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女「ペロペロするだけの人生」

1 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/08/14 21:39:31 ID:sFVoeSzE (1/157)


「……」

女友「ねえ」

「……」

女友「ねえ、女」

「なに」

女友「さっきから、何を探してるの?」

「……証拠」

女友「証拠? なにそれ」

「わからないなら、いい」

女友「いっしょに探してあげるよ」

「ほんとに?」

女友「うん」

「女友ちゃんは良い子」

女友「まあね。で、何を探してるの?」

元スレッド情報
女「ペロペロするだけの人生」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1344947971/
2 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/14 21:48:32 ID:sFVoeSzE (2/157)


「私この前、17歳になったんだ」

女友「うん、おめでと」

「ふと思った。私って、17年も生きたのだろうか?」

女友「……はい?」

「だから証拠がほしい」

女友「17年生きた証拠?」

「そう、それ。探そう」

女友「アルバムでも見とけばいいと思うよ」

「アルバムはない。去年の火事で全部無くなった」

女友「じゃあ、親に聞きなよ」

3 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/14 21:55:33 ID:sFVoeSzE (3/157)


「去年の火事で」

女友「親まで!? 初耳なんだけど」

「だから探してるのさ」

女友「……親戚は?」

「去年の火事で」

女友「どんな火事なの!?」

「だから、証拠探しを手伝ってって」

女友「わかった、わかったよ」

「ありがとう。愛してる」

女友「とは言え、どうしたものかな」

「私、思うんだけど」

女友「なによ」

4 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/14 22:05:05 ID:sFVoeSzE (4/157)


「とりあえず、昨日を生きた証拠がほしい」

女友「ふんふん」

「昨日を生きてれば、きっと一昨日も生きてたと思う」

女友「なるほどね。じゃあ手分けして探そうか」

「今この家、2人きりだから」

女友「好きに探していいってことね。……ん?」

「どうしたにょ」

女友「去年、家燃えたんでしょ。この家は?」

「……いいから、早く探そう」

5 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/14 22:43:24 ID:sFVoeSzE (5/157)


………

……



女友「ねえ」

「なんだい」

女友「昨日履いた下着とか、ないの?」

「洗濯機の中に入ってるかも」

女友「それ、証拠になるんじゃないかな」

「見たいのね。私の下着、見たいのね」

女友「うっさい」

「実を言うと、私はあまり見たくない」

女友「なんで?」

「汚いから」

女友「さっさと洗濯しろ!」

6 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/14 23:02:15 ID:sFVoeSzE (6/157)


………

……



女友「あ、そうだ」

「なんだい」

女友「自分の記憶に聞いてみればいいじゃん」

「ダメだよ」

女友「そうかな」

「だって、すぐにウソつくから」

女友「ああ、納得」

「でもね、身体は正直よ?」

女友「くねくねすんな」

「下のお口も」

女友「あーあー! 聞こえなーい!」

7 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/16 21:50:58 ID:GS6Cymho (7/157)


………

……



女友「あっ」

「なんだい」

女友「昨日私たち、会ったよね」

「ああ、うん。そうだったかも」

女友「これは証拠になるでしょ?」

「なるわけないよバカ!」

女友「なんで怒るの……」

「形に残ってるもので示してほしい」

女友「めんどくさいわ」

「そんな乙女心」

女友「はいはい」

8 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 01:21:10 ID:IVdSCB1k (8/157)


………

……



「見つからない、ね」

女友「そうだね。もう諦めろ」

「やだぴょん」

女友「えっ……、まだ探す気?」

「そんなこと言う女友は愛せない」

女友「べつにいいけど」

「いいんだ……。ショック大」

女友「暗くなってきたし、私もう帰るよ」

「泊まってけ」

女友「明日学校だし。制服ないし」

9 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 01:25:57 ID:IVdSCB1k (9/157)


「……さみしい」

女友「うっ……、ごめんね」

「また今度、泊まりにきて」

女友「うん、わかったよ」

「一家総出で歓迎するから」

女友「……火事で死んだんじゃないの?」

「……ばいばい」

女友「まて。気になるわ」

「そうか、そんなに私が気になるか」

女友「ニヤニヤすんな。どうでもいいし」

「……ばいばい」

女友「落ち込むな。胸が痛むわ」

10 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 01:32:00 ID:IVdSCB1k (10/157)


「私は探し続けるよ」

女友「昨日を生きた証拠、ねえ」

「そして存在の証明を為すのさ」

女友「難しく考えなくていいと思うけど」

「はーあ、女友みたいに楽観的な人ってうらやましい」

女友「ぶっとばしていい?」

「ふん。私もう寝るから。寝てやるから」

女友「はいはい。また明日ね」



「下着洗濯されてる。女友?」

「……女友は良い子」

11 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 01:41:15 ID:IVdSCB1k (11/157)


―通学路―

「ふんふーん♪」

女友「おはよう、女」

「おはようございましておめでとうございます」

女友「ござりすぎ。めでたくないよ」

「めでたいよ。今日も女友に会えた」

女友「……ふうん」

「今ちょっとキュンとした?」

女友「うっさいわ」

「うん、やっぱり愛してるよ」

女友「いいから、早く行くよ」

「ふふふーん♪」

12 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 01:51:40 ID:IVdSCB1k (12/157)


―教室―

地味子「おはよう、女ちゃん」

「おっは、よう」

地味子「テンション高いねえ」

「そうかな」

地味子「うん。何か良いことあった?」

「女友がね、私の下着洗濯してくれた」

地味子「下着!?」

「うん。なので今日の私は小綺麗よ」

地味子「……す、すごいねえ」

「2、3枚なくなってたけど。パンツ」

女友「ウソつくな」

13 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 01:56:54 ID:IVdSCB1k (13/157)


地味子「あ、おはよう女友ちゃん」

女友「おはよう。女、逃げるな」

「……逃げてない。脱兎のごとく」

女友「うん、どういう意味?」

地味子「あ、あはは……。相変わらず仲良いね」

「私は地味っちゃんとも仲良いよ」

女友「私だって」

地味子「あう……。は、恥ずかしいね」

「胸キュン?」

地味子「うん、胸キュン」

「ふふん」

14 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 02:01:44 ID:IVdSCB1k (14/157)


女友「それより聞いてよ、女ったらさ」

地味子「どうしたの?」

女友「昨日ね……」




地味子「……ふふ、女ちゃんらしいね」

女友「付き合わされるこっちの身にもなってほしいよ」

「私たち付き合ってたの?」

女友「しばらく黙っといて」

「はあい……」

地味子「でも、よく考えたら」

女友「んー?」

地味子「すごく哲学的かも」

15 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 02:06:27 ID:IVdSCB1k (15/157)


女友「うーん、そうかな?」

地味子「思春期特有の悩みってことじゃないかな」

女友「なやみ……」



「……えべれすと。あっ、黙ってなきゃ」



女友「……あの子が、悩み?」

地味子「う、うーん……」

女友「ただの思い付きでしょ」

地味子「うん、そうだったらいいけど」

女友「そういえばさ」

地味子「なあに?」

16 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 02:13:05 ID:IVdSCB1k (16/157)


女友「地味子。女の家族って生きてるよね?」

地味子「……」

女友「……えっ、なんで黙るのよ」

地味子「……私も、よくわからないの」

女友「どういうこと?」

地味子「一回も見たことないから」

女友「……私も」

地味子「女ちゃんも、はぐらかすし……」

女友「触れないほうがいいのかな」

地味子「……どうだろうねえ」

17 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 02:22:11 ID:IVdSCB1k (17/157)


………

……



地味子「帰ろっか」

女友「私委員会あるから、先に帰ってて」

地味子「えっ、でも……」

女友「いいからいいから。ね?」

地味子「う、うん。女ちゃん、帰ろう」

「2人っきり?」

地味子「そうだねえ」

「女友、嫉妬するといいよ」

女友「うっさいうっさい。また明日ね」

「ばいばい」

地味子「また明日」

18 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 02:47:04 ID:IVdSCB1k (18/157)


「地味っちゃん」

地味子「なあに、女ちゃん」

「今日は橋の方から帰ろう」

地味子「うん、いいよ」

「そうだ、河で遊ぼう」

地味子「遊ぶ? うーん、……おしゃべりしてよっか」

「うん。コンビニ寄って飲み物買おう」

地味子「い、忙しいねえ」

「めまぐるしい。私の人生」

地味子「人生かあ」

「どうしたんだい」

19 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 02:50:50 ID:IVdSCB1k (19/157)


地味子「ううん。……女ちゃんって」

「……」

地味子「難しいことを考えてるんだねえ」

「えらい?」

地味子「すごく偉いと思う」

「ふふーん。まあね、まあまあね」

地味子「……でも、あんまり1人で悩まないでね」

「わっつ?」

地味子「いつでも何でも、相談にのるから」

「地味っちゃんは良い子」

地味子「ふふ、ありがとう」

20 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 13:57:04 ID:IVdSCB1k (20/157)


