1 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/10/02 09:23:54 ID:KnHq8C.k (1/118)
一夏「──よし、できた」
シャル「あれ、一夏。この暑いのに鉄板の前で何してるの?」
一夏「おお、シャルちょうどいい。今できたばっかりなんだけどさ、味見して
くれないか?」
シャル「……一夏、これ何?」
一夏「ふふ~ん、日本人でないシャルには見慣れなくても仕方ないかな。さて、
何ではこれは何に見えるかな?」
シャル「えっ、言わなきゃダメなの?」
一夏「おいおい、自慢じゃないがかなり上手くできたんだぜ。ちょっとくらい
いい気分にさせてくれよ」
元スレッド情報
一夏「久しぶりに鉄板に火を入れてみた」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1349137434/
5 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/02 16:40:20 ID:KnHq8C.k (2/118)
シャル「……どうしても?」
一夏「どうしても」
シャル「……怒らないでよ?」
一夏「怒るもんか」
シャル「……吐瀉物」
一夏「はいさー!」ドゴッ
シャル「んおおおぐぅっ!」
一夏「人がせっかく作ったものをゲ○呼ばわりか。まったく、いい度胸をして
おるわい……」
シャル「い、いきなり腹パンはヒドくない?」
9 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/02 21:13:45 ID:KnHq8C.k (3/118)
一夏「……確かにそうだな。女の子の腹にパンチなんて、確かにヒドい。すま
なかったな、シャル」
シャル「判ってくれればいいよ。で、この嘔吐物は誰の?」
一夏「セガール!」ズドム
シャル「オほほぉぉぅっっ!」エロエロエロ
一夏「あっ、せっかくのもんじゃにシャルのゲ○が混ざってしまった」
鈴「あら、一夏」
一夏「お、鈴」
鈴「おっ、もんじゃじゃないの。熱々のうちに早速いただきまーす!」
そして鈴はうずくまるシャルを椅子代わりに、鉄板の上のハイブリッドメニューを平らげた。
セシリアは尻をトラバサミにはさまれて死んだ。
10 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/03 12:16:51 ID:79w.fiu. (4/118)
―――――――――――
ジュウウウ……
一夏「うし、出来た!」
シャル「一夏? くんくん……、いい匂いだけど何を作ってるの?」
一夏「おう、シャル。 何だと思う?」
シャル「うーん……何だろう? ホットケーキ……だと、お肉を使うのは変だし」
シャル「パンケーキでも無いよね……」
一夏「そうか、シャルはフランス人だものな」
一夏「これは、お好み焼きって言うんだ」 ニコ
シャル「へえ……お好み焼きかぁ」
一夏「良かったらシャルも食べるか?」
シャル「えっ!? い、いいの?」
一夏「おう、いいぜ!」
一夏「と言うか、元からそのつもりだったから」 ニコ
シャル(一夏が、ボクの為に……。 エへへ、嬉しいな♪) ///
11 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/03 12:24:52 ID:79w.fiu. (5/118)
一夏「マヨネーズと、ソースをかけて……完成!」
シャル「わぁ……美味しそう!」
一夏「遠慮なく食べてくれ」
シャル「うん! いただきまーす!」
ハムハム……
シャル「美味しい!」
一夏「そうか、良かった♪」
鈴「一夏~、って何してるの?」
一夏「おう、鈴。 見ての通りさ」
鈴「ああ、お好み、焼いてるのね」
鈴「関西風の」
12 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/03 12:45:53 ID:79w.fiu. (6/118)
ピシッ……!
シャル「……!?」
シャル(……な、何? 何か……空気が変わった!?)
一夏「……鈴、今何っつった?」
鈴「ん? お好み、焼いてんの? だけど?」
一夏「その後だ」
鈴「関西風の事?」
一夏「ちげーよ! 俺が焼いてるのは『お好み焼き』だ!」
一夏「広島風みたいな こじつけするんじゃねーよ!」
鈴「はあ!? あんたこそ何言ってんのよ!?」
13 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/03 12:48:29 ID:79w.fiu. (7/118)
鈴「『お好み焼き』は広島が発祥なの! 関西が真似したんじゃない!」
一夏「てめっ……! 大阪のソウルフードを馬鹿にしやがったな!!」
鈴「それこそ何言ってんのよ。 クソ小さいタコしか入ってないのに」
鈴「『たこ焼き』なんてぬかす食文化に お好み焼きを語る資格なんて無いわ!」
一夏「てめえ……あんな山盛りのキャベツや 固焼きソバとかコラボさせるくせに」
一夏「よくそんな事言えるな。 あんな物が、お好み焼きであってたまるか!!」
鈴「何ですって!?」
シャル「…………」
15 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/03 13:01:49 ID:79w.fiu. (8/118)
鈴「だいたい、ソースはともかく、マヨラーも真っ青なほど」
鈴「マヨネーズをかけるのは、どう考えてもいただけないわ!」
鈴「あんなの胃がもたれるだけよ!」
一夏「何だと! あれはソースの辛味をまろやかにする工夫だ!」
一夏「ソースオンリーの味だと、味覚がおかしくなるだけだっつーの!」
鈴「はんっ! ちゃんちゃらおかしいわね!」
鈴「何にでも鰹節ぶっかけてるくせに、恥ずかしくないのかしら!?」
一夏「何だと!? 広島土人が!!」
鈴「何よ!? 関西かぶれ!!」
シャル「…………」
シャル(……どうしよう)
シャル(味わって、食べられないよう……)
16 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/03 13:15:47 ID:79w.fiu. (9/118)
シャル「ふ、二人共、ケンカはよくn」
一夏・鈴「シャル(ロット)は黙ってて!」
シャル「ひいっ……」
一夏「こうなったら……!」
鈴「道は一つね……!」
シャル(……嫌な予感しかしない)
一夏・鈴「勝負だ(よ)!!」
シャル(やっぱりぃ……) シクシク…
鈴「というわけだから、シャルロット」
鈴「あたしが本物のお好み焼きを 焼いたげるから食べてみて!」
シャル「う、うん……」
17 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/10/03 13:21:09 ID:79w.fiu. (10/118)
……この日、実に12枚の様々なお好み焼きを食べたシャルは
もう二度とお好み焼きを食べる事はなかった……。
ちなみに私は関西の方が好きだ♪
続き、誰か書いてくれ。あとよろ~。
21 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 11:30:07 ID:3ZGSCr.2 (11/118)
―――――――――――
ジュウウウ…
一夏「~♪~♪」
シャル「ひっ……!?」
一夏「あ……シャル」
一夏「こ、この前は、すまん……」
シャル「う、うん……」
シャル「こ、今度は……何を?」
一夏「ああ、今度はステーキさ!」
シャル「ステーキ? これが?」
一夏「そう……ってシャルは、知らないのか? サイコロステーキ」
22 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 11:40:05 ID:3ZGSCr.2 (12/118)
シャル「サイコロステーキ? ……知らないなぁ」
一夏「そうか……俺は好きなんだけどな」
一夏「一口サイズで食べやすいし」
シャル「ふうん……」
一夏「良かったら……食べてみるか?」
シャル「……えっと」
一夏「さすがに これに、こだわりは無いから」
シャル「そ、そう? じゃあ……もらおうかな」
一夏「よし! この前のお詫びを含めて、腕によりをかけるな!」
23 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 11:53:34 ID:3ZGSCr.2 (13/118)
一夏「ほい、お待たせ!」
一夏「付け合せに フライドポテトとレタスのサラダをどうぞ」
シャル「わぁ……美味しそう」
シャル「いただきまーす!」
ハムハム……
シャル「うん! 美味しい!」
一夏「そうか! 良かった……」
シャル「それに、一夏の言う通り、とっても食べやすい」 ハムハム…
シャル「ナイフで、切り分ける手間がないのは、ありがたいかも」 ハムハム…
一夏「だろう? 肉が上手に切れないと、俺、イライラしちゃってさ」
一夏「サイコロステーキに出会って、これだ!って思ったんだ」
シャル「ふふっ、ボクも解るな、それ」
24 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 12:28:23 ID:3ZGSCr.2 (14/118)
鈴「一夏~。 何してるの?」
シャル「ひっ……!」 ビクンッ!
鈴「……シャルロット、そんなに怯えないでよ」
鈴「この前は悪かったって……」
シャル「う、うん……」
一夏「……鈴も食うか?」
一夏「この前は俺達、大人気なかった……」
一夏「仲直りの印として、どうだ?」
鈴「うん……もらおう、かな」
鈴「ところで、何を作ってるの?」
一夏「サイコロステーキ」
鈴「ああ、あれね。 食べやすくていいよね♪」
シャル「…………ホッ」
25 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 12:39:54 ID:3ZGSCr.2 (15/118)
一夏「ほら、鈴。 お待たせ」 コト…
鈴「ありがと、一夏。 美味しそう!」
一夏「注文受けて、すぐ料理できるのも強みだよな」
鈴「いただきまーす!」
モグモグ……
鈴「うん! 美味しいわ!」
鈴「でも、もう少し胡椒を効かせたいかな?」
一夏「おう、じゃこれ使ってくれ」 胡椒パス
シャル「そのあたりは、好みだね」 クスッ
セシリア「あら、一夏さん。 何をして いらっしゃいますの?」
箒「いい匂いだな」
一夏「セシリア、それに箒」
一夏「サイコロステーキを焼いていたんだ」
26 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 12:51:59 ID:3ZGSCr.2 (16/118)
セシリア「サイコロステーキ?」
箒「肉をサイコロの……立方体に切り分けて焼く、ステーキだ」
シャル「見た方が早いと思うよ」
鈴「ほら、これ」 スッ
セシリア「あら……こんなステーキの調理法、初めて見ましたわ」
一夏「良かったら、セシリアも食べるか?」
一夏「もちろん箒も」
セシリア「い、一夏さんが、作ってくださるのですか?」 ///
一夏「ああ」 ニコ
セシリア「もちろん、いただきます!」 ///
箒「私も もらうぞ、一夏」
28 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 21:02:22 ID:3ZGSCr.2 (17/118)
ジュウウウ…
一夏「はい、お待たせ。 お二人さん」
セシリア「ありがとうございます、一夏さん」 ///
箒「いただきます」
ハムハム……
箒「うむ! 美味しいぞ、一夏」
一夏「そうか、良かった」
セシリア「…………」
一夏「……セシリア?」
セシリア「!? あっ、えと……美味しいですわ!」
シャル(……どう見ても)
鈴(取って付けた感想ね……)
一夏「く、口に合わなかったか? セシリア?」
29 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 21:18:13 ID:3ZGSCr.2 (18/118)
セシリア「い、いえ、そんな……」
一夏「いいんだ。 正直に言ってくれ」
一夏「それに、この肉、特売品のやつだし……」
一夏「(セレブな)セシリアの口に合わなかったのも」
一夏「しょうがない所は、あるんじゃないかな?」
セシリア「…………」
セシリア「えと……その、ちょっと お電話をしても、よろしいでしょうか?」
一夏「電話? ああ、いいぜ」
セシリア「…………」 (携帯)ピッポッパッ
セシリア「……あ、チェルシー? 少し、頼みたい事があるのですけど……」
一同「???」
30 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 21:31:31 ID:3ZGSCr.2 (19/118)
20分後……
チェルシー「お待たせいたしました、お嬢様」
セシリア「あ、チェルシー」
チェルシー「最高級神戸牛ビーフです」
一同「!!!!」
セシリア「一夏さん、御手数ですが……もう一度、このお肉で調理していただけますか?」
一夏「……い、いいのか?」
セシリア「はい!」 ニコ
一夏「わ……わかった」
一夏「つ、つーか、塊だなこれ。 ステーキサイズに切り分けて……と」
ジュウウウ……
31 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 21:39:03 ID:3ZGSCr.2 (20/118)
一夏(うっ……!?)
シャル(何!? これ!?)
鈴(焼いてる時の匂いが……)
箒(全然違う!!)
一同(ものすごく、いい匂い……!!)
チェルシー「…………」
一夏「……お、お待たせ、セシリア」
セシリア「はい、一夏さん!」
ハム……モグモグ……
セシリア「…………」
一夏「……ど、どうだ?」
32 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 21:45:48 ID:3ZGSCr.2 (21/118)
セシリア「先ほどよりは、美味しいのですが……」
一夏「そ、そうか……」
セシリア「チェルシー、ちょっと料理してもらえるかしら?」
チェルシー「かしこまりました、お嬢様」
ジュウウウ……
シャル(うう……おかしいな?)
鈴(さっき食べたばかりなのに……)
箒(この匂いのせいで……)
一夏(口の中のよだれが……止まらねぇ……)
チェルシー「…………」
33 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 21:56:34 ID:3ZGSCr.2 (22/118)
チェルシー「一夏さん」
一夏「! は、はい?」
チェルシー「先ほどは、軽く表面を焼いた程度で 切り分けておられましたが……」
チェルシー「少々早すぎたかと思います」
一夏「は、はあ……」
チェルシー「あれでは、せっかくの旨みが 切り分けた箇所から流れ出てしまい」
チェルシー「勿体のうございます」
一夏「…………」
チェルシー「そして、味付けですが」
チェルシー「シンプルに塩、胡椒というのも悪いわけでは、ありません」
チェルシー「しかし、それでは、臭みを消す事は出来ても」
チェルシー「肉、本来の旨みを 最大限に引き出せません」
一夏(……えっと)
34 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 22:14:40 ID:3ZGSCr.2 (23/118)
そう言うと彼女は、あえて、俺の調理法をなぞらえて
チェルシー風サイコロステーキを焼き上げて行く……。
素人の俺から見ても彼女の手際は、かなり良く
流れる様な作業というのは、この事を言うのだろう。
そして、味付けや香り付けに 赤ワインやハーブを使い
より一層、美味そうな匂いが立ち込めた……。
シャル(はふぅ……お、美味しそう)
鈴(頭が……ボーっとして来た……)
箒(お、落ち着け……単なる……肉料理……じゃないか)
一夏(ああ……なんだよ……この拷問の様なプレイは……)
チェルシー「はい、お嬢様、お待たせいたしました。 どうぞ」
セシリア「ありがとう、チェルシー」 ニコ
ハム……モグモグ……
一同「……ゴクッ」
35 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 22:25:25 ID:3ZGSCr.2 (24/118)
セシリア「美味しいですわ♪」
一同(そりゃそうでしょ……)
セシリア「ただ……神戸牛に赤ワインの香りは、きつすぎるのでは無くて?」
チェルシー「申し訳ございません……白ワインで合うものが手元になくて……」
チェルシー「この様に小さく切り分けた事で、より香りが強く感じられるみたいです」
セシリア「なるほど……この調理法は初めてですもの、仕方ありませんわ」
セシリア「それでは、チェルシー。 今の反省点を生かして」
セシリア「皆さんにも、作って差し上げて下さいな」
一同「!!!!!」
チェルシー「かしこまりました、お嬢様」 ニコ
36 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/05 22:41:47 ID:3ZGSCr.2 (25/118)
一夏「う、美味い!! 美味すぎる!!」
シャル「ほっぺたが……落ちちゃうよぉ……」
鈴「こ、こんな……こんなお肉が……存在するなんて!!」
箒「い、今まで、食べてきたステーキとは……何だったんだ……」
セシリア「喜んでいただいて、嬉しいですわ」 ニコ
チェルシー「調理法としては、面白いですね」
チェルシー「火が早く肉に入るので、見極めが難しいですが……」
セシリア「最高のお肉に 最高の調理をすれば」
セシリア「最高に美味し物が作れるのですわ♪」
カチャン……
一夏(うん……確かにその通りだな)
シャル(こんなに美味しい物を ご馳走になってて何だけど……)
箒(特大の大声で……)
鈴(ものすごく一言、言いたいわ……)
37 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/10/05 22:48:27 ID:3ZGSCr.2 (26/118)
お 前 が 言 う な !!
……その後、最高の肉料理を食べた一同は、並の肉を
『美味い』と感じる様になるまで、しばらく時間がかかった……。
ラウラ「……あれ?」
ちょっぴり 美味○んぼ編、おしまい
あとよろ。
41 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/07 14:36:20 ID:l0wK1ySA (27/118)
―――――――――――
ジュウウウ……
一夏「よっ…と」
ラウラ「嫁よ」
一夏「おう、ラウラか」
ラウラ「それは何だ?」
一夏「これか? 鉄板焼きの定番、焼きそばだよ」
ラウラ「ほう、これが焼きそばか」
一夏「へえ? 知っているのか?」
ラウラ「クラリッサから聞いてはいる。 が、実物を見るのは初めてだ」
42 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/07 14:44:14 ID:l0wK1ySA (28/118)
一夏「そうか。 ラウラも食べてみるか?」
ラウラ「うむ、ぜひ食べてみたい」
一夏「よし、じゃあ今焼いてる これを食べるといい」
ラウラ「♪」
コト…
一夏「ラウラ、おまたせ」
ラウラ「ありがとう、一夏」
ラウラ「いただきます」
モグモグ……
ラウラ「うん、美味しいぞ、一夏!」
一夏「そうか、良かった」 クスッ
43 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/07 14:59:09 ID:l0wK1ySA (29/118)
シャル「一夏~? 今日は、何作ってるの?」
一夏「お、シャル」
シャル「ああ、焼きそばってやつだね」
ラウラ「む? シャルロットは、焼きそばを知っているのか?」
シャル「食べた事は無いよ? テレビで……B級グルメ?の特集があってね」
シャル「それで知ったんだ」
ラウラ「なるほど」 ムグムグ
一夏「シャルも食うか?」
シャル「ああ、それなんだけど……いつも食べさせて貰ってばかりだから」
シャル「今度は、ボクが作ってあげようと思って、いろいろ持って来たんだ♪」 スッ
一夏「へえ? シャルが鉄板を使って、か……」
一夏「そりゃ楽しみだな」
44 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 01:26:28 ID:wOof./1I (30/118)
ジュウウウ……
シャル「まずは、生地を薄く、円形に伸ばして……と」 ススス…
ラウラ「ふむふむ」
一夏「何を作っているんだろう?」
シャル「ウフフ……そうだなぁ。 まずは、定番の生クリームと イチゴにしようかな?」
一夏「あっ! わかった! クレープだな?」
シャル「正解だよ、一夏」 ニコ
ラウラ「ほうほう、これがクレープか」
一夏「でもあれって、確か専用のプレートじゃないと ダメなんじゃなかったけ?」
シャル「うん、そうなんだけど、鉄板でも出来るかな?と思って」
シャル「試してみたくなったんだ」
一夏「なるほど。 鉄板焼きの新たな試みか」
ラウラ「うむ。 チャレンジするのは、いい事だな」
45 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 01:38:40 ID:wOof./1I (31/118)
シャル「うーん、とりあえず出来たけど」
シャル「火加減の調整が難しいね」
ラウラ「少し、焦げてしまったな……」
一夏「だけど十分、美味いぜ。 お焦げもいいアクセントになってる」
シャル「フフッ、ありがとう、一夏」 ///
箒「楽しそうだな、一夏」
一夏「おっ、箒」
箒「香ばしい いい匂いがしたから、多分ここだろうと思って来てみた」
箒「ビンゴだったな」 クスッ
ラウラ「む? 箒も、何か持って来たのか?」
箒「まあな。 と言っても大したモノじゃない」
箒「ちょっと、鉄板を貸してもらえるか?」
シャル「あ、じゃあ変わるね? 箒」
46 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 07:45:15 ID:wOof./1I (32/118)
ジュウウウ……
一夏「焼きおにぎりか」
箒「これなら単純だけど、美味しいと思ってな」 クス
シャル「へえ……お米って焼いても いい匂いがするんだね」
ラウラ「そういえば、お餅の原料も米だったな」
一夏「あれは、専用のお米 使ってるんだけどな」
箒「よし、ここで醤油を垂らして、と……」 ジュウウウ……
一夏「うはぁ……日本人にとっては、たまらなくいい匂いだ……」
シャル(むっ……このポイントは、大きそう……)
ラウラ(なかなかの策略だな)
箒(フフフ……) ///
ジュウウウ……
47 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 07:58:41 ID:wOof./1I (33/118)
一夏「あれ? 箒」
箒「なんだ?」
一夏「このお椀、何に使うんだ?」
箒「ああ、それは こう使うんだ」
ポト…
一夏「焼きおにぎりを お椀に?」
ラウラ「手頃な皿が無かったのか?」
箒「フフフ……今日は、ちょっと行儀悪く行こうと思ってな」
シャル「行儀……悪く?」
箒「そうだ」
箒「お椀に焼きおにぎりを入れて……この魔法瓶のダシ汁を注いで……」 コポコポ…
箒「完成だ」
48 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 08:11:26 ID:wOof./1I (34/118)
一夏「美味い!」
シャル「焼きおにぎりの香ばしさと、昆布味のダシが 絶妙にマッチしてて……」
ラウラ「凄く美味しい!」
箒「いけるだろう?」 クスッ
一夏「しかも おにぎりの中にある 具材の梅干がまた、いいアクセントになってる!!」
シャル「この酸味、たまらないね!」
ラウラ「あっさりしてるから、いくらでも入るな!」
箒「そんなに喜んでもらえると、こっちも嬉しいな」 ///
50 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 08:32:27 ID:wOof./1I (35/118)
鈴「ちょっとちょっと、また美味しそうな匂い 立ててるじゃない」
一夏「おっ、鈴」
箒「鈴もどうだ?」
シャル「ん? 鈴も何か持ってきてるね?」
鈴「まあね。 あたしも腕を振るおうと思ってね」 ニコ
ラウラ「ほうほう。 今度は、どんな料理だ?」 ワクワク
鈴「期待させといて何だけど……定番料理かな?」 スッ
一夏「なるほど、餃子か」
箒「確かに定番料理だな」
鈴「フフッ、でもあたしは、中華料理屋の娘だから」
鈴「少し、アレンジしてるわ」
シャル「へえ、それは楽しみだね」
51 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 08:48:33 ID:wOof./1I (36/118)
ジュウウウ……
一夏「うん、いい匂いだ」
箒「中華料理の炒め物は、なぜか それとわかる匂いがする」
シャル「言われてみれば確かに」
ラウラ「長い歴史がモノを言っているのか?」
鈴「多分、香草をよく炒めるから その匂いだと思う」
鈴「食文化の歴史が長いのも事実だけどね」 クスッ
ジュウウウ……
鈴「はい、完成!」 コト…
一夏「おー、美味そう!」
箒「では、いただきます」
ハムハム……
52 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 09:03:31 ID:wOof./1I (37/118)
ラウラ「うむ! 美味い!」 ハフハフ…
シャル「美味しい!」
箒「これは……つけ汁に工夫が?」
鈴「ううん、タレは普通よ」
鈴「餃子の中身に ニンニクじゃなくて、ハーブを入れてみたの」
鈴「後、鳥と豚と牛の合いびき肉を使ってるわ」
一夏「どうりで。 美味いんだけど、なんか違うな? とは思ってたんだ」
シャル「ボクはこれ、すごく好き! ニンニクの匂い、ちょっと苦手だったから」
シャル「ハーブの風味が、とっても食欲をそそるよ!」
ラウラ「EU諸国の人間に向いてそうだな」 クスッ
53 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 09:25:56 ID:wOof./1I (38/118)
鈴「実は、本場・中国の餃子に ニンニクは、ほとんど使われないの」
鈴「それに、あっちでは水餃子(すいぎょうざ)が主流で」
鈴「餃子と言えば『茹でるもの』というイメージがあるわ」
一夏「そういや『餃○の王将』も中国に出店したけど」
一夏「焼き餃子が受け入れられなくて、すぐ撤退してたな」
鈴「あたしは日本で育ったから、焼き餃子も立派な調理法だと思うけどね」 クス
箒「そうなのか……焼き餃子は、こんなに美味しいのに」
シャル「炒め物王国の中国が、これを受け入れないって言うのも 不思議な感じがするね」
ラウラ「確かにそうだな」 アムアム…
54 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 09:50:40 ID:wOof./1I (39/118)
鈴「……でも、箒の 焼きおにぎり ダシ汁かけ?は、抜群の美味しさね」
鈴「正直、負けたって思う……」
箒「いや、鈴の焼き餃子も絶品だ」
箒「これ、おそらく小龍包(しょうろんぽう)のレシピをアレンジしたのだろう?」
箒「私には無い、発想だ」
一夏「ああ、なるほど。 言われてみれば……」
ラウラ「シャルロット、良かったらクレープを また焼いてくれないか?」
ラウラ「デザートが欲しい」
シャル「もう……ラウラは、一度食べてるのに。 しょうがないな♪」
鈴「そういえば、一夏は何を作ってたの?」
一夏「俺? 焼きそば」
鈴「よ、良かったら、あたしにも作って欲しいな」 ///
一夏「ああ、もちろんいいぜ」 ニコ
鈴「えへへ……」 ///
55 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 10:01:44 ID:wOof./1I (40/118)
箒(むっ……!)
シャル(さりげなく、可愛さをアピールしてる……!)
ラウラ「♪」 クレープ ウマウマ
箒「い、一夏! よ、良かったら、私にも、その……」 ///
シャル「ボ、ボクも、欲しい、かな……」 ///
一夏「お? おお、いいぜ。 どんとこい、だ!」
鈴「ムー……」
????「あら、みなさん。 ごきげんよう」
一同「」 ビクンッ!!
56 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 10:16:37 ID:wOof./1I (41/118)
その声は、優雅で、美しく、丁寧だったが
その場に居た誰もが、地の底に住まう 魔王の咆哮の様に聞こえた……。
恐る恐る振り返る一同……。
願わくば、幻聴であってくれ……!
そう思わずには、いられなかった。
だ が …
そ れ は 居 た …
57 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 10:30:31 ID:wOof./1I (42/118)
セシリア「? どうか、なさいましたの?」
一夏「い、いや……」
箒「な、何でも無い……」
鈴(!! ……し、しかも)
シャル(手荷物を……)
ラウラ(持参している……!)
一同(やばい、やばい、やばい、やばい、やばい!)
一夏「え……と。 や、焼きそば、作るんだけど……」
一夏「セシリアもどうだ?」
セシリア「ありがとうございます、一夏さん」 ニコ
セシリア「でも、前回、ご馳走になったので」
セシリア「今回は、わたくしが調理いたしますわ!」
一夏「いやいやいやいや! ご馳走になったのは、俺達の方だし!」
セシリア「遠慮、なさらないでください」 ニコ
58 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 10:47:51 ID:wOof./1I (43/118)
一同(させてよ! 全力で!)
セシリア「さあ、焼きますわよ!」 パカッ
一夏「ん?……なんだ? タッパーの肉を焼くだけなのか?」
セシリア「お恥ずかしいのですが、チェルシーのつけダレに漬けた」
セシリア「お肉を焼くだけですわ」
一同(チェルシー、GJ!!)
セシリア「もちろん、わたくしのアレンジも加えましたが」 ニコ
一同(余計な事をぉぉぉぉっ!!!)
セシリア「さて、まいりますわよ!」
ジュウウウ……
59 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 11:02:53 ID:wOof./1I (44/118)
一夏(…………)
箒(に、匂いは、普通だな……)
鈴(うん……香ばしい、いい匂い)
シャル(さすがは、チェルシーさん……)
ラウラ(どうしよう……? お腹がいっぱいだから、と、断るか?)
セシリア「♪」 フフ~ン♪ フン♪
ジュウウウ……
60 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 11:11:00 ID:wOof./1I (45/118)
セシリア「さ、みなさん! どうぞ、めし上がってくださいな♪」
一同(……………………)
一夏(……おかしいな?)
箒(焼いている匂いは、普通だったのに……)
鈴(どうして、火が通って行くと……)
シャル(若干、青みがかるの……?)
ラウラ(銅でも入っているのか……?)
セシリア「ささ、みなさん、温かい内にどうぞ♪」
一同(……………………)
61 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 11:19:55 ID:wOof./1I (46/118)
一夏(……ええーい! 覚悟を決めるぜ!) グッ!
箒(これはあの時の肉……これはあの時の肉……) ブツブツ…
鈴(ええと……確か、保健室は あっちの方向だったわね……) チラチラ…
シャル(お母さん……どうかボクを守って……!) セツジツ…
ラウラ(我が体のナノマシンよ……頼むぞ!) フルフル…
一同「……じゃあ」
一同「いただきます」
セシリア「はい♪」
モグッ…!
62 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/08 11:30:17 ID:wOof./1I (47/118)
……これは、たぶん才能なのだろう。 人知を超えた才能。
なにしろ、彼女は市販された調味料と食材しか、使っていないのだから。
なのに、一度で5人も病院送りにする様な
殺戮兵器をいとも簡単に作れてしまう……。
ああ……神よ! 願わくば、彼女に、その才能を気づかせたまえ……!
これ以上の犠牲者が出ない内に……!
セシリア「……あれ? みなさん?」
おしまい
67 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/14 16:01:11 ID:3rhr0wmI (48/118)
―――――――――――
ジュウウウ……
セシリア「あら、一夏さん」
一夏「!!」 ビビクンッ!!
一夏「や、やあ、セシリア……」
セシリア「? どうか なさいましたの?」
一夏「な、何でもないから……」
セシリア「ところで、今度は何を調理してますの?」
一夏「ああ……、たこ焼きってやつさ」
セシリア「たこ……焼き?」
セシリア「たこは、どこですの?」
68 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/14 16:09:41 ID:3rhr0wmI (49/118)
一夏(……ふ、触れて欲しくない所を)
セシリア「一夏さん?」
一夏「ああ……何でも無い」
一夏「この中に入っているんだ」
セシリア「え? この小さな切れっ端みたいなタコが?」
一夏「ぐっ……そ、そうなんだ……」 アハハハ…
一夏(耐えろ……俺……!)
一夏「食べてみるか? まあ、口に合うかどうか わからないけど……」
セシリア「はい♪」
69 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/14 16:25:23 ID:3rhr0wmI (50/118)
セシリア「はふ、はふ……」 ///
一夏「熱いから、ゆっくり食べろよ?」
一夏(ちょっと遅かったかな……)
セシリア「はふぃ……あふ、はふ」 ///
一夏「……どうかな?」
セシリア「ちょっと熱かったですけど……美味しかったですわ♪」
一夏「え? そうなの?」
セシリア「……なんですの? わたくしは、批評を偽ったりは いたしませんわ」
一夏「すまん。 これは庶民の味なんで、セシリアの口にあうと 思わなかったんだ」
一夏「気を悪くしたのなら謝る」
セシリア「いえ……わかっていただければ……」
70 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/14 16:40:21 ID:3rhr0wmI (51/118)
鈴「一夏~? 今度は、何作ってるの?」
一夏「げえっ! 鈴!」
鈴「あたしを 関羽扱いしないでよ……」
鈴「……って」
ジュウウウ……
一夏「…………」
鈴「…………」
セシリア「……? お二人共、どうかなさいましたの?」
一夏・鈴「……な、なんでもない」
セシリア「???」
一夏「……とりあえず、聞いておくけど」
一夏「食うか?」
鈴「…………」
71 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/14 16:45:03 ID:3rhr0wmI (52/118)
鈴「ちょっと、時間もらえる?」
一夏「いらないなら、いらないって 言ってくれていいんだぞ?」
鈴「そうじゃないんだってば。 とにかく、準備してくる」 タッ タッ タッ…
一夏・セシリア「…………」
一夏・セシリア「準備?」
箒「一夏」
一夏「あっ、箒」
箒「さっき、鈴とすれ違ったけど……」
箒「何かあったのか?」
一夏「いや……それが、よくわからなくて」
箒「そうなのか……」
72 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/14 16:54:28 ID:3rhr0wmI (53/118)
箒「ところで……今日は、たこ焼きか」
一夏「ああ、鉄板をしまう時に このたこ焼き器見つけてな」
一夏「こいつにも久しぶりに、火を入れておこうと思って」
箒「なるほど」
一夏「どうだ? 箒も食うか?」
箒「ああ、いただこう」
ジュウウウ……
箒「うむ、美味いな♪」 ハフ ハフ
セシリア「箒さんは、平気そうですわね」
箒「? 何がだ?」
セシリア「わたくしには、ちょっと熱かったので……」
箒「……ああ、そういう事か」
73 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/14 17:13:23 ID:3rhr0wmI (54/118)
箒「確かに熱いけど、これは こうやって、はふはふ言いながら食べるのも」
箒「おつなモノなんだ」
セシリア「そうなんですの?」
箒「お祭り屋台の定番メニューでな……」
箒「懐かしいな……実家の境内で行われてた夜店祭り」
箒「一夏と一緒に たこ焼きを食べた事を思い出す」 フフフ♪
一夏「ああ、確かにそうだった」
一夏「俺も箒も、口の中、火傷したっけな……」
箒「ふふふ……」 ///
セシリア(むっ……! なんですの!? この雰囲気!?)
シャル「一夏、今度は何を作ってるの?」
ラウラ「嫁よ。 何かは解らんが、ぜひ食べたい!」 キラキラ☆
セシリア(お二人共、GJですわ!)
74 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/14 17:27:52 ID:3rhr0wmI (55/118)
一夏「えっとラウラ。 あらかじめ言っておくけど」
一夏「『たこ焼き』と名うっているのに、タコはどこだ?とか」
一夏「タコが小さい、とかは 言わないでくれ」
一夏「これは、こういうモノなんだ。 それで納得しておいてくれ」
一夏「わかったか?」
ラウラ「うむ。 わかったぞ、嫁よ」
シャル(……そういえば、鈴にバカにされてたっけ)
セシリア(……先ほどの一夏さんの微妙な お顔は)
セシリア(そう言う意味でしたのね……)
75 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/14 20:59:41 ID:3rhr0wmI (56/118)
一夏「はい、お待たせ」
ラウラ「うむ! 美味しいぞ、一夏!」
シャル「はほっ、はふっ」 ///
シャル「お、おいふぃよふぉ、はふぉ」 ///
セシリア「熱いの行きましたわね……」 クスクス
シャル「み、みふっ!」 ゴクゴク…
シャル「ふうぅ~……」
シャル「……もう、セシリア、知ってるのなら教えてよ」
セシリア「ごめんなさい、シャルロットさん」
セシリア「傍目から見てると面白くて……つい」 クスッ
76 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/17 08:57:26 ID:YfOKba3o (57/118)
ラウラ「ふむ、美味いな」 ホフ ホフ
シャル「……ラウラは平気そうだね?」
ラウラ「確かに熱いが、このくらいは大丈夫だ」
セシリア「これが、日本のお祭りの味ですのね」
箒「定番メニューではあるが、これだけでは無いぞ?」
セシリア「そうなんですの?」
箒「ああ。 例えば……」
鈴「お待たせ~」 ウンセッ ウンセッ
一夏「鈴? 何だよ、その荷物?」
鈴「まあ、いいから。 ちょっと変わってもらえる? 一夏」
一夏「あ、ああ……」
77 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/17 09:06:55 ID:YfOKba3o (58/118)
ジュウウウ……
一夏「…………」
箒「……?」
箒(気のせいか……多少、焼く時の匂いが、違う様な……)
ラウラ「鈴、余計な事かもしれないが、火が弱いのではないか?」
鈴「これでいいのよ」
鈴「一夏が作ってた たこ焼きとは、『違う』ものだから」
シャル「そうなの? ボクの目には同じに見えるけど……」
セシリア「わたくしもですわ……」
鈴「まあ、有り合わせの材料だから 本物の味には、及ばないと思うけどね」
シャル「本場の味?」
一夏「…………」
鈴「とりあえず食べてみて、判断してね」
ジュウウウ……
78 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/17 09:18:30 ID:YfOKba3o (59/118)
鈴「はい、出来たわ」 コト…
ラウラ「……? ソースは、かけないのか?」
鈴「それも美味しんだけどね……今回は、こっちを試してもらえる?」 コポポ…
シャル「お椀に……出し汁?」
鈴「そ。 これにあたしが焼いた たこ焼きを入れて、食べてみて?」
セシリア「箒さんの焼きおにぎりを 思い出しますわね」
一夏「……いただきます」
ハム……モグモグモグ……
一同「……!!!」
79 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/17 09:31:03 ID:YfOKba3o (60/118)
シャル「……えっ!?」
箒「こ、これは!?」
セシリア「なんて、上品で……!」
ラウラ「美味しい!」
一夏「……っ!」
鈴「これはね、『明石焼き』っていうの」
シャル「明石? 鯛で有名な兵庫県の?」
鈴「よく知ってるわね? シャルロット。 正解よ」
鈴「明石では『玉子焼き』って名前でも 売られてるけど」
鈴「あたしはこっちの方が、たこ焼きとしては 美味しいと思ってるわ」
80 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/17 09:39:03 ID:YfOKba3o (61/118)
セシリア「それにしても……どうしてこんなに風味があるのかしら?」
シャル「出し汁に秘密が?」
箒「いや……おそらく、生地自体に薄く味を入れてあるんだ」
シャル「ああ! 通りで!」
箒「だし巻き卵、という料理があるのだが、それに近い」
ラウラ「♪」 ウマ ウマ♪
一夏「…………」
81 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/17 09:45:22 ID:YfOKba3o (62/118)
セシリア「それに、このふわりとした食感が またいいですわ♪」
シャル「ホントだね♪」
箒「これもだし巻き卵に近いな。 見事な焼き加減だ、鈴」
鈴「ふふ、ありがと、箒」
ラウラ「そうか……火を弱くして焼いてた理由は、それか」 ウマ ウマ♪
一夏「…………」
82 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/17 09:51:46 ID:YfOKba3o (63/118)
ラウラ「おかわりだ! 鈴!」 サッ
鈴「なんで そんなに偉そうなのよ……でもま、いいわ!」
鈴「材料が有る限り、焼いたげるね♪」
シャル「あ、ボクも お願いしていい?」
セシリア「わたくしも お願いしますわ」
箒「私も頼む」
鈴「はいはい、どんどん焼いたげる!」 ウフフ♪
一夏「…………」
84 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/17 09:59:09 ID:YfOKba3o (64/118)
ジュウウウ……
鈴「さっきも言ったけど……本場の味は、もっと美味しいわ」
ラウラ「こんなに美味しいのに……更に上があるのか……」
箒「レシピや隠し味……使っている道具なんかで良くなるのだろうな」
シャル「一度食べてみたいね♪」
セシリア「本当に そうですわね♪」
一夏「…………」
85 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/17 10:06:29 ID:YfOKba3o (65/118)
ラウラ「私は、これでも十分行けるぞ! おかわりだ! 鈴!」
鈴「はいはい、ちょっと待ってね」
シャル「ん~、ホントに美味しいなぁ……」
セシリア「いくらでも食べられますわ♪」
箒「♪」 ウマ ウマ♪
一夏「…………」
鈴「あっ、一夏。 一夏もおかわりする?」 ニコ
86 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/17 10:11:56 ID:YfOKba3o (66/118)
一夏「……う」
鈴「? う?」
一夏「うわああああああんっ!!」
一夏「たこ焼きは……たこ焼きは! 大阪が一番、美味しいんだぁああっ!!」
ダダダダダダダッ!!
鈴「」
シャル「」
セシリア「」
箒「」
ラウラ「?」 ウマ ウマ♪
87 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/10/17 10:18:21 ID:YfOKba3o (67/118)
一夏は、このショックで 寮の部屋からしばらく出てこなくなった……。
一夏「たこ焼きは、大阪のものなんだぁぁぁっ……」
一夏「大阪は、粉もん文化なんだぁぁぁっ……」
ドアに耳を当てると こんな声が、すすり泣きと共に聞こえた……。
おしまい
90 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/19 15:09:25 ID:Owg8n806 (68/118)
―――――――――――
ジュウウウ……
鈴「……あれ?」
箒「やあ、鈴」
鈴「一夏……じゃなかったか」
箒「……あれから出てこないな、一夏」
鈴「まさか、こんなに特大の地雷を踏み抜いてたなんてね……」 ハア…
鈴「で? 箒は何をしてるの?」
箒「見ての通りだ」
ジュウウウ……
鈴「まるで、お祭りね」
鈴「っていうか、変わってる焼き型ね? いろんなものがハイブリットされてる」
91 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/19 15:22:22 ID:Owg8n806 (69/118)
箒「ああ……この前セシリアと話してて、お祭りの定番メニューの話題になった」
箒「その時に思い出したんだ」
箒「これの存在をな」
鈴「ふうん……」
箒「そうだ、鈴も協力してくれないか?」
鈴「協力? 何を?」
箒「名づけて……いや、必要ないか」
箒「天の岩戸作戦だ」
鈴「天の岩戸……。 ! そっか!」
鈴「一夏を 誘い出そうっていうのね?」
箒「正解だ。 粉もん好きの一夏が、この匂いに釣られないわけがない」 クスッ
鈴「わかったわ、箒! じゃああたし、たこ焼きを焼く!」
箒「えっ!?」
92 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/19 15:33:10 ID:Owg8n806 (70/118)
箒「し、しかし、一夏は前回それで……!」
鈴「いいのよ。 一夏は、ちゃんと気がついてるわよ」
鈴「本当は、『どっちが』美味しいのかが、大切なんじゃない」
鈴「『どっちも』美味しいで いいんじゃないかって……」
箒「鈴……」
鈴「じゃ、あたし、準備してくる」 ニコ
箒「ああ、待っているぞ」 ニコ
タッ タッ タッ…
シャル「一夏!?」
ラウラ「嫁なのか!?」
セシリア「ようやく、部屋から お出になられましたの!?」
93 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/19 15:47:01 ID:Owg8n806 (71/118)
箒「……期待させてすまないな」
シャル「あ……」
ラウラ「箒……」
セシリア「箒さんでしたか……」
箒「だが、今、作戦を決行中だ」 フフ
シャル「作戦?」
箒「はるか昔……天照大神(あまてらすおおみかみ)という名の神が」
箒「些細な事でへそを曲げてしまって……」
箒「自宅である天の岩戸に引き篭ってしまった」
ラウラ「…………」
箒「その神は大切な役割を担っていたので、引き篭ったままで居ると」
箒「様々な災厄が世界を襲った……」
セシリア「…………」
94 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/19 15:59:24 ID:Owg8n806 (72/118)
箒「人々は困り果てた」
箒「どうしたら天照大神(あまてらすおおみかみ)を自宅から出せるだろう?」
箒「だが、天の岩戸は頑丈で、力ずくでは まず無理だった」
シャル「…………」
箒「そこで考え出された方法が」
箒「天の岩戸のすぐ外で、飲めや歌えのどんちゃん騒ぎを始める事だった」
ラウラ「それが問題の解決に どう繋がる?」
箒「祭りの楽しそうな騒ぎを聞いて、天の岩戸から出てくると考えたのだ」
セシリア「……! もしかして!」
箒「そうだ、セシリア」
箒「粉もん好きの一夏を 天の岩戸から引きずり出す作戦、というわけだ」 ニコ
95 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/19 16:29:17 ID:Owg8n806 (73/118)
シャル「でも……そう上手くいくのかな?」
箒「だから手伝って欲しい、シャルロット」
シャル「ボクに?」
箒「そこに……持って来た道具と材料がある」
箒「やり方を教えるから作って欲しい」
シャル「わかった、手伝うよ」 ニコ
セシリア「でしたら、わたくしも!」
箒「セ、セシリアとラウラは食べる方で盛り上げてくれ」
箒「この道具を使うには、ある程度の技術が必要なのでな」
セシリア「そうなのですか……」
ラウラ「そういう事なら任せてくれ、箒」
ラウラ「ところで、さっきのおとぎ話……最後は、どうなるんだ?」
箒「もちろん天照大神(あまてらすおおみかみ)は、天の岩戸を出て……」
箒「めでたし、めでたし、だ」 ニコ
96 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/19 18:18:28 ID:Owg8n806 (74/118)
―――――――――――
クンクン…
一夏「……ん?」
一夏「この匂いは……?」
一夏「…………」
一夏「…………」
アハハ……ウフフ……
一夏「…………」
一夏「……みんなか」
一夏「何を作っているんだろう?」
一夏「…………」
一夏「どうせ……大阪の粉もんは、大した事無いですよーだ……」
一夏「…………」
97 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/19 18:34:17 ID:Owg8n806 (75/118)
ジュウウウ……
セシリア「所で、箒さん。 これは何と言う食べ物なのですか?」
箒「たい焼きと 大判焼きと 玉子カステラだ」
セシリア「……えと、すみません」
セシリア「一つ一つ、説明していただけますか?」
箒「うむ。それではまず、たい焼きから」
セシリア「どうして、お魚の形をしているのですか?」
箒「これは、日本人じゃないと解りにくいのだが……」
箒「鯛は昔から縁起物で、良いもの、と、されてきたからだ」 クス
セシリア「では、この様な形に こだわる必然性は、無いのですか?」
箒「そうなるな」
箒「実際、焼くのに適してる、とは、言い難い形でな。 時間が余計にかかる」
セシリア「そうなのですか……」
箒「そして、たい焼きの原点になったのが、この大判焼きだ」
98 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/19 18:50:51 ID:Owg8n806 (76/118)
セシリア「大判焼き……?」
箒「地方によって、呼び名が違っていたりするがな」
箒「今川焼きや回転焼き、などとも呼ばれている」
セシリア「はあ……」
箒「とりあえず食べてみるか?」
箒「たい焼きも、大判焼きも、中身はアンコで甘いお菓子だ」
セシリア「という事は……味に違いは、無いのですか?」
箒「そうなるな」 クスッ
セシリア「それでは、いただきます」
ハム……モグモグ……
セシリア「! あら、美味しいですわ!」
箒「そうか」 ニコ
99 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/19 19:07:37 ID:Owg8n806 (77/118)
セシリア「どちらも ふんわりとした生地に、甘いアンコ?がマッチしてて」
セシリア「香ばしさも手伝って、美味しいスイーツになってますわ♪」
箒「ふふふ……」
セシリア「そうですわね……ワッフルに近いので」
セシリア「カスタードクリームなども合いそうですわね」 ニコ
箒「……! そ、そうか……」 ヒキッ…
セシリア(……! 箒さんの微妙な お顔……!)
セシリア(こ、これは、まずい事を言ったみたいですわね……!)
箒(カスタードや 白あんなど、邪道だっ……)
セシリア「ほ、箒さん、こちらの玉子カステラ という物は何ですか?」
箒「う、うむ……こ、これはな……」
100 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/19 19:19:29 ID:Owg8n806 (78/118)
箒「基本的には、同じ材料を使っているが」
箒「アンコを入れない」
セシリア「一口サイズですものね」 クスッ
箒「その辺りも ウケがいい理由の お菓子だ。 ただ、食べやすいのが災いして」
箒「ついつい食べ過ぎてしまうのが難点だな……」 クスッ
セシリア「まあ……女性にとっては強敵ですわね」 クスッ
ハム……モグモグ……
セシリア「美味しいですわ♪」
箒「そうか」
セシリア「わたくしは、どちらかと言えば こちらの方が、好きかもしれません」
箒「そうだな……アンコの甘さは、時に重く感じるからな……」
101 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/19 19:38:02 ID:Owg8n806 (79/118)
箒「そうだ、一つ、美味しい食べ方を教えようか?」
セシリア「美味しい……食べ方?」
箒「これも、行儀の悪いやり方なのだがな……」
セシリア(焼きおにぎりの時も おっしゃっておられましたわね……)
箒「こうやって……玉子カステラをお椀に入れて……」 コロンコロン
箒「牛乳を入れて、少しふやけさせたら」 コポポ…
箒「完成だ」
ズズッ…
セシリア「こ、これは!?」
箒「どうだ?」
セシリア「牛乳が玉子カステラの甘さを含んで、とても美味しいですわ!」
箒「ふふふ、病みつきになるだろう?」 ニコ
箒「ちなみに、普通のカステラでやっても美味しいぞ」
セシリア「でも、確かに お行儀は悪いですわね」 クス
箒「人前では、やらない様にな」 クス
104 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 09:06:37 ID:NnKSY4MA (80/118)
―――――――――――
一夏「…………」
一夏(……この匂い)
一夏(香ばしさに甘い匂いが混じってる……)
一夏(…………)
一夏(たい焼きかな……?)
一夏(…………)
グゥゥゥゥゥッ……
一夏(…………)
一夏(畜生……)
一夏(いい匂いだなぁ……)
一夏(…………)
105 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 09:23:59 ID:NnKSY4MA (81/118)
ジュウウウ……
シャル「箒、そろそろいいかな?」
箒「どれどれ……ああ、頃合だな」
シャル「後は金型に入れるだけだね?」
箒「そうだ」
トトト……
ラウラ「これは何だ? シャルロット?」
シャル「べっこう飴って言うらしいよ?」
ラウラ「ほうほう……確かに鼈甲(べっこう)みたいな色だな」
シャル「材料は、水と砂糖だけで作れる簡単なお菓子だね」 ウフフ
ラウラ「ふむ……私でも作れそうだ」
シャル「それにしても日本は鯛が好きだね。 金型にも色んな鯛があるよ」
106 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 09:40:36 ID:NnKSY4MA (82/118)
ラウラ「飴をこんな形にするとは……何の意味があるのだろう?」
シャル「ふふっ、たぶん合理的な意味なんて無いよ」
シャル「きっと、『楽しいから』だと思うな」
ラウラ「楽しい……か」
ラウラ「シャルロットは、楽しいか?」
シャル「うん! 初めてやってみたけど、楽しいよ?」
ラウラ「…………」
シャル「……ラウラもやってみる?」
ラウラ「! ……いいのか?」
シャル「砂糖水を煮詰めるのは、ちょっと無理かもしれないけど……」
シャル「金型に入れるだけなら誰にでも出来るよ♪」
ラウラ「うむ! それでいい! やらせてくれ!」 ///
シャル「じゃあお願いするね? 熱いから気をつけて……」
シャル「ああ、それと、この割り箸を入れるのも忘れないでね?」
ラウラ「わかった!」
107 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 09:54:01 ID:NnKSY4MA (83/118)
ジュウウウ……
ラウラ「セシリア!」
セシリア「? ラウラさん? どうなさいましたの?」
ラウラ「とにかく、これを食べてみてくれ!」
セシリア「これは?」
ラウラ「べっこう飴だ!」
セシリア「鼈甲(べっこう)? 確かにそんな色ですわね……」 スッ…
ペロペロ…
セシリア「あら、美味しいですわ♪」
ラウラ「そうか!」 ///
セシリア「ラウラさんがこれを?」
ラウラ「金型に入れただけだがな!」 ///
セシリア「そうなのですか……面白いですわね、この形」
セシリア(ちょっと食べにくいですけど……)
108 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 10:02:59 ID:NnKSY4MA (84/118)
鈴「箒、お待たせ……ってみんな居るわね」
箒「鈴、待っていたぞ」
箒「真打ち登場だな」 フフ
鈴「そんな言い方されると緊張するわね……」 ///
ラウラ「鈴! 見てくれ!」
鈴「あら、べっこう飴じゃない。 懐かしいわね」
ラウラ「私も手伝ったのだ!」 ///
鈴「へえ、そうなの? ひとつもらえる?」
ラウラ「もちろんだ!」 スッ
ペロペロ…
鈴「うん! 美味しい! やるじゃない、ラウラ!」
ラウラ「♪♪♪」 ///
109 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 10:14:31 ID:NnKSY4MA (85/118)
鈴「さーて、作るわよ~!」
セシリア「明石焼きですか?」
鈴「そうよ。 この前のより、美味しいの作るからね!」
セシリア「まあ……それは楽しみですわね♪」
セシリア「正直、甘い物が続いたので、何か塩味が欲しいと思っておりましたの」
鈴「と、言われても少し時間かかっちゃうから」
鈴「ちょっと待っててね」
セシリア「はい♪」
110 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 12:58:36 ID:NnKSY4MA (86/118)
―――――――――――
一夏(…………)
一夏(…………)
一夏「ああもう! くそっ!」 ガバッ!
一夏「いい匂い、させやがって!」
カチャ カチャ…… ゴソゴソ…… ガタン ゴトン……
一夏「うし……材料はあるな」
一夏「…………」 ゴソゴソ…
一夏「うん……甘さは控えめで……」
一夏「…………隠し味に醤油をちょっと……と」 ポタポタ…
一夏「こんなもんかな♪」
111 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 13:09:58 ID:NnKSY4MA (87/118)
ジュウウウ……
鈴「はーい! お待たせ!」
セシリア「お待ちしておりました♪」 ニコ
ハム……モグモグ……
セシリア「ん~♪ このお味、この食感! とっても美味しいですわ♪」
鈴「この前と比べて、どうかしら?」
セシリア「断然、こちらの方が美味しいですわ!」
鈴「そう! 良かったわ」
セシリア「これが本場の味なのですか?」
鈴「うーん……かなりいい線いってると思うんだけどね」
鈴「もう一味、足りないかなぁ……」
セシリア「まあ……こんなに美味しいのに……」 モグモグ…
112 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 13:25:42 ID:NnKSY4MA (88/118)
本音「お~ここかぁ」 ペロペロ
シャル「あれ? 布仏(のほとけ)さん?」
本音「ラウっちに これもらってね~」 ペロペロ
本音「他にも たい焼きとかあるって聞いて~」 ペロペロ
シャル「ああ、たい焼きは 箒が作ってるよ」 ニコ
本音「ありがと~シャルるん~」 ペロペロ
トテ トテ
本音「ほうきん……おお!? ベビカラじゃん!」
箒「えっと……布仏(のほとけ)、出来れば普通に呼んでh」
本音「いただきまーす!」 アムアム♪
本音「おおー! 美味しい! いいお嫁さんになるよ、ほうきんは!」
箒「…………」
箒(まあいいか……)
113 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 13:37:48 ID:NnKSY4MA (89/118)
本音「所で、何で屋台なんてしてるの~?」
箒「いや、そういうわけじゃなくて……」
本音「あたしは~イカ焼きとか欲しいなぁ~」
箒「ええと……セ、セシリア! 頼む!」
セシリア「わ、わたくしが!?」
本音「おおー! セッシー! 相変わらずエロいなぁ」
セシリア「エ、エロくありませんわ!」 ///
本音「でー、何を食べているの~?」
セシリア「明石焼きですわ」
本音「明石焼き~? たこ焼きじゃないの~?」
セシリア「まあまあ……。 このお椀の出し汁につけて、食べてみてください」
本音「んん~? 変わった食べ方だね~?」
本音「いただきま~す」
114 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 13:48:30 ID:NnKSY4MA (90/118)
ハム……モキュモキュ……
本音「!?」
本音「な、なにこれ~!?」
セシリア「く、口に合いませんでしたか?」
本音「わんだふるに美味しい~!」 モキュモキュ
セシリア「でしょう?」 フフフ
テク テク テク
千冬「……お前達」
セシリア「!?」
箒「あ……」
シャル「お、織斑先生!」
鈴「……と山田先生」
山田「つ、ついで、みたいに言わないでくださいね?」
115 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 14:01:25 ID:NnKSY4MA (91/118)
千冬「全く……私達に内緒で、こんな事を……」
山田「まあまあ……いい匂いに釣られて来たのは、事実ですし」
千冬「……ふん」 ///
箒(……たぶん、ラウラにもらったのだろうが)
鈴(べっこう飴を持ってる千冬さん……)
シャル(もの凄くシュールで、ミスマッチ……)
セシリア(笑いを……こらえるのが……) ク……クク…
山田「わ! 大判焼きじゃないですか!」
山田「篠ノ之さん、一つもらっても よろしいですか?」
箒「え、ええ、どうぞ」
ハム……モグモグ……
山田「んー! これです! この味、この甘味!」
山田「やっぱり中身は、アンコですよね!」
箒「!!」
116 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 14:25:15 ID:NnKSY4MA (92/118)
箒「……山田先生、カスタードや白あんは……」
山田「!? 何を言ってるのですか! 篠ノ之さん!」
山田「このカステラ風の、香ばしい焼き加減に 最も合う甘味は」
山田「日本の伝統的な粒アンが、一番です!」
箒「!!」
山田「カスタードや白あん、こしアンに、これを出来るわけがありません!」
ガシッ!
山田「!? し、篠ノ之さん!?」
箒「初めて……『同士』と呼べる方に出会いました……」
箒「そうですよね! あんなの邪道ですよね!」
山田「!! ……篠ノ之さんも そうだったのですね……」
山田「あなたも……粒アンと思って、かじりついたら カスタードで……」
山田「もの凄く、裏切られた思いをしたんですね?」
箒「ええ、ええ! 粒アンの味を想像してたのに……違っていた時の絶望感と言ったら!!」
山田「わかります、わかりますとも!」
117 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 14:36:09 ID:NnKSY4MA (93/118)
千冬「……何だか、珍しく山田先生が 生き生きしているな」
鈴「……そうですね」
鈴「所で……お一つどうですか?」
千冬「ふむ……たこ焼き……む? ちょっと違うな?」
鈴「明石焼きです」
千冬「ああ……だし汁につけて食べる あれか」
千冬「いただこう」
ハム……モグモグ……
鈴「どうですか?」
千冬「うむ、とても美味い」
千冬「でも……、一夏のたこ焼きの方が美味いな」
鈴「え……?」
千冬「ああ、勘違いするな凰」
千冬「おそらく……ここに居るみんなは、お前の方が美味しいと言うだろう」
118 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 14:44:58 ID:NnKSY4MA (94/118)
千冬「でもな、私にとっては……」
千冬「一夏の作る、関西のたこ焼きや お好み焼きが」
千冬「一番美味しいんだ……」
鈴「……!」
鈴(…………)
鈴(……そっか)
鈴(そういう事、か……)
千冬「ふふ……それにしても、少し甘いものに偏ってるな」
千冬「出来ればソース系の味が欲しいところだが……」
??「……じゃあ、焼きそば、なんてどうだ? 千冬姉」
鈴「!!」
119 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 14:57:39 ID:NnKSY4MA (95/118)
セシリア「一夏さん!」
シャル「一夏!」
本音「おー! おりむーだー!」
一夏「織斑 一夏、カッコ悪く登場……っと」
箒「そ、そんな事は無い!」
一夏「いいって……ったく、天の岩戸よろしく、楽しそうに いい匂いさせやがって……」
一夏「まいった、もう天照大神(あまてらすおおみかみ)は懲りたよ……」 ニコ
鈴「一夏……あのっ、なんか……ごめん」
一夏「もういいって……俺も意固地になりすぎた」
一夏「祭りに参加させてもらえるか?」
鈴「うん!」 ///
121 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 15:27:39 ID:NnKSY4MA (96/118)
ジュウウウ……
本音「おー! てんしょん上がる匂い~! バキュン、バキュン!」
山田「ああ……このソースが焦げる、香ばしい いい匂い……」
山田「夜店屋台の醍醐味、と言うか、雰囲気、と言うか……」
千冬「懐かしいな……」
一夏「はい、お待たせ! 千冬姉!」
千冬「うむ……」 ズズズッ…
千冬「…………」 モグモグ
千冬「……ふふ、久しぶりだな、一夏の焼きそば」
千冬「美味い」 ニコ
一夏「へへっ……そうか!」 ニコ
山田「あの……良かったら、私にも作ってもらえますか?」
一夏「ええ、いいですよ。 お好み焼きも出来ますけど?」
山田「じゃあ、広島風じゃない方でお願いします」
一夏「特別に美味しく、作らさせていただきます!」
122 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 15:53:50 ID:NnKSY4MA (97/118)
ジュウウウ……
鷹月「ちょっとちょっと! 何? このいい匂い!?」
ティナ「もうだめ……耐えられない! 食べるっ!」
ラウラ「! い、一夏!?」
一夏「おう、ラウラ。 なんだ? ずいぶん人を連れてきたな」 ニコ
ラウラ「う、うむ……つい、自分の手伝った べっこう飴を食べてもらいたくて」
ラウラ「あちこち配り歩いていたのだ」 ///
ラウラ「そうしたら、みんな興味を持ってな……」
一夏「へえ! ラウラがべっこう飴を!」
一夏「俺にもくれるか?」
ラウラ「! よ、よし! 待っていろ! すぐ持ってくる!」 ///
トテ トテ トテ…
123 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 16:02:43 ID:NnKSY4MA (98/118)
ラウラ「嫁よ! 持ってきたぞ!」 バッ!
一夏「おっこれか……へえ、上手く出来てるじゃないか」 ペロペロ
ラウラ「ど、どうだ?」
一夏「おう! 美味いぞ! サンキューな、ラウラ!」
ラウラ「エヘヘ……」 ///
セシリア(むっ……!)
箒(何やらいい雰囲気……!)
鈴(くっ……!)
124 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 16:15:56 ID:NnKSY4MA (99/118)
シャル「一夏、ボクも焼きそば作るの 手伝おうか?」 ///
一夏「おっシャル。 いいのか? べっこう飴は?」
シャル「結構な量を作ったから大丈夫だよ」
一夏「そっか。 じゃ頼む」 ニコ
シャル「うん!」 ///
鈴(んなっ!?)
セシリア(そ、その手がありましたか!!)
箒(わ、私もそうしたいが……!!)
ティナ「この玉子カステラって美味しいね!」
鷹月「箒、たい焼きまだ?」
箒「あ、ああ、もうちょっと待ってくれ……」
箒(今は離れられないっ!)
125 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 16:42:10 ID:NnKSY4MA (100/118)
セシリア「い、一夏さん、わたくしも お手伝いを……」 ///
一夏「ん? ああ、助かる。 じゃあ出来た焼きそば、紙皿に盛って」
一夏「みんなに配ってくれ」 ニコ
セシリア「え? あの、そうではなくて」
シャル「一夏~、ソース取ってくれる?」
一夏「ああ、ちょっと待ってくれ。 ええと紙皿は、これだから」
一夏「じゃ、頼むな!」 ニコ
セシリア「……は、はい」 シクシク…
126 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 16:43:28 ID:NnKSY4MA (101/118)
千冬「ん~、この匂い。 一夏のお好み焼きだな」
山田「一口食べますか? 織斑先生」 クス
千冬「いただこう。 焼きそばも いけるが、一口どうだ? 山田先生」 クス
山田「ええ、いただきます♪」 ニコ
本音「おりむーの焼きそばー! おいし~!」
鷹月「うん! でも、贅沢を言えば、イカ焼きとか フランクフルトなんかも食べたいね!」
ティナ「あたしは、ポップコーンに フライドポテト!」
本音「いいね~。それなら、りんご飴と 綿飴も入れたい~」
鈴「かっ、勝手な事、言ってるわね……」
箒「どうしてこうなった……」 シクシク…
127 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 20:20:15 ID:NnKSY4MA (102/118)
?『ぬっふっふっ……お困りの様だね、我が妹よ!』
箒「」
千冬「こ、この声は……!!」
ヒュルルルルルルル……ドドォンッ!
一夏「わあっ!!」
一同「きゃあっ!!」
128 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 20:29:51 ID:NnKSY4MA (103/118)
シュタッ!
?「やっほー! 箒ちゃんに ちーちゃん!」
?「みんなのアイドル、束さんだよーん! ブイ ブイ☆」 ビシッ!
箒「…………姉さん」
千冬「……何をしに来た、束……」
束「やーん! そんな顔、しなーい!」
束「箒ちゃん、困っていたのは、事実でしょ!?」
箒「……ええ……まあ……」
束「ふっふっふっ……案ずるな! 我が妹よ!」
束「こんな事もあろうかと! ちゃんと準備していたのだ!」
ブヮサッ!
箒「! こ、これは!?」
130 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 20:48:34 ID:NnKSY4MA (104/118)
本音「え~? なになに~?」
鷹月「……自動販売機?」
ティナ「ホットドッグに……フライドチキン……なんかいろいろ書いてるね?」
束「ふふふ……これは全自動・夜店マッスィーン!」
束「その名も、『お祭りだね! 全員!集合!』だよ☆」
一同(その名前は ないわ……)
束「起動ボタン、押すよー!」 ピッ
ガタガタガタッ……! ブバババッ!!
ラウラ「箱が!?」
山田「屋台の形に……!?」
箒「変形していく!?」
131 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 21:20:36 ID:NnKSY4MA (105/118)
ババーン!
シャル「あっという間に……」
セシリア「屋台だらけに……」
鈴「遊戯系以外は、完璧ね……」
一夏「……作り手は、外見ア○アンマンみたいなロボットかよ」
本音「おお~! すごいすごい!」
鷹月「名前書きエビ煎に チョコバナナ……焼きトウモロコシまである!」
ティナ「おおー! 愛しのポップコーン!」
山田「最近、見なくなりましたね~……あ! アイスまでありますよ! 織斑先生!」
千冬「そ、そうですね、山田先生……」
束「さあ! 皆の衆! お金はいらないよ! 存分にその腹を満たしたまえ!」
ダダダッ……イタダキマース!
ハム……モグモグ……
132 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 21:37:11 ID:NnKSY4MA (106/118)
束「ふっふっふっ……! あーはっはっはっ!」
…………………………
束「……は?」
…………………………
束「……どうしたの?」
本音「……まずい」 ぺっ
束「!?」
鷹月「この焼きトウモロコシ……醤油の味しかしな……からっ」
束「へ? へ!?」
ティナ「……ポップコーンを こんなに まずく作れるなんて……」
束「」 ガーン……
133 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 21:49:31 ID:NnKSY4MA (107/118)
……結局、束の全自動屋台は、味がおかしくて食べられないか
食べられても確実に『まずいもの』だった……。
そして、静かにジッとしているアイア○マンが
より わびしさを演出していた……。
束「」 チーン……
箒「……姉さん」
束「! 箒ちゃん……それにちーちゃん……」
千冬「まったく……それにしても、何でこんな物を作ったんだ?」
束「…………」
束「……だって」
束「嬉しかったんだもん……」
134 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 21:59:38 ID:NnKSY4MA (108/118)
千冬「嬉しい? 何がだ?」
束「箒ちゃんが……」
束「束さんの作った、ハイブリット焼き型を使ってくれてたのが……」
箒「……!」
千冬「……そうなのか?」
箒「いえ……初耳です」
箒「昔から家にあって、時々使っていたのですが……」
千冬「いつ作ったんだ? 束……」
束「束さんが5歳の頃」
千冬(……溶接しているぞ? この焼き型……)
箒(法律違反じゃないのかな……?)
135 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 22:15:51 ID:NnKSY4MA (109/118)
束「束さんにとって、初めての発明品だったの……」
束「たい焼きも 大判焼きも 玉子カステラも」
束「全部いっぺんに作れたら いいだろうなって思って……」
箒「…………」
千冬「…………」
千冬「……使い心地はどうだ? 篠ノ之?」
箒「いいですよ」 クス
箒「これ、コツが要りますが、蓋が一つずつ開くようになってて」
箒「結構、便利です」
束「箒ちゃん……」
千冬「良かったじゃないか、束……」 クス
千冬「食べるか? 一夏が作ってくれた焼きそばだ」
束「……ちーちゃん」
束「うん!」
136 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 22:27:28 ID:NnKSY4MA (110/118)
シャル「ふふ、何だか楽しかったね、一夏」 クスッ
一夏「ああ……思わぬ大騒動になったけどな」 クスッ
セシリア「ふう……もう、お腹が一杯ですわ……」
ラウラ「たくさん食べたな……」
鈴「しばらく、たい焼きは見たくないかも……」
本音「楽しかったよ~おりむ~」
鷹月「……ちょっと体重が心配だけど」
ティナ「止めて……忘れていたかったのに……」
一夏「そうか……じゃあ俺のデザートは、いらないかな?」
シャル「え? デザート?」
137 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 22:41:57 ID:NnKSY4MA (111/118)
一夏「ああ……こんなの用意してたんだ」 スッ…
鈴「ん? なにこれ? お饅頭?」
一夏「具材で何とでも出来るんだけど……」
一夏「まあ、鈴の言う通りかな?」
ジュウウウ……
鷹月「ああ、『お焼き』ね!」
一夏「正解!」
一夏「中身は甘味を抑えた こしアンだけど……無理はしないでくれ」
一夏「このまま持って帰って、後で食べてくれたらいいから」
シャル「ボクは、もらおうかな」 フフフ
鈴「甘いものは別腹よ!」
ラウラ「嫁の出す物は、すべて平らげるぞ!」
138 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 22:51:23 ID:NnKSY4MA (112/118)
セシリア「うぬぬ……! 負けませんわ!」
箒「セシリア……無理は禁物だぞ?」
本音「でも いい匂い~」
鷹月「一個ぐらいなら、いけそうね!」
ティナ「……んあーもう! 明日からダイエットするもん!」
千冬「一夏、私にも頼む」
束「いっくん! 束さんの分もよろしくねー!」
山田「織斑くん、お願いしますね?」
一夏「ああ! 任せてくれ!」
139 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/20 23:01:38 ID:NnKSY4MA (113/118)
……こうして久しぶりに使った鉄板は、最期のお焼きを作った後
また しまわれる事になった。
何だかいつものドタバタ劇を繰り広げてしまったが、みんな作ったものを
美味しそうに食べてくれてた。
次に使うのは、いつになるのか わからないけど……
きっとみんなでワイワイやる事になるだろう。
その時まで、またしばらく休んでいてくれ、ありがとう鉄板。
おしまい
140 : 以下、名無しが深夜にお送りします[] : 2012/10/20 23:07:25 ID:NnKSY4MA (114/118)
疲れた……。束が登場したあたりで、もう収集がつかなくなってて
どうしようかと思ってました……。
最後が、イマイチだったかな……オチもなんもつかんかった……。
お粗末さまでした……。
結局、ほとんどのっとって書いちