続けるのだろう?」
ウインディ「がはは!そのための『彼』だ!」
74 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:23:28 ID:XZoyLgYE (72/194)
ウインディ「楽しませてもらおうではないか」
ウインディ「もちろん、全力で叩き潰すがな!」
プクリン「…」
プクリン「相変わらず大胆だな君は…」ボソッ
75 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:23:57 ID:XZoyLgYE (73/194)
プクリン「…ブースター大統領」
プクリン「元ノーマル・飛行国民に伝えてほしい」
プクリン「私は国民全員を裏切った。史上最悪の政治家だ」
プクリン「謝罪などし切れはしない」
76 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:24:58 ID:XZoyLgYE (74/194)
プクリン「だが、ノーマル・飛行国民は決して屈することはない!」
プクリン「なぜなら、力は決して強くはないというのに、ここまで栄えることができたからだ!」
プクリン「希望は消えてはいない。必ず…平和は訪れる」
プクリン「それまで、しばしの我慢は必要のようだ」
プクリン「大統領職を全うしたことを光栄に思う」
77 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:25:39 ID:XZoyLgYE (75/194)
プクリン「以上だ」
ブースター「では、もういいか…?」
ブースターは確認をしながら、是のサインを示していた。
78 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:26:10 ID:XZoyLgYE (76/194)
ブースター「撃て!」
ゴォォォ…
―――…
79 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:26:53 ID:XZoyLgYE (77/194)
―――数日後 ノーマル共和国大統領邸―――
ブースター「あははは…ついにここまで来た…」
ブースター「道のりは長かった…ノーマル・飛行国から進化によって炎帝国に渡り早数年…」
80 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:27:16 ID:XZoyLgYE (78/194)
ブースター「地味な外交職に就いて功績を上げ続けてきた…」
ブースター「すべてはこのため…ノーマル国元首となり炎帝国にも劣らない大国を作るという夢のためだった!」
ブースター「あははは…王手だ…レールはついに僕の前に敷かれたのだ…」
ブースター「かつて僕を無能だと蔑んだ奴らめ、思い知るがいいさ!!」
81 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:27:43 ID:XZoyLgYE (79/194)
タタッ
エテボース「大統領。お呼びですか?」
ブースター「ああ。君に伝えたいことがあってね」
82 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:28:16 ID:XZoyLgYE (80/194)
ブースター「僕は君に協力したいと思っている」
エテボース「!?いきなりどうされたんですか」
ブースター「もちろんこれは極秘だ。ただの感情だからな」
83 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:28:49 ID:XZoyLgYE (81/194)
ブースター「僕はこの国を独立させてあげたいんだ」
ブースター「だが、このまま炎帝国に従っていては不可能」
ブースター「君には彼らの強権を打破してほしいのだ.。そのカリスマ性とリーダーシップを使ってな」
ブースター「僕は目立った動きはできないが、裏では少しでも協力を講じよう」
84 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:30:11 ID:XZoyLgYE (82/194)
エテボース「それは誠ですか?」
ブースター「わざわざ警備員も大臣もいないこの時に一般市民を大統領邸に呼んだのだ。理解を願う」
エテボース「分かりました…」
エテボース(唐突すぎる…いったい何を考えて…)
エテボース(しかし…今はそんなことを考える暇はない…か)
85 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:30:58 ID:XZoyLgYE (83/194)
―――数か月後 炎帝国領ノーマル共和国―――
ジグザグマ「あーあどうしよ…差別のせいでもう就活100連敗だよ…」
ピィ「大丈夫…?まだチャンスはあるよ」
マッスグマ「まだ残った議員たちがギリギリノーマルタイプの権利を守ってくれてるからな」
86 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:31:37 ID:XZoyLgYE (84/194)
ミミロル「それに比べてあの元大統領は…私たちを炎帝国に売ったんだわ!」
ニャルマー「まあまあ…あの後のメッセージでブースター大統領が言ってたじゃない。謝罪してたって」
チラーミィ「そんなの関係ないだろ!もう俺たちは終わりだっ」
ダダッ
87 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:32:10 ID:XZoyLgYE (85/194)
リザード「おい貴様ら!何を喚いている!」
ピィ「わぁっ帝国軍だ!逃げろ!」
リザード「ひのこ!」ゴォッ
ピィ「うわあああああ!!」
ジグザグマ「やめてくれえええええ!!」
リザード「ははは!お前らを攻撃したって何も罪にはならないんだよ!」
タタタッ
88 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:33:10 ID:XZoyLgYE (86/194)
エテボース「すまない…ノーマルタイプをあまり虐めないで頂きたい…」
リザード「ああん!?」
エテボース「新憲法に基ずく法により確かに炎タイプによるノーマルタイプへの攻撃は罪にならない…」
エテボース「でも、それは相手に非がある場合だけなんだ」
リザード「そんなものでっちあげて…貴様、元第一議長の…!?」
リザード「ちっ面倒な奴だ…」タタタ…
89 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:33:39 ID:XZoyLgYE (87/194)
エテボース「はぁ…」
エテボース「もうこのような風景は日常茶飯事になってしまった…」
エテボース「まだ賠償金を産業で支払っただけ、経済へのダメージはそう大きくはなかったけど…」
エテボース「新憲法の差別項目は難題になりそうだ…」
90 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:34:15 ID:XZoyLgYE (88/194)
エテボース「もう大統領がほとんどの権限を握っている…」
エテボース「…でも、まだ道はある」
エテボース「次の国民選挙だ…」
エテボース「現在のノーマル共和国の人口はまだ70%がノーマルタイプ…」
91 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:34:35 ID:XZoyLgYE (89/194)
エテボース「議会を取り戻せば…」
エテボース「憲法も改正できる…」
エテボース「だけど…最大の問題は拒否権の発動…」
エテボース「ブースター大統領はまだ信用しきれない…」
エテボース「ああ…プクリン大統領…僕は、貴方のようになれるでしょうか…」
92 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:35:02 ID:XZoyLgYE (90/194)
―――…
エテボース「というわけなんだ。協力してほしい」
ザングース「俺だってそんなことは分かっている」
ザングース「だが、こうなった原因は誰にあると思っているんだ?」
エテボース「う…」
93 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:35:48 ID:XZoyLgYE (91/194)
ザングース「まあいい。協力しよう。また第二議会からのスタートだ」
エテボース「ありがとう。ノーマル・飛行国のために」
エテボースは、こうして協力者をかき集めることに徹した。
94 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:36:17 ID:XZoyLgYE (92/194)
現第二議会の定員90のうちノーマルタイプは僅か5。第二議会の推薦によって選ばれる第一議会に至っては定員9中0である。
立案成立に必要な、過半数までの道ははるか遠くに見られた。だが、エテボースの必死な呼び込みは続いた。
95 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:37:12 ID:XZoyLgYE (93/194)
―――…
―――電気王国 王城―――
エレキブル「ほう…なかなか面白いことをはじめたようだな…?」
96 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:37:41 ID:XZoyLgYE (94/194)
ライボルト「はい。ノーマル共和国内ではにわかに反帝国の世論が上がってきています」
ライボルト「それもすべてエテボース元第一議長の影響でしょう」
エレキブル「他の元ノーマル・飛行国上層部が全て処刑されているというのに生き残っている奴だろう?」
97 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/02 21:38:42 ID:XZoyLgYE (95/194)
エレキブル「ますます興味がわいてきた。ライボルト、炎帝国軍からなるべくノーマル共和国内の情報を手に入れろ」
ライボルト「かしこまりました」タタッ
エレキブル「さて…ウインディもエテボースもどう対峙するかな?私は黙って見物でもさせてもらおうか」
――――――
――――
――
99 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:33:31 ID:NG8/IuOc (96/194)
―――4年後 ノーマル共和国第一議会―――
エンブオー「大統領、今月の失業率は17%になりました」
エンブオー「そのほとんどがノーマルタイプのようです」
ブースター「うーむ。何か対策はないか?」
100 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:34:04 ID:NG8/IuOc (97/194)
キュウコン「まあ仕方ないですわ。所詮ノーマルタイプは脆弱…」
キュウコン「炎帝国移民が優先されるのは当然よ」
ゴウカザル「未だにノーマルタイプの雇用先になってるシルフ社がたんこぶだけどな」
エンブオー「それでも社員の34%はもうほのおタイプだ」
エンブオー「それらが幹部まで昇ってしまえばこっちのものだろ」
ブースター「そうか…」
101 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:34:39 ID:NG8/IuOc (98/194)
キュウコン「大統領…?顔色があまりよろしくないようですね?」
ブースター「ん?ああちょっと考え事をしていてな」
ブースター「それより、最近はインフレが進んでいるようだが」
102 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:35:06 ID:NG8/IuOc (99/194)
キュウコン「はい。本国への友好金の支払いが滞りはじめまして…」
キュウコン「ポケを増刷して対応しているのですが…」
ゴウカザル「そんなことしたらそりゃあインフレにもなるだろうな」
エンブオー「まったく、皇帝陛下もやることが賢しいもんだ」
103 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:35:28 ID:NG8/IuOc (100/194)
キュウコン「口を慎みなさい」ゴォッ
エンブオー「まあまあいいじゃねーか。聞こえちゃいねーんだしよ」
エンブオー「それにここは『俺達の国』だ。何をやっても文句は言われねーよ」
ブースター「キュウコン。ここは会議場だぞ。やるなら外でやれ」
キュウコン「失礼」シュン
104 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:36:01 ID:NG8/IuOc (101/194)
ブースター(『俺達の国』、ね。よく言うよ)
ブースター(いつまでそんなことが言えるかも知らずに…)
ブースター(さて、そろそろ『彼』も動き出すかな?)
105 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:36:47 ID:NG8/IuOc (102/194)
―――その頃 ノーマル共和国首都某所―――
エテボース「祖国を取り戻すために!私をリーダー、ザングースを副リーダーとして反帝国組織を設立する!」
エテボース「財的な問題は元技マシン産業の中心核、シルフ社の会長により解決された!」
エテボース「我々はあくまで平和的に祖国を取り戻すのだ!」
エテボース「まずは第一、二議会議席の確保を目標とする!」
106 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:37:20 ID:NG8/IuOc (103/194)
―――…
ザングース「反帝国組織の設立おめでとう。素直に賞賛させてもらうよ」
エテボース「ありがとう!」
エテボース「こんなに協力者が集うなんて思ってもいなかったよ!」
ザングース「本当だな」
107 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:37:47 ID:NG8/IuOc (104/194)
ザングース「これで議席はそれなりに確保できるだろうが…」
ザングース「最後の問題は迫る選挙本番だ」
エテボース「弾圧によって思うように票が集まらない可能性はあるね」
108 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:38:02 ID:NG8/IuOc (105/194)
ザングース「ああ。ここまで動いたからには奴らも黙ってはいないだろうしな」
ザングース「まあ戦略は練ってみるさ」
エテボース「うむむ…十分用心しなきゃ…」
109 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:38:34 ID:NG8/IuOc (106/194)
―――炎帝国―――
ウインディ「がははは!ついに動いたかあの小僧!」
ガーディ「はっ。反帝国組織の設立はノーマル共和国内で大々的に報道されました」
ガーディ「これによってノーマルタイプ達の支持と反帝国思想が湧き上がっています」
ガーディ「いかがいたしますか?」
110 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:38:54 ID:NG8/IuOc (107/194)
ウインディ「がはは!見逃すわけにはいかんな!」
ウインディ「まずは奴らの後ろ盾から崩す!」
ガーディ「それはまたどうしてですか?」
ウインディ「このご時世、下手に武力で抑えつけ、各国に悪い印象を与えてはまずいからな」
111 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:39:18 ID:NG8/IuOc (108/194)
ガーディ「なるほど…さすがは陛下ですね」
ウインディ「これほど考えられなくてなにが帝だというのだ」
ウインディ「はやく行けガーディ」
ガーディ「御意」
112 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:40:02 ID:NG8/IuOc (109/194)
―――…
―――数日後 ノーマル共和国 反帝国組織本部―――
TV『ただ今!現場と中継が繋がっております!』
TV『本日未明、ウェストエリア工業地帯のきずぐすり工場にて出火した火は、瞬く間に工業地帯の50%に拡大!』
113 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:40:27 ID:NG8/IuOc (110/194)
TV『ビーダル消防隊の消火活動も空しく、火は今現在も燃え上っています!』
TV『これにより、シルフ社の負債総額は約120億ポケに上ると見られています!』
TV『さらに、当時シルフ社の取締役は工業地帯内におり、会長を含め、全員生死は不明となっています!』
114 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:40:58 ID:NG8/IuOc (111/194)
エテボース「ついに炎帝国も動き出したか…」
ザングース「ああ。工業地帯から逃げ出した者の多くが、同時に複数の工場から火が出たのを目撃している」
ザングース「帝国軍の工作とみて間違いない」
エテボース「後ろ盾から崩し始めたとは…」
エテボース「厳しい戦いになりそうだね…」
115 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:41:47 ID:NG8/IuOc (112/194)
ザングース「とびっきり不利だな。この火事のせいで財的後ろ盾を失った」
エテボース「財力でのごりおしが利かなくなった…」
ザングース「選挙活動も滞りそうだな」
エテボース「だけど、選挙はもう再来月に迫っている!」
116 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:42:03 ID:NG8/IuOc (113/194)
エテボース「そろそろ一斉に開始しよう」
ザングース「ああ。全体指揮は俺に任せて宣伝に専念しろよ」
エテボース「そうさせてもらうよ…」
117 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:42:36 ID:NG8/IuOc (114/194)
反帝国組織の面々は二か月の間一生懸命選挙活動をした。
彼らは炎帝国移住民が少ない地域や軍の支配のあまり及んでいない地域を中心に宣伝を行った。
だがそれでも、イーストエリアを中心に、選挙活動中の者やそれに集まった者が軍の襲撃を受け、死亡することが度々起こった。
もちろんそれも全て無罪放免である。
118 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:44:35 ID:NG8/IuOc (115/194)
結果、第二議会議席32議席を獲得。つられて第一議会も2議席を獲得し、エテボース、ザングースが就任した。
これは両議会とも約30%を占めるという大躍進である。
これにより、ノーマル共和国内ではよりいっそう反帝国の世論が強まっていった。
119 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:51:47 ID:NG8/IuOc (116/194)
―――反帝国組織本部―――
エテボース「やったぞ!これで一気に前進だ!」
ザングース「そうだな。予想以上だ」
エテボース「これもザングースの選挙戦略のおかげさ!」
ザングース「いや、それだけじゃないさ」
ザングース「ノーマル国民も4年に渡る圧政に耐えかねたんだろう」
120 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:52:23 ID:NG8/IuOc (117/194)
ザングース「俺たちが政界に再参入したことで希望が見えたんだ」
エテボース「是非ともその希望にこたえなくちゃ…」
ザングース「ああ。今回は得票数俺達二匹に集中しちまったようだが、次はそうは行かない」
ザングース「得票数トップ9を占めて第一議員を取り返す勢いじゃないとな」
121 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:53:37 ID:NG8/IuOc (118/194)
―――数日後 大統領邸―――
ブースター「おめでとう!第一、第二議員再就任を心から祝福する!」
エテボース「議会の時は真っ赤な顔をして文句を言っていらしたのに、随分な変わりようですね」
ブースター「まあな。元から顔は赤いが…作り表情だけは得意なのだよ」
122 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:54:36 ID:NG8/IuOc (119/194)
エテボース「以前は炎帝国の外務大臣に仕えていたんでしたっけ」
ブースター「ああその通りだ。そして、ノーマル国のことをよく知る僕が大統領に選ばれた」
エテボース「やはり元はノーマル国に…?」
123 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:55:08 ID:NG8/IuOc (120/194)
ブースター「当たり前だ。進化前はノーマルタイプだったからな」
ブースター「イーブイ族の場合は進化がそのまま国籍の変更になってしまうのだ」
エテボース「随分苦労されますね」
ブースター「いいさ。結局はそれも大統領就任ためになったのだからな」
エテボース「そうですか…」
124 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:55:39 ID:NG8/IuOc (121/194)
反帝国派の議員はその後ノーマル・ほのお共同社会法と特定企業保護法案を提出。
もちろん両法とも否決されたが、反帝国の世論は無視しきれず、修正共同社会法と特定企業保護法が成立した。
これにより、差別は緩和されシルフ社の惨事をきっかけに衰弱したノーマル共和国産業を建て直すことに成功したのである。
125 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:56:36 ID:NG8/IuOc (122/194)
―――炎帝国―――
ウインディ「むむ…なかなか手ごわいな」
ガーディ「はい。結局彼らは経費を最大限に縮小して選挙活動を行ったそうです。軍の妨害にも屈しなかったと…」
ウインディ「ちぃ。少し侮りすぎたか」
126 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:58:04 ID:NG8/IuOc (123/194)
ガーディ「どう致しますか?」
ウインディ「反帝国の動きが強まった以上…大規模な工作はし辛くなった…」
ウインディ「的確に、かつダメージの大きい砦を崩さねばな!」
ガーディ「と、仰いますと?」
127 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:58:49 ID:NG8/IuOc (124/194)
ウインディ「がははは!ガーディ、反帝国組織のリーダーは知っているだろう?」
ガーディ「もちろんです。元第一議長エテボース、亡きプクリン元大統領の後継者ですね」
ウインディ「がはは!その通りだ!だが、奴一匹であの選挙の大勝はありえない」
ウインディ「奴は判断力や戦略術に今一つ欠けるところがあるのだ」
128 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 18:59:27 ID:NG8/IuOc (125/194)
ウインディ「そして、今それを補っている者がいる」
ウインディ「先日の選挙でほのおタイプ議員、エテボースまでも抜き去り、ダントツ1位の得票数を得たザングースだ!」
ガーディ「元及び現第一議員のですか」
ウインディ「うむ。ザングースは最後まで戦争に反対していたそうだ」
129 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 19:00:10 ID:NG8/IuOc (126/194)
ウインディ「もしかしたら我らのことまでも読んでいたのかもしれんな」
ガーディ「それは厄介ですね」
ウインディ「まあ、そんな秀才でも犯罪に手を染めてしまえば元も子もないのだよ…がははは!」
130 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 19:01:05 ID:NG8/IuOc (127/194)
―――…
―――数週間後 ノーマル共和国 反帝国組織イーストエリア支部―――
ザングース「よし、次の選挙戦略は…こーして…こーして…こうだ!」
ザングース「前回はイーストエリアからの票が少なかった。それを利用するのさ」
ザングース「だがくれぐれも軍の妨害には気を付けるように。危険だと思ったら逃げろ
131 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 19:01:37 ID:NG8/IuOc (128/194)
ラッキー「おおおおおお!」
オドシシ「これはいけるっ!過半数なんて余裕じゃないか!」
ドゴーム「自慢の大声で宣伝しまくるぜ!」
ザングース「みんな、頑張ってくれ」
バタンッ
132 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 19:02:30 ID:NG8/IuOc (129/194)
ザングース「なんだ!?」セントウタイセーイ
バオップ「チーっス。帝国軍少尉のバオップっス。ザングース、アンタに逮捕状っス」
ザングース「な、俺が何かしたとでもいうのか?」
バオップ「そーっス。まあともかく来て欲しいっス。詳しいことはまたそちらでよろろろろろろろっス」
133 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 19:02:52 ID:NG8/IuOc (130/194)
ザングース「ちっ…すぐ戻る」テクテク
オドシシ「あ、はい!」
ドゴーム「まってますよ!」
バタン
そのまま、彼が戻ってくることはなかった。
134 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 21:28:23 ID:NG8/IuOc (131/194)
―――数日後 反帝国組織本部―――
エテボース「なんだって!?ザングースが逮捕!?」
ドゴーム「はい!突然帝国軍に拘束されて…そのままです」
オドシシ「我々はどうしたら…」
ドタドタ
135 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 21:37:21 ID:NG8/IuOc (132/194)
ラッキー「リーダー!大変です!ザングースさんが裁判にかけられるそうです!」
ラッキー「戦時における帝国軍殺害容疑による刑事裁判だと…」
エテボース「今更そんな…!?」
ラッキー「どうしましょう…」
エテボース「大丈夫だ!絶対に無罪だ!君らはザングースに言われた通り次期選挙に集中してくれ!」
「はいっ!」
エテボース(まさか有罪になんてなるはずが…)ギリッ
136 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 21:39:30 ID:NG8/IuOc (133/194)
―――1年後 反帝国組織本部―――
TV『戦時中における炎帝国軍殺害などの容疑に問われたザングース被告ですが、裁判の末、有罪が確定しました』
TV『ザングース被告はすぐに炎帝国へと送検される見通しでしたが、有罪確定直後に逃走。現在指名手配となっています』
TV『これを受けて、大統領は現第一議員のザングース被告を罷免。反帝国組織への支持は落ち込みを見せています』
137 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 21:48:31 ID:NG8/IuOc (134/194)
エテボース「そんな馬鹿な!どうして有罪に…」
オドシシ「噂では帝国による圧力がかかったと…」
エテボース「く…やられたか…裁判を長引かせたのも反帝国派の支持を削ぐため…」
オドシシ「しかしリーダー!彼はこのくらいでは諦めません!」
ドゴーム「それはリーダーが一番わかっていることでしょう!」
ラッキー「逃走したのだって何かわけがあるはず…」
138 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 21:52:18 ID:NG8/IuOc (135/194)
エテボース「ザングース逮捕からのこの1年…少しづつ反帝国組織への弾圧が強まってきた…」
エテボース「すまない…これ以上は君たちの安全が保証できないんだ」
エテボース「潮時かもしれない」
ドゴーム「何を言うのですか!ザングースさんのおかげで私たちは先日の選挙で当選しました!」
ラッキー「ようやく第二議会議席も過半数を超え、第一議会も時間の問題です」
139 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 21:55:15 ID:NG8/IuOc (136/194)
オドシシ「危険などとうに承知です!ザングースさんの意志を無駄にはできません!」
エテボース「みんな…」
エテボース「わかった」
エテボース「ノーマル・飛行国の再興に王手をかけよう」
エテボース「第一議会を過半数超えさせ、憲法改正にのりだす!もう少しの辛抱だ!」
オオー!!
140 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 21:56:09 ID:NG8/IuOc (137/194)
―――炎帝国―――
ウインディ「がはは!まだあきらめんか」
ガーディ「そのようです。第一議会が過半数を超えるのも時間の問題です」
ガーディ「憲法改正もそう遠くないと思われます」
ウインディ「…」
141 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 21:57:10 ID:NG8/IuOc (138/194)
ウインディ「…がはは!そろそろ終わりにせねばならぬな」
ガーディ「と、仰いますと?」
ウインディ「がはは!氷の国との平和条約から5年。国内紛争を除けば…戦争は全く起こっていない!」
142 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 21:58:09 ID:NG8/IuOc (139/194)
ウインディ「近隣諸国の情勢も大分回復してきた!」
ウインディ「反比例し、ポケモン共和国の権力はほぼ消え失せたのだ」
ウインディ「多少の国際法違反は問題にはならないだろう?」ニヤ
ガーディ「まさか…陛下…?」
143 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 21:58:26 ID:NG8/IuOc (140/194)
ウインディ「気が変わった!完全なる戦意の喪失は諦めざるをえない!」
ウインディ「ブースター大統領に伝えろ。決着をつける」
ウインディ「少し強引ではあるが…な」
144 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/03 22:00:44 ID:NG8/IuOc (141/194)
ガーディ「はっ…しかし…」
ウインディ「いつまでもノーマル共和国にてこずっているわけにはいかん」
ウインディ「我はもう長くないだろう…」
ウインディ「我はその前に世界を平定せねばならんのだ」
ウインディ「さらばだプクリン…」
―――…
147 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:16:00 ID:y3DenKk2 (142/194)
―――数日後 ノーマル共和国 大統領邸―――
エテボース「お呼びですか大統領?」
ブースター「ああ。まずはじめに第一議会の過半数獲得、おめでとう。よくここまでやったな」
エテボース「いえ…私だけの力ではありませんよ…」
148 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:17:04 ID:y3DenKk2 (143/194)
ブースター「…まあそれはいい。本題はここからだ」
エテボース「随分と深刻そうな顔ですね」
ブースター「はは。君らにとっては最悪だよ」
ブースター「本国が、とある命令を送ってきてね」
エテボース「はあ…命令ですか?」
149 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:17:58 ID:y3DenKk2 (144/194)
ブースター「反帝国組織メンバーの完全粛清だ」
150 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:18:19 ID:y3DenKk2 (145/194)
エテボース「そ、そんな…虐殺!?」
ブースター「悪く言えばそうだ」
エテボース「そんなの…国際法で認められるはずが…」
151 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:18:48 ID:y3DenKk2 (146/194)
ブースター「だが、ポケモン共和国はもうほとんど権力を失ってしまった」
ブースター「ここは仮にも炎帝国の属国…多少の偽装は簡単だ」
ブースター「さらに周辺諸国は戦争が起きないお陰で国際法などほとんど気にしていない」
ブースター「もう虐殺なんかが起きても、どうとでも言い訳すればそう各国の非難が集まることはないだろう」
152 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:19:28 ID:y3DenKk2 (147/194)
ブースター「皇帝も焦っているようだな…」
エテボース「ですが…」
ブースター「まあ安心しろ。僕は本国の命令など聞くつもりはない。それを逆手に取る」
ブースター「君には僕の言うことに賛同してほしいんだ」
エテボース「…?」
153 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:19:59 ID:y3DenKk2 (148/194)
ブースター「次の第一議会で、全権委任法と憲法の改正を決議してくれ」
ブースター「憲法の改正と同時に、ノーマル共和国に駐留している帝国軍に、皇帝の息のかかった議員を粛清させるんだ」
ブースター「そして、軍には撤退命令をだす」
ブースター「その後直ちにこの国を帝政に移行し、『ノーマル・飛行連合帝国』として新たに独立させるんだ」
154 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:20:24 ID:y3DenKk2 (149/194)
ブースター「ああ、君には皇帝になってもらう」
エテボース「私が皇帝に!?」
ブースター「ああ。ノーマルタイプの長はやはりノーマルタイプでないといけないからね」
155 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:20:39 ID:y3DenKk2 (150/194)
ブースター「僕は差し詰め参謀と言ったところだよ」
ブースター「その方がいろいろと便利でもある」ニヤリ
156 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:20:58 ID:y3DenKk2 (151/194)
エテボース「…再軍備は行うんですか?」
ブースター「もちろんだ。もう自衛のためなどではない。大国になるには必要不可欠だろう?」
エテボース「しかし…私は平和を目指す身です。自ら戦争をしかけるなど…」
ブースターの表情が凍った。
157 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:21:23 ID:y3DenKk2 (152/194)
ブースター「その考えのせいで一体どれだけの国民が犠牲になったか…」
ブースター「いや、まだこれからもなろうとしているのかわかっているのか!?」
ブースター「平和とは戦争の果てにあるものなんだよ!」
158 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:21:46 ID:y3DenKk2 (153/194)
ブースター「いい加減自覚したらどうだ?こんな薄っぺらい平和とノーマル国民の幸福を両立するなど不可能だ」
ブースター「大国はその権力をもって再びこの国を脅かすだろう」
ブースター「それを防ぐには…この国も強くならなければならないのだ」
159 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:22:31 ID:y3DenKk2 (154/194)
エテボース「…」
エテボース「プクリン大統領も気づいていたのかもしれませんね」
エテボース「戦争なしで平和を求めることが不可能であることはうすうすわかっていました」
160 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:22:52 ID:y3DenKk2 (155/194)
エテボース「しかし、私達は自分のプライドのために国民を危険に曝してしまった…」
エテボース「もう限界ですね…平和のためなら戦争も厭いません」
ブースター「それでいいんだよ。帝政に移行したら第二議会は廃止するが、第一議会は残し、再構成するつもりだ。反帝国組織の面々から選んでやれ」
エテボース「はい。ですが…まだもう一つ…」
161 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:23:36 ID:y3DenKk2 (156/194)
ブースター「なんだ?」
エテボース「独立するのはいいのですがそのあとはどうするんです?」
エテボース「炎帝国が黙っているとは思えません」
ブースター「フフ…そこも考えてある」
ブースター「そのうち勝手に黙ってくれるようになるさ」
ブースター「外相直属時代の僕の情報網を舐めてもらっちゃ困るよ…」
162 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:51:56 ID:y3DenKk2 (157/194)
―――数日後 炎帝国皇居―――
ウインディ「がはは!まだ動かないのかブースターは?」
ガーディ「はい。まだ機ではないと粛清を延期し続けています」
ウインディ「急がせろ!さすがに理由なき占領併合は同盟国の反対を招くからな…避けたいところだ」
ササッ
163 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:52:14 ID:y3DenKk2 (158/194)
ロコン「陛下、オレンの実をお持ちしました。水の国の最高級品です」
ウインディ「ん、御苦労」ヒョイッ パク モグモグ
ウインディ「ん?苦みが強いな?」
164 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:52:38 ID:y3DenKk2 (159/194)
ロコン「…いえ、水の国でとれた最高級品はほろ苦い風味が特徴なのです」
ウインディ「ふむ…」ゴクン
ウインディ「お前も一つどうだ?」
ロコン「!?…」
165 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:53:04 ID:y3DenKk2 (160/194)
ウインディ「なんだ我が食えというのが気に食わんのか」
ロコン「…いえ…大変恐縮でありまして…頂きます」ヒョイパク モグモグゴックン
ウインディ「がはは!そう硬くなるでない!」ヒョイパク モグモグゴックン
ウインディ「美味かったぞ。下がれ」
ロコン「はい…」テクテク
166 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:53:29 ID:y3DenKk2 (161/194)
ウインディ「まあそれでノーマル共和国のなのだが…」
ガーディ「陛下?どうされました?顔色が優れないようですが」
ウインディ「ああ、最近体調が優れなくてな…」
ウインディ「ノーマル共和国出身のハピナス医師団は優秀で助かるのだが…ゲホッ」ビシャッ
167 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:54:03 ID:y3DenKk2 (162/194)
ガーディ「陛下!?」
ウインディ「うぐ…苦しい…早く…医師団を…」ゼェゼェ
テクテク
?「無駄ですよ父上」
ウインディ「お前は…」ゼェゼェ
168 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:54:34 ID:y3DenKk2 (163/194)
ガーディ皇子弟「兄の件、忘れたとは言わせません。父上は同じ運命をたどるのですよ」
ガーディ皇子弟「父上がこの国を共和制にしようとしている、という噂も聞いてしまいましたしね」
ガーディ皇子弟「そうなれば、私の正統後継者の位が意味を成さなくなってしまいますから」
169 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:54:55 ID:y3DenKk2 (164/194)
ウインディ「き…さま…」ゼェゼェ
ウインディ「ガーディ…こいつを…始末しろ…」ゼェゼェ
ガーディ「それはできません」
ウインディ「な…」
170 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:55:26 ID:y3DenKk2 (165/194)
ガーディ皇子弟「ロコンを失うとは予想外だったが…仕方がない」
ガーディ皇子弟「帝位をお譲りください父上」ニヤリ
ウインディ「この…ドラ…息子…め…」ゼェゼェ
171 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:55:52 ID:y3DenKk2 (166/194)
ウインディ「ああ…我…の…国…我の…世界…」ゼェゼェ
ウインディ「消え…て…ゆ……く………」ガクッ
172 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:56:14 ID:y3DenKk2 (167/194)
ガーディ皇子弟「アハハハハ!これでこの国はボクのものだ!」
ガーディ皇子弟「さて葬式の準備を…」
ガーディ「そう簡単にはいきませんね」
173 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:56:30 ID:y3DenKk2 (168/194)
ガーディ皇子弟「なんだと!?」
ガーディ「私は今皇帝陛下暗殺の現場を目撃しました」
ガーディ「もしこれを公にすれば貴方は失脚です」
ガーディ皇子弟「貴様!?ボクを脅すつもりか!?」
174 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:56:59 ID:y3DenKk2 (169/194)
ガーディ「はい。私は帝位をシャンデラ左大臣にお譲りしていただくことを要求します」
ガーディ皇子弟「貴様…左大臣派の者だったか!?」
ガーディ「はい。内部の対立はもう限界です。皇帝陛下が逝去された今、決裂は決定的となるでしょう」
175 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:57:15 ID:y3DenKk2 (170/194)
ガーディ「すべては貴方が陛下を暗殺したおかげですよ…宣戦布告です!」ザザザッ
ガーディ皇子弟「くそっ、あいつを始末しろ!」
176 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:57:51 ID:y3DenKk2 (171/194)
その後、玉座は大乱闘となった。
結局、側近のガーディは逃走に成功。ガーディ皇太子の悪行は公に広められることとなった。
左大臣派と皇太子派はくっきりと分かれ、炎帝国も真っ二つに割れて紛争を繰り広げることとなっていった。
178 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 22:59:53 ID:y3DenKk2 (172/194)
―――その頃 ノーマル共和国 第一議会―――
リザードン「さて、今回第二議会を通過した全権委任法と憲法改正立案だが…」
リザードン「欠席は0。これより9名による投票で決議を行う」
リザードン「なお、両立案は第一議会議席の2分の1の賛成によって成立する」
エテボース「…」
179 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:00:24 ID:y3DenKk2 (173/194)
ゴウカザル(おい…やばいんじゃねえのか…)
エンブオー(こんなもん通ったら炎帝国の支配が消え失せるぞ…)
ゴウカザル(第一議会ももうノーマルタイプが5議席を取っちまった…)
180 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:00:42 ID:y3DenKk2 (174/194)
キュウコン(第一議長も新憲法では拒否権がないわ…)
ゴウカザル(ま、まあ大丈夫だろ…ブースター大統領の拒否権があるし…)
キュウコン(そう…無駄な努力だってことね…)
エンブオー(ノーマルがほのおに勝てるわけねぇっつの…)
181 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:01:03 ID:y3DenKk2 (175/194)
―――…
リザードン「では開票を行う」
182 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:01:20 ID:y3DenKk2 (176/194)
賛成・・・6
反対・・・3
棄権・・・0
183 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:01:34 ID:y3DenKk2 (177/194)
リザードン「賛成が2分の1を超え、立案は成立した…」
184 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:01:58 ID:y3DenKk2 (178/194)
ゴウカザル(ち…ま、まあここまでは予想通り…)
エンブオー(さあ大統領…拒否権を…)チラッ
ブースター「…」ニヤッ
185 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:02:25 ID:y3DenKk2 (179/194)
キュウコン(…?おかしいわね…)
ブースター「さて…立案は成立した」
ブースター「現憲法に基づき、君たちには御退場を願おう」
ゴウカザル「な!?拒否権は!?」
186 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:02:43 ID:y3DenKk2 (180/194)
ブースター「何のことかな?」
キュウコン「裏切ったのですか!」
エンブオー「貴様ぁ!」
エンブオー「エテボース!!キサマが指示したのか!」
エテボース「いえ。あなた方とやることは変わりませんよ」
187 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:03:05 ID:y3DenKk2 (181/194)
ブースター「たった今、ほのおタイプの優位は崩れ去った」
ブースター「皇帝陛下の命により、ほのおタイプ議員の粛清を命じる」
ブースター「かかれ!」
188 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:03:36 ID:y3DenKk2 (182/194)
突然、会議場の扉が押し破られ、多数の炎帝国軍が押し入った。
ノーマルタイプ議員、大統領、第一議長はすぐさまその場から退避。
ほのおタイプ第一議員3名は再三抵抗するも死亡した。
189 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:04:03 ID:y3DenKk2 (183/194)
数分後、第二議会でも粛清が起こり、第二議長を含めほのおタイプ第二議員43名は全滅。
その後、すぐさま帝国軍は撤退。ノーマル共和国への炎帝国移住民は、飛行タイプ送還の人質とされた。
各国は炎帝国の惨事にばかり目が行き、ほとんどこの小国の動きを見ていることはなかった。
190 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:04:55 ID:y3DenKk2 (184/194)
―――数週間後 ノーマル共和国 演説台―――
ブースター『ノーマル共和国第一議会は全権委任法および憲法の改正を決議した!』
ブースター『私はこの演説をもって大統領職を辞する!』
ブースター『ここにおいて、ノーマル共和国はエテボースを皇帝とし、【ノーマル・飛行連合帝国】として新たに独立する!』
191 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:05:17 ID:y3DenKk2 (185/194)
ブースター『帝国は直ちに第二議会を解散し、憲法を改正する!ほのおタイプとノーマルタイプは平等となるのだ!』
ブースター『そして、先日の炎帝国皇帝暗殺事件により、炎帝国内は混乱に陥っている!』
ブースター『それを利用し、私はひこうタイプの送還、そして草・毒の国の編入を約束した!』
192 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:05:36 ID:y3DenKk2 (186/194)
ブースター『炎帝国に奪われた産業もすぐに復興するだろう!』
ブースター『ここに再軍備を宣言する!』
ブースター『我らも、大国としての一歩を踏み出す時が来たのだ!』
「ワアアアアアア!!」
「ノーマル帝国万歳!!」
「ノーマル帝国万歳!!」
193 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:06:01 ID:y3DenKk2 (187/194)
―――反帝国組織本部―――
エテボース「みんな今までありがとう」
エテボース「ノーマル・飛行国はついに復活した」
194 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:06:20 ID:y3DenKk2 (188/194)
エテボース「戦争のない国にはならないけど…それでももう炎タイプに弾圧されることもないんだ!」
エテボース「ここに、反帝国組織の解散を宣言する」
エテボース「そして、私の推薦により、旧第一議会…新帝国議会の議員を決定する」
195 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:06:38 ID:y3DenKk2 (189/194)
エテボース「皇帝の君主主義のみでは国は繁栄しないというブースターの助言だ」
エテボース「皆で大国を、平和な世界を築こう!」
「皇帝陛下万歳!!!」
「ノーマル・飛行連合帝国万歳!!」
196 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:07:13 ID:y3DenKk2 (190/194)
―――…
ノーマル共和国、『ノーマル・飛行連合帝国』として再び独立。
炎帝国の影響は完全に排斥された。
197 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:07:56 ID:y3DenKk2 (191/194)
ブースターは首相となり、軍の司令官も兼任することとなった。
連合帝国は予算の大部分を軍事費と産業支援にあて、着実に国力を増大していった。
炎帝国は内部紛争により元エスパー国領、ノーマル・飛行国北部領土の領有を放棄。後に連合帝国により併合された。
198 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:08:14 ID:y3DenKk2 (192/194)
同時に、周辺各国は連合帝国に警戒の目を向け始めることとなった。
199 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:08:32 ID:y3DenKk2 (193/194)
戦争は、着実にその影を世界に落としつつあったのだ…
200 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/04 23:08:50 ID:y3DenKk2 (194/194)
ポケモン戦記 前編 END
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