「シチューにパンを浸したら怒るだろうか」

地味子「え?」

「女友」

地味子「あ、ああ……。怒らないんじゃないかなあ」

「ほんとに?」

地味子「だって、そっちの方がおいしいもん」

「わかってるね、お嬢ちゃん」

地味子「お嬢?」

「河川敷に着いたら」

地味子「うん」

「膝枕してあげる」

地味子「は、恥ずかしいってば……」

21 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 15:15:30 ID:IVdSCB1k (21/157)


―河川敷―

地味子「わあ、いつの間にか整備されてたんだねえ」

「ベンチもある。座ろ」

地味子「うん」

「あら、デートみたいね」

地味子「ふふ。なに、その口調」

「女性。大人の」

地味子「大人かあ」

「うん」

地味子「女ちゃんは、免許どうするの?」

「めんきょ……」

地味子「車の。卒業したらとる?」

22 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 15:22:45 ID:IVdSCB1k (22/157)


「とれるかな」

地味子「なんとかなるんじゃないかな」

「あのね、私ね」

地味子「うん」

「最低1人まで轢いてもいいなら、運転したい」

地味子「どういうこと!?」

「この上なく事故るから」

地味子「やってみないとわからないよ」

「やってからじゃ遅いのさ」

地味子「う、うーん……」

「おしなべてそういうもの」

23 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 15:30:06 ID:IVdSCB1k (23/157)


地味子「ネガティブだねえ。いつになく」

「なのでこうして、地味っちゃんをキープしてるのです」

地味子「あはは……」

「悪女と呼んでくれていいよ」

地味子「ううん、そんなこと言わないけど」

「こう、事故る度に残機が減っていくシステム」

地味子「残機?」

「3人轢いたら1アップ」

地味子「増えてる。増えてるよ」

24 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 17:37:22 ID:IVdSCB1k (24/157)


「ドライブしようね」

地味子「えっ、全力で拒否したいんだけど」

「ひどい。愛せない」

地味子「じゃあ事故しないようにがんばろうね」

「え?」

地味子「ん?」

「地味っちゃんが運転だよ」

地味子「……」

「ペーペードライバーだから」

地味子「ペーパー?」

「そう、それ」

地味子「私、女ちゃんの助手席に乗ってみたいなあ」

「キュンとした。がんばる」

地味子「うん、がんばって」

25 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 22:09:52 ID:IVdSCB1k (25/157)


―――

「ふんふふーん」

女友「おーい、おはよう」

「ぐっもにん」

女友「どう、見つかった?」

「なんじゃら」

女友「あんたの探し物よ」

「私が昨日を生きた証拠かい?」

女友「そうそう」

「ふっ」

女友「は?」

「カビくさい話題だぜ」

女友「怒っていい?」

「いやん」

女友「なによ、もう飽きたの?」

26 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/17 23:08:36 ID:IVdSCB1k (26/157)


「今は別のものを探してる」

女友「なにを?」

「明日を生きれる保証……、かな」

女友「いちいち格好つけないでくれる?」

「ごめんよ」

女友「あんた、自分探しの旅でもすればいいんじゃない」

「あはは、そんなバカらしいことしないよ」

女友「どの口が言う……」

「私は私なりに私を生きてるから」

女友「……はあ」

27 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 01:16:35 ID:giCW2mHs (27/157)


………

……



ギャル「はーあ……」

「風が心地いいですなあ」

ギャル「ゲッ、なんでお前がいるん」

「屋上で食べるご飯って、おいしいよね」

ギャル「答えになってないし」

「いちゃダメ?」

ギャル「ダメじゃねーけど」

「ふむ、ギャルちゃんは良い子」

ギャル「あーはいはい。……まあ座れば」

「お邪魔します」

28 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 01:19:52 ID:giCW2mHs (28/157)


ギャル「地味子と女友は?」

「ブラジルに……」

ギャル「お前好きだな、それ」

「まあね」

ギャル「誉めてねーって」

「……なにか、悩み事でもあるのかい?」

ギャル「はっ?」

「そんな顔してる」

ギャル「あっそ……」

「……」

ギャル「……はあ」

「あっ、エクアドルだったかも」

ギャル「そこはどうでもいいわ」

29 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 01:23:50 ID:giCW2mHs (29/157)


「ちょっと、風が強いみたいだ」

ギャル「ああ、そーな」

「今なら、何を言っても風が掻き消してくれるよ」

ギャル「……」

「……」

ギャル「お前、意外とおせっかい?」

「ううん、普通におせっかい」

ギャル「あっそ……」

「エクアドルって、バナナだったっけ」

ギャル「……なあ」

「なにさ」

ギャル「あー、あれだよあれ」

30 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 01:28:07 ID:giCW2mHs (30/157)


「うんうん」

ギャル「……す、好きな人とかいる系?」

「……きゃっ」

ギャル「まっ、……真面目に答えろし」

「どうだろう。よくわかんない」

ギャル「ふーん」

「異性のことだよね?」

ギャル「……ああ、うん」

「なるほど、よくわかった」

ギャル「んな、何がだよ」

「恋してるんだろ。だろだろ?」

ギャル「バッカお前、はあ!?」

31 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 01:32:31 ID:giCW2mHs (31/157)


「わかるよ。私ジッパーだから」

ギャル「エスパーだろ! お口にチャックしとけバカ」

「顔真っ赤だぜ」

ギャル「う、う、うるさいし」

「……恋の悩みか。いいね」

ギャル「……なんだっつーの」

「誰よ、相手は」

ギャル「いやその、あの、……えへへ」

「私!?」

ギャル「ぶっとばすぞ」

「おー、じょーくよ」

32 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 01:38:52 ID:giCW2mHs (32/157)


ギャル「ったく……」

「……」

ギャル「……おんなじ学年」

「ふむふむ」

ギャル「……おんなじクラス」

「なるほど」

ギャル「……男くん」

「わお、それにはビックリ」

ギャル「誰にも言うなよ!」

「任せて」

ギャル「ふん……」

「けれど、男くん」

ギャル「お、おう」

「通称えのきんぐ」

ギャル「マジで!?」

33 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 01:43:46 ID:giCW2mHs (33/157)


「この前聞いた。小学生の頃のあだ名」

ギャル「……わけわかんね」

「もやしよりマシでしょ、って言ってた」

ギャル「そういう問題じゃねーよ」

「ギャルと男くんって、接点ある?」

ギャル「ねーから悩んでるんよ」

「ごめんね、私も疎い」

ギャル「期待してないっての」

「誰かに話した?」

ギャル「いやいや、ムリムリ」

34 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 01:49:31 ID:giCW2mHs (34/157)


「なぜだい」

ギャル「うち、ギャルだし」

「?」

ギャル「ガラじゃないんよ。あんなやつに恋してるとか」

「へー」

ギャル「うちのイメージが崩れるっつーか……」

「……ねえ」

ギャル「んあ?」

「おかず、交換しようぜ」

ギャル「……」

「……ダメ?」

ギャル「……いいけどさ」

「サンキューベリーベリー」

35 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 01:56:29 ID:giCW2mHs (35/157)


ギャル「お前はぶれねーな……」

「こ、これはとりてんじゃないか!?」

ギャル「ん、そーだよ」

「いただきます!」

ギャル「ちょっ」

「あっ」

ギャル「あーあ、落とすなし」

「ごめんよ」

ギャル「や、別に。ほれ、もう一個やるよ」

「ギャル、愛してる!」

ギャル「うるせー!」

「うまうま」

ギャル「よかったな」

36 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 02:01:18 ID:giCW2mHs (36/157)


「……ギャル」

ギャル「あー?」

「さっき落としたとりてん、見てごらん」

ギャル「……うげ、もう虫が集ってやがる」

「虫、嫌い?」

ギャル「そりゃ、まあ」

「なんで?」

ギャル「ちょー最悪にキモいから」

「私も嫌い。ゴキブリとか殺しまくり」

ギャル「ゴキブリはやべーからな」

「でもね、猫は好きよ」

37 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 02:05:44 ID:giCW2mHs (37/157)


ギャル「うちは犬派」

「きっと、その程度なんじゃないかな」

ギャル「なにがよ」

「好きとか嫌いとか。恋だの愛だの」

ギャル「あー」

「頭抱えるのなんて、バカらしいよ」

ギャル「そこまで言うか」

「ゴキブリは嫌いだから殺す」

ギャル「うん」

「猫は好きだから愛でる」

ギャル「まーな」

「適当にやればいいと思うよ」

38 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 02:13:57 ID:giCW2mHs (38/157)


ギャル「身も蓋もないぞ」

「どうせいつか冷めるんだから」

ギャル「ぷっ、そりゃそうだわ」

「お弁当味わう方が大事」

ギャル「確かになー。あっ、佃煮もらい」

「どんどん食べな」

ギャル「マジ?」

「おうともよ」

ギャル「じゃあコロッケとブロッコリー、ソーセージにちくわ、あと……」

「と、とりすぎ……」

39 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 02:23:25 ID:giCW2mHs (39/157)


………

……



女友「おっ、お帰り」

「ただいま。ご飯にする? お風呂にする? それともタ・ワ・シ?」

女友「タワシでいいよ」

「どうぞどうぞ」

女友「いらんわ! なんで持ってるのよ!」

「トイレから持ってきた」

女友「殴らせろ。割とマジで」

「ウソだぜ」

地味子「女ちゃん、どこに行ってたの?」

「屋上」

40 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 02:28:44 ID:giCW2mHs (40/157)


地味子「なんでまた……」

「それより、あのね」

女友「なによ」

「2人は、好きな人いる?」

女友「へっ?」

地味子「えっ?」

「きゃっ、女子高生みたいな会話ね」

女友「女子高生なんだけど。紛れもなく」

地味子「好きな人、かあ……」

「どうよ」

地味子「女ちゃんのことは、好きだよ」

「えー、……えへへ」

41 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 02:33:53 ID:giCW2mHs (41/157)


地味子「だから、私の好きな人は女ちゃん」

「おめでとう、両思いだ」

女友「あんたらねえ」

「女友は、どうなんだい」

女友「い、言わなくてもわかるでしょ」

「好きか嫌いかで言うと?」

女友「……嫌いじゃないよ」

地味子「ふふ、上手く逃げたねえ」

女友「うっさいわ」

「逃がさない」

女友「うっ……」

「女友、言って」

42 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 02:38:29 ID:giCW2mHs (42/157)


女友「……す、好きだけど」

「ススキ?」

女友「あー好き好き大好きアイラヴユー」

「投げやり!」

女友「うっさいうっさい!」

地味子「でも、いきなりどうしたの?」

「あのね、ギャルがね」

ギャル「やめろし!」

「ぎゃー」

女友「ギャル?」

地味子「ギャルさん?」

ギャル「何でもないから!」

「あっ、口止めされてたんだ」

43 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/08/18 02:43:01 ID:giCW2mHs (43/157)


女友「いやいや、口止めって」

地味子「怪しいねえ」

ギャル「おい女! お前の口は水素か!」

「おお、ギャルらしからぬツッコミ」

女友「て言うか軽すぎでしょ」

地味子「ギャルさん、落ち着いて」

ギャル「と、とにかく。お前言いふらすなよ!」

「あたりきしゃりきのこんこんちき」

ギャル「うあー、不安すぎる!」

44 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/18 17:25:08 ID:giCW2mHs (44/157)


―――

ギャル「……」

「えー、男は……」

「だよねー。なんかすぐキョドるし」

「つーかアレじゃん」

「それそれ」

ギャル「……あー、マジウケるね」

「あっち系だしね」

「わかるわかる」

「ギャルもそう思うよねー」

ギャル「……」

「どしたん?」

「ギャルちゃーん、聞いてる?」

「もしもーし」

45 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/08/18 17:31:57 ID:giCW2mHs (45/157)


ギャル「……あー」


『適当にやればいいと思うよ』


ギャル「……マジ、ウケる、ね」

「……?」

ギャル(……痛すぎて。心とか、胸のあたりが)

「顔色悪くね?」

「だいじょぶ?」

ギャル「……マジ、男とか、ないわ」

「ぷっ。だよねー!」



「……あーあ、だから言ったのに」

女友「うん?」

「適当にやんなきゃ、ってね」

47 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/08/19 00:05:51 ID:9pVSHFro (46/157)


―通学路―

「れりびー」

地味子「おはよう、女ちゃん」

「やあ」

地味子「歌、好きなんだねえ」

「どうしてわかった」

地味子「だって、いつも歌ってるもん」

「うん。今度カラオケ行こうか」

地味子「カラオケかあ。いいね」

「じゃあ行こう」

地味子「今から!?」

「2人でカラオケ。女子高生みたい」

48 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/08/19 00:08:26 ID:9pVSHFro (47/157)


地味子「女子高生だよ。だからまず学校に行こう」

「そうだね。手をつないで行こう」

地味子「え、ええ……、恥ずかしいよ」

「いいのさ。幸せなら手をつなごう」

地味子「もう……」

「ふんふーん」

地味子「ご機嫌だねえ」

「なんちゃらうぃずだーむ」

地味子「れりびー♪」

「れりびー♪」

49 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/19 18:12:09 ID:9pVSHFro (48/157)


地味子「あっ、そういえば」

「なんだい」

地味子「前からずっと思ってたんだけど、その財布」

「これ?」

地味子「ブランド品だよね」

「む、そうなのか」

地味子「知らなかったの?」

「うん。高そうな気はしてたけども」

地味子「誰かからのプレゼント?」

「プレゼント……」

地味子「ちがった?」

「形見だよ、これ」

50 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/19 18:17:55 ID:9pVSHFro (49/157)


地味子「か、形見って」

「お母さんの形見」

地味子「……やっぱり、女ちゃんのご両親は」

「……うん。地面の下にいる」

地味子「ごめんなさい。私、私……」

「デパ地下のパートだから」

地味子「……え?」

「毎日元気に働いてる」

地味子「え、ええと……」

「たまに売れ残りが夕飯になる。悲しい」

51 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/19 18:27:19 ID:9pVSHFro (50/157)


地味子「じゃあ、形見っていうのはウソなの?」

「ほんとだぜ」

地味子「……どういうこと?」

「財布なくしたから、ほしかったんだ」

地味子「う、うん」

「なので、お母さんにお古をもらったのさ」

地味子「……うん」

「ね、形見でしょ?」

地味子「どこが!?」

「だって、どうせ死ぬじゃないか」

地味子「形見になる予定ってこと?」

52 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/19 18:30:39 ID:9pVSHFro (51/157)


「形見っていうのは、死んだ人が残すもの」

地味子「そうだよ。でも、女ちゃんのお母さんは生きてる」

「絶対に死ぬんなら、死んだのと同じ」

地味子「そんな言い方って……」

「そう、幽霊はいたんだ」

地味子「女ちゃん……」

「私の夕飯は、幽霊が作ってるんだ」

地味子「女ちゃん!」

「どうしたの」

53 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/19 18:35:32 ID:9pVSHFro (52/157)


地味子「……お母さんのこと、嫌いなの?」

「どうだろう」

地味子「だって、そんなこと言うなんて」

「生きてる人間に対してなら、憎んだり愛したりするけど」

地味子「……」

「死んだ人のことなんて、どうでもよくない?」

地味子「……やめて」

「……あれ? 地味っちゃんも」

地味子「やめてよ、女ちゃん」

「地味っちゃんも、死ぬんだよね?」

54 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/19 18:41:04 ID:9pVSHFro (53/157)


地味子「もうやめて!」

「だったらもう、死んでるも同然だ!」

地味子「お願いだから……」

「……死んだ人のことなんて、どうでもいい、よね?」

地味子「……女ちゃん」



「なんちゃって。ウソウソ」

地味子「……」

「ほら、早く学校に行かなきゃね」

地味子「……うん」

「だいじょうぶ。私は地味っちゃんを愛してるから」

56 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/19 21:31:09 ID:9pVSHFro (54/157)


………

……



地味子「……というのが、一年のころの話」

女友「いよいよ女がわかんなくなってきたわ」

地味子「うん、そうだねえ」

女友「でもまあ、親は生きてるんでしょ」

地味子「どこからどこまでがウソだったのか、私には」

女友「あー、そっか」

ギャル「てかさ、別にどーでもよくね?」

女友「正直、そうなんだけどね」

57 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/19 21:35:01 ID:9pVSHFro (55/157)


地味子「たまに、すごく気になっちゃう」

女友「脳天気かと思ってたら、どうでもいいことを悩んでたり」

ギャル「ほーん……」

女友「なによ、その顔は」

ギャル「や、愛されてんなーと思って」

女友「べ、別に愛してない!」

ギャル「はいはい」

地味子「ふふ……」




「バラエティ番組と動物園の違いって何かな」

ぼっち「え、えっ……」

58 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/19 23:03:54 ID:9pVSHFro (56/157)


―――

「や、や、ヤバげ」

女友「またご乱心?」

「いいから目かっぽじって」

女友「失明するわ」

「ほら、お股180度開く」

女友「ふつうにすごい!?」

「だろだろ。そうだろ」

女友「体柔らかいんだね、あんた」

「まあね。もっとほめて」

女友「わかったからさ、もう立ち上がりなよ」

「……あ、これ無理っぽい」

女友「だいじょうぶ!?」

59 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/20 13:28:50 ID:DMBh4uvM (57/157)


「お、お股が痛い」

女友「待ってて、今保健の先生呼んでくるから」

「やめろ!」

女友「いたっ!」

「大したことないさ」

女友「いや、殴んなよ」

「唾つけとけば治る。どうぞ」

女友「私の唾!? やだよ!」

「だったら、さすって」

女友「ぶちのめす!」

「ちょっ、落ち着け……」

女友「こらー!」

「きゃーっ」

60 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/20 13:44:48 ID:DMBh4uvM (58/157)


「……」

地味子「頭、痛いの?」

「女友がぶった。これは愛せない」

地味子「ふふ、からかいすぎだよ」

「慰めプリーズ」

地味子「よしよし」

「もっと激しくても、……いいよ?」

地味子「ごしごし」

「痛い痛い!」

地味子「変なこと言わないの」

「世知辛いぜ……」

61 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/20 18:21:37 ID:DMBh4uvM (59/157)


地味子「あっ、そうだ。これ見て」

「……折り鶴かい?」

地味子「折り鶴をストラップにしてみました」

「かわいい。私も作る」

地味子「できるの?」

「教えてくらら!」

地味子「うん、いいよ」

「カバンに付けておそろいにする」

地味子「照れくさいねえ」

「そして女友が嫉妬する」

女友「うっさいわ」

62 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/20 18:44:58 ID:DMBh4uvM (60/157)


「なにしてるの」

女友「課題。次の時間までにやっとかないとね」

「ふーん」

女友「余裕あるな、あんた」

「私ちゃんとやってるもん」

女友「へえ、意外だわ」

「意外だと?」

地味子「女ちゃん、忘れ物したことないよねえ」

女友「ウソ!?」

「ほんとだぜ」

女友「……うん、意外だわ」

「私ってどんなイメージなのさ」

63 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/20 19:05:07 ID:DMBh4uvM (61/157)


「おい、メシの時間だ」

女友「あんた看守か」

「今日のお弁当は野菜尽くしだぜ」

女友「おっ、きんぴらちょうだい」

「交換ね。米よこせ」

女友「米かよ。米でいいのかよ」

「あれ、地味っちゃん。それふりかけ?」

地味子「え、うん。ふりかけ、かな」

女友「……何これ」

地味子「ん、きな粉だよ」

「うっそーん」

64 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/20 19:11:26 ID:DMBh4uvM (62/157)


女友「絶対マズいでしょ!」

地味子「ちょっと、失礼なこと言わないで!」

「じ、地味っちゃんが声を荒げたぞ」

女友「米にきな粉って、え!?」

地味子「合うもん! おいしいから!」

「いただきます。……うん、甘い」

女友「どれ、……うん、甘い」

地味子「おいしいでしょ?」


「いや、まあ……」

女友「うん、……うん」

65 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/20 19:16:25 ID:DMBh4uvM (63/157)


地味子「もう、こんなに怒ったのは10年ぶりだよ」

女友「10年分があの程度って……」

「ねえ、女友よ」

女友「どうしたの」

「おかずにハンバーグが見えるんだが」

女友「間違いないね。ケチャップかかってるわ」

地味子「……なに、その目は」

「ある種、尊敬の眼差し」

女友「まあいいや。いただきます」

「いただきまーす」

66 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/08/20 22:11:11 ID:DMBh4uvM (64/157)


「おやつおやつ」

女友「私持ってきたよ」

「良い子。おくれ」

女友「……まて」

「わんっ」

女友「おて!」

「わふっ」

女友「……かわいい」

「なんだって?」

女友「なっ、なんでもないわ」

地味子「ねえ、そのやりとり毎回やるの?」

「だって女友が」

女友「うっさいうっさい!」

67 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/21 21:04:07 ID:2ew83/aw (65/157)


美少女「……」



「きゃっきゃ」

女友「うふふー」

地味子「あははー」



美少女「……素敵」

ギャル「なにが?」

美少女「ぶばら!?」

ギャル「おっ、驚きすぎじゃね」

美少女「……こほん。あら、ギャルさん。こんにちは」

ギャル「ちょりっす」

美少女「……ふむふむ」

ギャル「なっ、あんまジロジロ見んなし」

68 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/21 21:10:49 ID:2ew83/aw (66/157)


美少女「なるほど。顔面偏差値54、と」

ギャル「失礼にも程があんぞ、お前」

美少女「いつものクセよ。気にしないで」

ギャル「なおさらダメだろ」

美少女「それで、何の用かしら」

ギャル「や、だから、何が素敵なわけ?」

美少女「……」

ギャル「シカトかよ」

美少女「あなたには関係ないわ」

ギャル「まーそうだけど」

美少女「……なによ」

69 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/21 21:17:08 ID:2ew83/aw (67/157)


ギャル「お前さ、よく女のこと見つめてね?」

美少女「ひゅっ!?」

ギャル「うちさ、席お前の後ろだから」

美少女「だ、だからなに?」

ギャル「なんとなくわかるんだわ。授業中のお前の視線」

美少女「あらあら、そうなの」

ギャル「もしかして、お前って」

美少女「……」

ギャル「女に気があったりする系?」

美少女「しょ、そそ、そんなバカな!」

70 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/21 22:08:04 ID:2ew83/aw (68/157)


ギャル「へー、そういうことか」

美少女「どういうことよ!」

ギャル「なんでも。ま、がんばれよ」

美少女「厚化粧の分際で……」

ギャル「人は見かけによらないって、マジなんだなー」

美少女「黙ってて! 今女さんが可愛いわ!」

ギャル「ガチじゃん、お前……」



女友「どうしたの」

「視線を感じた」

女友「気のせい気のせい」

71 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/21 22:52:36 ID:2ew83/aw (69/157)


………

……



「かーえーろ」

女友「めんご。委員会だわ」

「かーえーろ」

地味子「ごめんね。今日は部活なの」

「かーえーろ」

ギャル「わりっ、先生に呼び出しくらってんだよね」



「寂しいぜ」

美少女「うぉっほん!」

「……」

美少女「……」

72 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/21 23:06:45 ID:2ew83/aw (70/157)


「……」

美少女「あ、あら。今帰り?」

「そうだが」

美少女「ふうん。ふうーん?」

「……さよなら」

美少女「ちょっと待ちなさい!」

「なんだい」

美少女「……ケロケロ」

「カエル?」

美少女「そうね、いっしょに帰りましょう!」

「おお、ハメられた」

美少女「ひ、人聞き悪いわね」

「まあいいや。帰るケロケロ」

73 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/22 22:29:48 ID:cFFceykU (71/157)


―――

「……で、その時歴史が動いて」

美少女(可愛い)

「聞いてんのか」

美少女「えっ!? ……ごめんなさい、ぼーっとしてたわ」

「気分を害した。著しくね」

美少女「そんな!」

「つーん」

美少女(……やっぱり可愛いわ!)

「今私は不機嫌だぜ」

美少女「……なにか食べに行きましょうか。奢るわよ」

「ありがとう」

美少女(こちらこそ!)

74 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/23 21:04:40 ID:35IJGnIc (72/157)


………

……



「ふんふーん」

美少女(予期せずデートみたいになったわね)

「美味しかったね、パフェ」

美少女「ええ、ほんとに」

「お礼にちゅうしてあげる」

美少女「うん!?」

「いやかい?」

美少女「やぶさかでも無きにしも非ず!」

「じゃあ、目を瞑りなさい」

美少女(いやん、吸い尽くして!)

75 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/23 21:07:20 ID:35IJGnIc (73/157)


「……ちゅっ」

美少女(きゃー!)




美少女「……うふふ」

美少女「あっはーん! 妄想終わり! おやすみ女さん!」

美少女「……」

美少女「……」

美少女「……いやーん! だめだめえっ!」

美少女「……」

美少女「……」

美少女「どこからどこまでが妄想だったかしら……」

76 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/23 21:14:09 ID:35IJGnIc (74/157)


―通学路―

「ぴよぴよ」

美少女「おっ、おはよう女さん」

「……ん?」

美少女「えっ」

「……おはようございます」

美少女(なぜ敬語)

「……」

美少女「昨日は楽しかったわね!」

「昨日……?」

美少女「ほら、昨日の放課後よ」

「昨日の放課後。私は1人寂しかったんだが」

美少女(……なるほど。あれは妄想だったと)

77 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/23 21:20:41 ID:35IJGnIc (75/157)


「君は楽しかったの?」

美少女(至極ハッピーだったわ。妄想の中で)

「……そうだ。君は美少女ちゃんだ」

美少女「その程度!?」

「な、なにが」

美少女「私への興味よ!」

「だって、これが初めての会話よ」

美少女(ウソ……。幼なじみ設定はどこに行った!)

「悩み事でもあるの?」

美少女「どうして?」

「難しい顔してる」

78 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/23 21:26:35 ID:35IJGnIc (76/157)


美少女「……もう、ハッキリさせましょう」

「はあ」

美少女「私たちって、どういう関係なの?」

「こっちが聞きたいんだけど」

美少女「……そう。そうなのね」

「あっ、クラスメイトじゃないか」

美少女「もう知らない! 女さんの鈍感!」

「ま、待って」

美少女「なにかしら」

「そこは待つんだ」

美少女「申し開きができるのかしら?」

79 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/23 21:34:03 ID:35IJGnIc (77/157)


「私、なにも悪いことしてない」

美少女(その可愛さは罪よ! 有罪!)

「なので、あまり怒るなよ」

美少女「お、怒ってないわ」

「ほら、一緒に学校へ行こうぜ」

美少女(……笑顔がまぶしい)

「今から私たちは友達ね」

美少女「……し、仕方ないわね」

「変なやつ」

美少女「変じゃないわ。恋よ」

「誰に恋してるの?」

美少女「ななな、忘れて!」

80 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/08/23 21:54:32 ID:35IJGnIc (78/157)


………

美少女「あら、おはよう」

ギャル「んあ? ……ああ、おはよう」

美少女(……まさか)

ギャル「ど、どったん?」

美少女「私たち、これが初めての会話?」

ギャル「ああ、そーかもな」

美少女(……こいつとの妄想なんていらないのに!)

ギャル「今すごく失礼な顔してんぞお前」

81 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/09/04 01:31:15 ID:.hoxqnNA (79/157)


美少女「……」



「……うーむ」

女友「ものすごく見られてるよ、あんた」

「やはり私か」

女友「なんかしたの?」

「友達になったんだが」

女友「ふうん。美少女さんと?」

「うん」

女友「ふうん。へえ、あっそ」

「どうしたの」

女友「べつに。ねえ、手繋ごうか」

「いいの? やった」



美少女「……ぐっ」

82 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/09/26 00:50:07 ID:P5y34U.c (80/157)


美少女(……邪魔ね。女友さん)

美少女(女友さんだけじゃない。地味子さんも、ギャルさんも)

美少女(女さんは、友達少ないから)

美少女(……あいつらがいなければ)

美少女(私に依存するんじゃないかしら)

美少女「……今夜の妄想はこれでいきましょう」

美少女「……」

美少女「あいつらが、いなければ……」

83 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 00:55:38 ID:P5y34U.c (81/157)


美少女(妄想の中では、女さんはいつも裸で)

美少女(私を横目で見ながら、頬を染めるのに)

美少女(私の胸の中で、愛の言葉を囁いて)

美少女(私を足蹴にして、汚い言葉で罵って)

美少女(私の指使いで、綺麗な秘部を濡らすのに)

美少女(滴る汗が艶めかしくて)

美少女(振り乱した髪が荒々しくて)

美少女「綺麗」

美少女「すごく綺麗よ。女さん」

84 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 01:01:57 ID:P5y34U.c (82/157)


美少女(誰にも見せないような顔)

美少女(誰にも言わないような言葉)

美少女(無垢な蜜壷)

美少女(舐める)

美少女(美味しい)

美少女(舐める)

美少女(美味しい)

美少女(私だけが愛して、私だけを愛する)

美少女(妄想の中の、あなたは……)

美少女(女さん)

美少女(私は、変態です)

美少女(認めるから)

美少女(……焦らさないで)

85 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 01:07:44 ID:P5y34U.c (83/157)


………

……



美少女(……やってしまった)

美少女(とうとう、やってしまった)

美少女(殺した。女友さん。ギャルさん。地味子さん)

美少女(女は、私のものになったけど)

美少女「……なんとなく、申し訳ないわね」

美少女「……」

美少女「……」

美少女「……妄想の中で、だけれど」

美少女「殺したのには、変わりないわ」

美少女「そうでしょう、女」

86 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 01:11:53 ID:P5y34U.c (84/157)


美少女(学校には行けない)

美少女(だって自信がない。本当にあれが)

美少女(あれが、妄想の中の出来事だったのか)

美少女(そうだとしても、顔を合わせられない。きっと)

美少女(でも、もういい)

美少女(女は、私のものだから)



「んばあっ」

美少女「ひょっ!?」

「こんちは」

美少女「お、お、……女?」

「そうだぜ」

87 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 01:17:26 ID:P5y34U.c (85/157)


美少女「……」

「どうしたの?」

美少女「なぜここに……」

「プリント。届けにきた」

美少女「あっ」

「もう3日だけど、風邪かい?」

美少女「……ええ」

「そっか。早く治るといいね」

美少女(……これは)

「この部屋ちょっと暗くね」

美少女(現実、よね)

「カーテン開けていい?」

美少女「ど、どうぞ」

「おっしゃー」

88 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 01:22:37 ID:P5y34U.c (86/157)


美少女「女、……女さん」

「心配したよ。体調不良って聞いたので」

美少女「えっと、ごめんなさい」

「いいのさ。友達だろ」

美少女「……」

美少女(それは、私の求めてるものとだいぶ違ったけど)

美少女(……すごく、嬉しかった)

美少女「……ありがとう、女」

「おうとも」

美少女(結局、私の妄想は妄想だったわけで)

89 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 01:29:36 ID:P5y34U.c (87/157)


美少女(誰にも見せないような顔も)

美少女(誰にも言わないような言葉も、欲しかったけれど)

美少女(誰にでも振りまく素敵な笑顔)

美少女(誰にでも言う気兼ねない言葉)

美少女(そんな女に、恋してたんだと思ったり)

美少女「ねえ、女」

「なんだい」

美少女「明日は、学校に行けそうな気がするわ」

「ふうん。……わっ、派手な下着はっけん!」

90 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/09/26 01:35:53 ID:P5y34U.c (88/157)


美少女「ちょちょ、勝手に漁らないで!」

「このピンク色のローターみたいな物はなんだ!?」

美少女「ピンクローターよ!」

「使ってみよう」

美少女「ダメ! いやっ、やっぱりどうぞ」

「どっちだよ」

美少女「他にもいろいろあるわよ!」

「すごい。ドン引き」

美少女「こっちに来なさい!」

「あ、愛せない……」




美少女(……現実は、妄想以上に楽しかったです)

91 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 01:57:27 ID:P5y34U.c (89/157)


―――

女友「……で、女」

「うん」

女友「その人、すごく気になるんだけど」

美少女「……」

「それはきっと恋だよ」

女友「真逆の感情だわ」

美少女「……」

女友「なんで睨むの」

「熱い視線ってやつ? ひゅーっ」

女友「グーでぶつよ」

「や、やめれ……」

美少女「……」

女友「……なんか言えよう!」

92 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 02:03:32 ID:P5y34U.c (90/157)


美少女「……あなたはライバルだから」

女友「いきなりなに?」

美少女「女は渡さないわよ」

女友「いつ女があんたの物になったのよ」

美少女「いつもいつでも」

女友「うっさい! なんなのあんた!」

美少女「あなたこそ! この泥棒雌豚!」

女友「猫じゃなく!?」




「地味っちゃん、帰ろー」

地味子「い、いいの? 放っておいて」

「我関せず」

地味子「……なら仕方ないね」

94 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 17:46:21 ID:P5y34U.c (91/157)


………

……



「と言うわけで女友さん、中間テストが返却されましたね」

女友「そうですね、女さん」

「みんなの平均的を発表したいと思います」

女友「お願い、やめて」

「まずは地味っちゃん。82点」

女友「うわ、微妙……」

「美少女。95点」

女友「あいつ頭良かったんだ……」

「ギャル。27点」

女友「ぷっ。期待を裏切らないね」

95 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 17:51:36 ID:P5y34U.c (92/157)


「続いて女友」

女友「おい、やめろ」

「16点。……16点」

女友「二回言うな!」

「追試がんばれよ」

女友「うっさい……。で、あんたは?」

「私? 91点」

女友「もう一回言ってみ?」

「91点」

女友「……なんで?」

「まあ、あれかな。才能とか、そこら辺」

女友「……勉強教えて」

「ふふーん。任せるといいよ」

96 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/09/26 18:01:58 ID:P5y34U.c (93/157)


美少女「話は聞かせてもらったわ」

女友「あっそ。じゃあね」

美少女「待ちなさい16点!」

女友「あんた宇宙のチリにしてやろうか?」

美少女「私も勉強教えてあげるって言ってるのよ」

女友「美少女……、実は良いやつだったんだね」

美少女「なに言ってるのよ、友達でしょう」

女友「うう、ありがとう」

美少女「で、勉強会は女さんの家でやるのよね?」

女友「ううん、私の家」

美少女「じゃあね」

女友「清々しいな、おい」

97 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 18:07:54 ID:P5y34U.c (94/157)


美少女「はーあ、萎えたわ」

女友「……」

美少女「女さんの家に上がれると思ってたのに」

女友「……」

美少女「ふぁーあ……」

女友「ねえ殴っていい? わかった」

美少女「痛い痛い! 許可してないわよ!」

女友「失礼を固めて人型にしたらあんたみたいになるんだろうね」

美少女「それじゃあただの失礼じゃない」

女友「あっ!」

美少女「なにかしら」

98 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 18:13:14 ID:P5y34U.c (95/157)


女友「あんたが来ないんなら、女と二人っきり……」

美少女「行くに決まってるでしょう? 案内しなさい」

女友「ほんと清々しいね」

美少女「あなた、途中で席を外しなさいよ」

女友「どれくらい?」

美少女「三時間くらい」

女友「何するつもり?」

美少女「それはもう、ピンク色のローターみたいな物で色々と……」

女友「うん、あんたやっぱり帰れ」

美少女「いじわる!」

99 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 18:26:25 ID:P5y34U.c (96/157)


―――

美少女「お待たせ、女さん」

「またさん付けになってる」

美少女「あっ、もう私ったら……」

「どうでもいいけど」

美少女(どうでもいい!? マイハニーとかでもいいのかしら……)

「女友や」

女友「なによ」

「急用が入ったから、今日は行けません」

女友「はあ!?」

「ごめんよ。バイバイ!」

女友「あっ、ちょっと。……行っちゃった」

100 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 18:30:50 ID:P5y34U.c (97/157)


美少女(ハニー……。素敵な響きね)

女友「ねえ。おいってば」

美少女「なんだいマイハニー。って、あなたか……」

女友「女、どっか行っちゃったんだけど……」

美少女「そう。また明日ね」

女友「まてまてまて!」

美少女「あら、初めまして」

女友「あんたホントにムカつくな!」

美少女「うるさいわねえ。何の用?」

女友「だ、だから……、明日追試なんだって」

101 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 18:35:15 ID:P5y34U.c (98/157)


美少女「それで?」

女友「それでって……」

美少女「……」

女友「……」

美少女「……」

女友「……う」

美少女「ふっ!?」

女友「ぐすっ、うっ、……ひぐっ」

美少女「ちょっと待って泣かないで!?」

女友「べ、勉強って、ひっ、言ったのにっ、ひぐっ」

美少女「ごめんなさい私が悪かったから! ね!?」

女友「うええ……、ぐすっ」

美少女「あわわわわ……」

102 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 18:40:01 ID:P5y34U.c (99/157)


美少女(どうしましょう、泣かせてしまったわ)

美少女(ちょっといじわるするだけのつもりが……)

美少女(どうしてこうなった)


女友「うええん……」


美少女(……待て、落ち着け)

美少女「……」

美少女(泣き顔……)

美少女(……かわいい)


美少女「わかったわ!」

女友「ひっ!?」

美少女「私が一肌脱ぎましょう!」

女友「大声出すな、バカ……」

103 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 18:49:32 ID:P5y34U.c (100/157)


………

……



美少女(その後私は、女友さんの家で)

美少女(想像以上にかわいかった女友さんとあんな事やこんな事を)

美少女(勉強そっちのけでしたのでした)

美少女(っていう妄想もアリね)


女友「……ここわかんない。教えて」

美少女「ここはね、まず高さを求めて……」

女友(なんで急に優しくなったんだろ、この人)

女友(……裏がありそうで怖いんだけど)

104 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/26 19:05:33 ID:P5y34U.c (101/157)


美少女「次は現代文にしましょう」

女友「あー、一番苦手かも……」

美少女「私が問題を作ってみたから。まずはこれを朗読しなさい」

女友「朗読? ……なになに」

美少女「会心の出来よ」

女友「『美少女、大好き……』そう言って女友は腰を振りました」

美少女「もっと感情こめて!」

女友「憎しみをこめればいいの?」

美少女「冗談だから! 蹴らないで!」

105 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/09/26 19:21:02 ID:P5y34U.c (102/157)


女友「私が腰振ってどうなんのよ!」

美少女「知りたい?」

女友「その右手に持ってるピンク色のローターみたいな物はなに?」

美少女「ピンクローターよ」

女友「や、やめて!」

美少女「まずは先っちょだけだから!」

女友「全部入れるつもりじゃん!?」

美少女「待ちなさい!」

女友「勉強させてー!」

107 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/09/27 22:22:10 ID:ckFbl7lw (103/157)


………

……



美少女「ねえ」

女友「なによ」

美少女「あなたの母親、すごく怖かったわ」

女友「出禁にならなかっただけありがたく思え」

美少女「あら、つまり……」

女友「……」

美少女「また来てもいいっていうことかしら」

女友「……好きにすれば」

美少女(かわいい)

女友「友達なんだし」

美少女「まだそこ!?」

女友「調子に乗るな!」

108 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/09/27 22:35:16 ID:ckFbl7lw (104/157)


―――

「良かったじゃないか」

女友「良くないわ」

「みんな仲良し」

女友「ふんっ」

「しかし女友、モテモテですなあ」

女友「なに言ってんの。美少女はあんたを狙ってるのよ」

「なんと」

女友「モテモテですなあ」

「えへへ」

女友「受け入れんな」

「みんな良い子。愛せるよ」

女友「はあ……」

110 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 23:19:39 ID:s4GU.62k (105/157)


ギャル「……なあ」

地味子「なあに?」

ギャル「お前さ、あれだ。かわいいよな」

地味子「えっ、私が?」

ギャル「うん。なんつーか、地味にかわいい」

地味子「あはは……。地味っていうのはよく言われるけど」

ギャル「かわいいは?」

地味子「あんまりかなあ」

ギャル「ふーん」

地味子「あっ、でも女ちゃんたちは言ってくれるよ」

111 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 23:28:04 ID:s4GU.62k (106/157)


ギャル「それだわ」

地味子「それって?」

ギャル「今の。今やった仕草」

地味子「仕草?」

ギャル「もっぺんやって!」

地味子「こ、……こんな感じ?」

ギャル「おー、……女子っぽい」

地味子「女子だもん……」

ギャル「やっ、すごくいいわ。なるほどねー」

地味子「どうしたの?」

ギャル「参考にしようかなってさ」

112 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 23:51:17 ID:s4GU.62k (107/157)


地味子「参考って?」

ギャル「ないしょ」

地味子「ふふ。変なギャルちゃん」

ギャル「けど、仕草って言ったらさー」

地味子「うん」

ギャル「女って、なんかオーラあるよな」

地味子「オーラはよくわかんないけど、お嬢様みたいな感じかも」

ギャル「背筋とか、ピーンだし」

地味子「手もね、いつも前で組んでるんだよ」

ギャル「マジ? それは気づかなかったわ」

113 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 23:58:06 ID:s4GU.62k (108/157)


地味子「他にもいっぱいあるんだよ」

ギャル「あいつ、ほんとよくわかんねーよな」

地味子「女ちゃんって実は優等生なんだから」

ギャル「優等ねー」

地味子「確かに、言動とは少しギャップがあるかもだけど」

ギャル「その、ギャップっての」

地味子「うん」

ギャル「いったい、どっちが素なんだろーな」

地味子「素って……、どっちも女ちゃんだよ」

114 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/09 00:04:24 ID:NFLLiZMI (109/157)


ギャル「ま、それはそうだよな」

地味子「う、うん」

ギャル「……ちょっと、うらやましいかも」

地味子「うらやましい?」

ギャル「そういう風に受け入れてもらえて」

地味子「ギャルちゃん……」

ギャル「あいつらも地味子みたいな感じだったらなー。なんつって」

地味子「……何かあったの?」

ギャル「ないしょー! じゃーね」

地味子「ちょ、ちょっと……」

115 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/09 00:37:55 ID:NFLLiZMI (110/157)


―――

「泣きそう」

女友「どうしたのさ」

「鍵がなくなった」

女友「鍵って、なんの」

「ロッカー。これじゃあ教科書が取り出せない」

女友「ちょっと待て。ロッカーに鍵なんて付いてないでしょ」

「自分でつけたの!」

女友「わかったから怒んないでよ」

「防犯はいつも自分に牙を剥くんだぜ」

女友「ていうか防犯って……」

116 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/09 00:44:03 ID:NFLLiZMI (111/157)


「いやになっちゃうね」

女友「で、鍵の心当たりは?」

「体育の前まではあったはず」

女友「じゃあここから更衣室までかな」

「一緒に探してくらら……」

女友「うん、わかったよ」

「やっぱり女友は良い子。好きよ」

女友「はいはい」

「冷たい……」

女友「時間ないんだから、ちゃっちゃとやるよ」

「はーい」

117 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/09 00:52:55 ID:NFLLiZMI (112/157)


女友「教室は探した?」

「おうともさ。地味っちゃんのスカートの中まで探したぜ」

女友「どうだった?」

「怒られた。そして水色だった」

女友「ちがうわ。鍵の話」

「なかった。ショーツの中まではわからないけど」

女友「よく聞いて、女」

「なんだい」

女友「スカートの中に鍵はないから!」

「うっそーん……」

女友「なんで落ち込む!?」

118 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/09 00:59:56 ID:NFLLiZMI (113/157)


「だって、それじゃあ見れないじゃないか」

女友「後からいくらでも見せてあげるから」

「ほんとに?」

女友「美少女が」

「なるほどね」

女友「とにかく、次は廊下を探そう」

「がんばれよ」

女友「い、く、よ!」

「わ、わかりました……」

女友「……あんたって、探し物ばっかりだね」

「なくす物が多いからじゃない?」

女友「私に聞かれても困るけど、さ」

119 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/09 19:18:17 ID:NFLLiZMI (114/157)


………

……



「ねえ」

女友「なによ」

「鍵、あった?」

女友「それらしい物は、なかったよ」

「こんなに探したのに……」

女友「まあほら、ドンマイ……」

「うわ、ドンマイって」

女友「ん?」

「今時ドンマイって……」

女友「え、うそ。死語?」

「もはや成仏した言葉だね」

120 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/09 19:27:26 ID:NFLLiZMI (115/157)


女友「知らなかったわ。ちょっとショック」

「うふふ、ドンマイ」

女友「使ってるじゃん!」

「まあね、便利だから」

女友「あんたねえ……」

「それよりさ」

女友「うん」

「鍵、どうしよう」

女友「とりあえず、次の授業は仕方ないね」

「あっそ」

女友「次の授業が終わったら、ハサミとか使って壊せばいいんじゃない?」

121 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/09 19:34:18 ID:NFLLiZMI (116/157)


「ハサミで壊れるかな」

女友「がんばれ」

「あの鍵、結構高かったんだが」

女友「仕方ないって。帰り何か奢ってあげるから」

「ありがとう。愛してるよ」

女友「うっさいわ」



ぼっち「……あ、あの」

女友「ん?」

ぼっち「あ……」

女友「……どうしたの?」

ぼっち「か、鍵、これ」

女友「あっ、これって」

122 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/09 19:45:16 ID:NFLLiZMI (117/157)


「わ、わ、私のロッカーの鍵!」

ぼっち「わっ」

「やったー。ありがとうね」

ぼっち「ううん、べつに……」

女友「ぼっち、ちゃんが見つけてくれたの?」

ぼっち「あ、……うん。その、体育の時に更衣室で」

「ありゃ、そうだったのか」

ぼっち「そ、それでさっき、何か探してるみたいだったから……」

123 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/09 19:50:57 ID:NFLLiZMI (118/157)


「とにかく助かったぜ」

ぼっち「う、うん……」

女友「もう、それならそうと早く言ってくれれば……」

ぼっち「……」

女友「……?」

ぼっち「……ごめん、ね」

女友「あ、いや、謝るようなことじゃ、ないけどね」

ぼっち「……」

女友「……えっと」

ぼっち「……」

女友「……」

「……?」

124 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/10/30 02:17:39 ID:.q3HXHNE (119/157)


………

……



女友「帰ろ、女」

「今日委員会なんだよね」

女友「あんたやってないでしょ、委員会」

「いつもの仕返し」

女友「いつもって。たかだか週一でしょうが」

「それだけ私は寂しいってことさ」

女友「はいはい。わかったから帰るよ」

「素っ気ないね」

女友「そうかな。ま、私だし」

「ふうん」

125 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 02:24:06 ID:.q3HXHNE (120/157)


女友「ねえ」

「なんだい」

女友「あんたって、ぼっち、ちゃんと仲良かったっけ」

「話したこともなかったよ」

女友「そっか」

「それがどうしたの?」

女友「……別に」

「気になる」

女友「あんたってさ、誰とでも仲良いようなイメージあるけど」

「まあね」

女友「実は、友達少ないよね」

「やめて。それは現実という名の刃よ」

126 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 02:30:48 ID:.q3HXHNE (121/157)


女友「あ、ごめん」

「べつにいいけどね」

女友「友達少なくても?」

「こればっかりは、量より質だよ」

女友「質、ねえ……。怪しいもんだわ」

「私の友達はみんな良い子だから」

女友「裏ではみんな、腹黒いこと考えてたりして」

「考えるだけなら自由だよ。私の中では二回地球滅んでるし」

女友「じゃあ、例えばね」

「うん」

127 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 02:43:16 ID:.q3HXHNE (122/157)


女友「もし私が、あんたを傷つけるようなことしたらどうする?」

「さあ、どうだろうね」

女友「ちょっと。少しは考えてよ」

「考えてもわからないって、考える前にわかったから」

女友「なによそれ……。真面目に聞いたのに」

「逆に、それを聞いてどうしたいの?」

女友「……べつに、どうってことはないけど」

「あのね、私はね」

女友「うん」

128 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 02:50:27 ID:.q3HXHNE (123/157)


「女友のことは嫌いになれないと思う」

女友「どうして?」

「私あれだから。エムっていうの?」

女友「SMのエム?」

「そう、それ。冷たくされたら感じちゃう!」

女友「そのまま凍死しろ」

「いやん、冷凍ギョーザも真っ青ね」

女友「真面目だって言ってるでしょ!」

「あれ、怒った?」

129 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 03:01:17 ID:.q3HXHNE (124/157)


女友「そろそろ手がでるよ。気をつけて」

「逆効果! その忠告すら私に火をつける!」

女友「おりゃ」

「痛い。……えっ、叩かれた」

女友「そこは感じなさいよ」

「わかった、私エスだ。一発叩かせて」

女友「私はエムじゃないから!」

「エスとエスのカップルは、お互いに傷つけあうのかな」

女友「ただのケンカじゃん、それ」

130 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 03:06:51 ID:.q3HXHNE (125/157)


―――

「ここが私の家だよ」

女友「知ってるから」

「待ってて、今鍵を開けるから」

女友「え、いいよ。私帰るから」

「ダメ。エスとエスの化学反応を確かめないと」

女友「私ノーマルだから。じゃあね」

「あっ」

女友「ん?」

「……」

女友「なに。そんな目で見ても私帰っちゃうからね」

「……家の鍵、無くした」

131 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 03:18:15 ID:.q3HXHNE (126/157)


女友「……あ、あー」

「……」

女友「よくあるよくある! じゃあね!」

「そうねえ」

女友「ちょっと、腕掴まないで」

「お母さんが帰ってくるまで、一緒にいてあげるわ」

女友「それこっちのセリフだから」

「ほら、こっちきて座りな!」

女友「まったく……」

「今日は厄日だね」

女友「ただの不注意じゃない?」

132 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 03:26:17 ID:.q3HXHNE (127/157)


「返す言葉もない」

女友「いつ帰ってくるの、お母さん」

「たぶん、一時間もしないと思うけど」

女友「ま、それくらいならいいかな」

「女友は、お母さんを見るの初めてだっけ」

女友「うん、そうだね」

「見た目がさ、似てるの。私とお母さんって」

女友「へえ、母親似なんだ」

「だからってお母さんに惚れたら許さないから」

女友「私はあんたのなんなんだ」

133 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 03:33:31 ID:.q3HXHNE (128/157)


「まあ、それは置いといて」

女友「うん」

「私は、女友のこと、好きだよ」

女友「うっさい」

「特にね、誰に対しても同じように接するところ」

女友「……ちょっと、なに言ってんの」

「言いたくなったから言っただけ」

女友「勢いで告白しないでよ……」

「うん、そうだね」

女友「……」

「……」

女友「……私さ」

「うん」

134 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 03:40:32 ID:.q3HXHNE (129/157)


女友「一年の時、ぼっちちゃんと同じクラスだったんだ」

「なるほどね」

女友「最初はね、席が隣だったから、よく話してたんだけど」

「うん」

女友「席替えして他の人たちと仲良くなってからは、あんまり」

「だんだんグループできちゃうもんね」

女友「……その、ぼっちちゃんが一人だったことには、気づいてたんだけど」

「……」

135 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 03:55:02 ID:.q3HXHNE (130/157)


女友「それで、今日」

「うん」

女友「ぼっちちゃんから、話しかけられて」

「……うん」

女友「……傷つけちゃった。ただの軽口で、冗談みたいなものだったのに」

「私なら、そう受け取ると思うよ」

女友「……きっと、私はまだ友達のつもりでいたんだろうね」

「……」

女友「……なんか、いやになっちゃうな」

「そっか」

136 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 04:06:11 ID:.q3HXHNE (131/157)


女友「自分に、嫌気がさすな」
「そっか」

女友「自分勝手だよね、私」

「そうだね。とっても自分勝手な、普通のこと」

女友「……普通、なのかな」

「この子は自分に心を開いてくれてるっていう、優越感みたいなもの」

女友「……」

「そう思うほうが、気分がいいから」

女友「わからないんだよね。……なんで私、ぼっちちゃんと話さなくなったんだろ」

137 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 04:14:50 ID:.q3HXHNE (132/157)


「つまらないからだよ」

女友「……そんなことない」

「めんどくさくなったんだよ。誰に対しても、良い子ぶるのが」

女友「そんなこと!」

「だいじょうぶ、安心して」

女友「なにが言いたいの!」

「裏でなにを考えてても、私は女友のこと嫌いになれない」

女友「……」

「さっき、言ったよね」

女友「……私、は」

138 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 04:20:08 ID:.q3HXHNE (133/157)


「一人くらい友達を見限ったって」

女友「見限ってなんか……」

「女友は良い子。愛せるよ」

女友「……」

「だから気にしないで。だいじょうぶだから」

女友「……ねえ」

「なあに?」

女友「あんたは私を、励まそうとしてくれてるの?」

「うん、そうだよ」

女友「……それが、励ましになるって思ってるの?」

「もちろん」

139 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 04:31:18 ID:.q3HXHNE (134/157)


女友「……」

「……?」

女友「……なんでもない」

「……うん」




「なにか話し声がすると思ったら。帰ってたのね、女」

女友「えっ?」

「……ただいま。お母さん」

「おかえり。そっちの子は、お友達?」

女友「なんで……」

「うん。女友」

「初めまして。うちの娘がお世話になってます」

女友「……」

140 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 04:41:13 ID:.q3HXHNE (135/157)


「あら、どうかした?」

女友「……ずっと、家の中にいたんですか?」

「ええ。今日はお仕事休みだから」

女友「鍵は……」

「掛けてなかったわよ。ふふ、不用心だったかしら」

女友「い、いえ。なんでもないです」

「あ、上がっていくならお茶でもだすわよ?」

「ううん。もう帰るって」

「あら、残念ね。またいつでもいらっしゃい」

141 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 04:45:51 ID:.q3HXHNE (136/157)


女友「あ、ありがとうございます」

「お母さん、先に入ってて」

「はいはい。それじゃあね、女友ちゃん」

女友「……はい」

「……」

女友「……」

「どう、ビックリした?」

女友「鍵、掛かってなかったんじゃん」

「うん」

女友「なんでウソついたのよ」

「だって、女友と少し話したかったから」

女友「だからって。あんたねえ……」

142 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/30 04:52:56 ID:.q3HXHNE (137/157)


「話したかったんだ。ドアを開ける前に」

女友「そうならそうと言ってよね」

「ねえ、女友」

女友「……まだ何かあるの?」

「人の心も、こんな風に」

女友「……」

「勝手に開いちゃうなら、楽なのにね」

女友「……今度は、あんたの話が聞きたいな」

「今日はもう、さようなら」

女友「うん。バイバイ」

「……愛してるよ、女友」




女友「……私だってそうだよ、ばか」

144 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/12 01:06:28 ID:Ncdeo0AI (138/157)


―――

美少女「あら」

女友「げっ」

美少女「おはよう」

女友「……おはよう」

美少女「今日は気持ちのいい一日になりそうね」

女友「そう? ムシムシしてていやだな、私は」

美少女「なぜならば!」

女友「ひっ!?」

美少女「……」

女友「……」

美少女「……朝から、あなたに会えたんだもの」

女友「……あんたも大変ね。主に脳内が」

145 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/12 01:14:30 ID:Ncdeo0AI (139/157)


美少女「手相を見せなさい」

女友「ちょっ、いきなり触んないでよ」

美少女「あら、どうして?」

女友「ゾクッとするから」

美少女(ゾクッと……?)

女友「……?」

美少女(手が性感帯なのかしら)

女友「多分だけど、違うから」

美少女「残念ね」

女友「で、なに。手相?」

美少女「そうよ。見せなさい」

女友「まあ、いいけど」

146 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/12 01:21:00 ID:Ncdeo0AI (140/157)


美少女「ふむふむ」

女友「どうよ?」

美少女「結論から言うと」

女友「うんうん」

美少女「水難の相が出てるわ」

女友「えっ、ほんとに?」

美少女「間違いない。あなた、溺れるわよ」

女友「いやいや……」

美少女「私に、ね」

女友「絶対そうくると思ってたわ」

美少女「私との恋に、ね」

女友「なんで言い直すの?」

147 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/12 01:25:30 ID:Ncdeo0AI (141/157)


美少女「うふふ。楽しいわね」

女友「ねえ、あんたってさ」

美少女「なにかしら」

女友「本気で、女の子が好きなの?」

美少女「……えっ」

女友「……」

美少女「……いまさら?」

女友「……いまさら」

美少女「そうねえ……」

女友「うん」

美少女「私は、あなたも女ちゃんも好きだから」

女友「う、うん」

美少女「少し、違うわね」

148 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/12 01:33:42 ID:Ncdeo0AI (142/157)


女友「違うって、なにが?」

美少女「例えば私、女の子が好きだと言ったら」

女友「うん」

美少女「あそこにいる不細工や、向こうにいる性悪まで守備範囲ってことになるでしょう?」

女友「おい」

美少女「あいつらは決まってこう言うの。『女の子好きとか気持ち悪い』」

女友「うーん、まあ」

美少女「自分の顔面の方が数倍気持ち悪いのにね」

149 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/12 01:40:48 ID:Ncdeo0AI (143/157)


女友「ふふ。清々しいね、ほんとに」

美少女「だから私は、女友ちゃんっていう一人の人間が好きなのよ」

女友「……ありがと」

美少女「女ちゃんも大好きよ。三人で一緒に暮らさない?」

女友「……いいよ?」

美少女「よっしゃ、やったあ!」

女友「冗談に決まってるでしょ」

美少女「ウソよ! デレてたもの!」

女友「まあ……、少しはね」

150 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/12 01:46:52 ID:Ncdeo0AI (144/157)


美少女「私の時代がきたわ……!」

女友「三人で、っていうかさ」

美少女「ん?」

女友「ずっとみんな、仲良しでいたいなあ、って」

美少女「ああ……」

女友「思わない?」

美少女「アリね。この焦らし好きめ!」

女友「うっさいわ」

152 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 00:44:39 ID:n.g47fBI (145/157)


―帰り道―

「ねえ」

地味子「なあに?」

「カラオケ行こうよ」

地味子「あ、約束してたね」

「うん。行こ?」

地味子「でも、制服のままだとダメだよ」

「あ、そっか」

地味子「ふふ。悪い子になっちゃうよ?」

「よろしくないね、それは」

地味子「そうそう、ギャルちゃんもびっくりしてたんだけどね」

「なんの話?」

153 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/17 00:50:42 ID:n.g47fBI (146/157)


地味子「女ちゃんの姿勢が素敵、っていう話」

「いやん。恥ずかしいわ」

地味子「私もすごいと思うなあ」

「まあね」

地味子「習い事とか、してたの?」

「お琴を少々」

地味子「わあ!」

「ウソだぜ」

地味子「……もう」

「ごめんごめん」

地味子「知らない」

「ありゃりゃ……」

地味子「……ふふ。女ちゃんって、本当に不思議だねえ」

154 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/17 01:05:37 ID:n.g47fBI (147/157)


「不思議?」

地味子「うん。私、女ちゃんのこと、もっとよく知りたいな」

「私のこと、好きなのかい」

地味子「もちろん」

「私、良い子なのかな」

地味子「そう思うよ?」

「そっか。良かった」

地味子「良かった?」

「ねえ、地味っちゃんはさ」

地味子「うん」

「すごく素敵。私の理想の女の子だよ」

地味子「て、照れるよ……」

155 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/17 01:20:34 ID:n.g47fBI (148/157)


「私、ずっとそうなりたかった」

地味子「う、ん……?」

「私を構ってくれないの。仕事が忙しいって言って」

地味子「……ご両親のこと?」

「良い子になれば、愛してもらえると思った。だから、がんばったんだよ?」

地味子「……そうだったんだ」

「なのに、お父さんもお母さんも仕事に夢中なの。今だって、そう」

地味子「だから、あまり家にいないんだね」

156 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/17 01:30:21 ID:n.g47fBI (149/157)


「多分私、悔しいんだと思う」

地味子「悔しいって……?」

「良い子だから愛してもらえるんじゃないって、気づいた」

地味子「そうかなあ」

「女友も、地味っちゃんも、羨ましい」

地味子「私が?」

「愛してもらえてるから、そんなに良い子なんだよね」

地味子「うーん……」

「でも、良い子にしてればいつか愛されるかなって、ちょっと期待してる」

157 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/17 01:37:13 ID:n.g47fBI (150/157)


地味子「うん」

「そんな願いをこめて。良い子はみんな、愛せるよ」

地味子「女ちゃん。私ね」

「なんだい」

地味子「女ちゃんのこと、好きだよ」

「ありがとう。両想いだ」

地味子「それじゃあ、足りないの?」

「私の愛されたかった16年間にはね」

地味子「私たち、もっと早く出会ってれば良かったねえ」

「……」

158 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/17 01:39:57 ID:n.g47fBI (151/157)


地味子「どうしたの?」

「嬉しそうだね」

地味子「嬉しいよ。女ちゃんのこと、知れたもん」

「……地味っちゃん、変な子」

地味子「愛してくれる?」

「もちろん。大好きだよ」

地味子「やっぱり、照れるね」

「……そうかもね」

159 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/17 01:44:12 ID:n.g47fBI (152/157)


地味子「そうだ。今度は私の悩み、聞いてくれる?」

「ばっちこい」

地味子「美少女ちゃんに距離を置かれてる気がするの……」

「……」

地味子「なんでだろ。私、なにかしたかなあ」

「うん。たぶん、気にしない方がいいと思うぜ」

地味子「そう?」

美少女「聞き捨てならないわ!」

「……」

地味子「……」

160 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/17 01:52:40 ID:n.g47fBI (153/157)


………

……



女友「男くんがさ、ギャルに告白したんだって」

「ふうん。結果は?」

女友「あ、聞いてないや」

「そこ一番大事なんだが」



美少女「女さんのお弁当、自分で作ってるらしいわね」

「うん。家庭的な女よ、私」

美少女「結婚して!」

「まず法律を変えてきてね」

地味子「あはは……」

161 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/11/17 01:54:34 ID:n.g47fBI (154/157)


「結局、私たちのちっぽけな悩みなんて一つも解決されなくて」

「かすり傷をみんなで舐め合うだけの、ペロペロするだけの人生」

「それがいつか、飴玉みたいに消えてなくなることを思って」

「私は、少しだけ薄くなった傷跡を指でなぞり」

「今日もみんなと、変わらない日常を謳歌しています」




おわり

162 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/17 07:30:50 ID:qez4IWmQ (155/157)

な、なんだと……
乙! 乙……?

165 : ◆cIHJ4h7Cfg[sage] : 2012/11/17 19:20:27 ID:H60n12Wk (156/157)

面白かった

166 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/11/17 21:02:08 ID:OA.YvPuw (157/157)


良い

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[ 2012/11/24 21:21 ] その他 | TB(0) | CM(0)

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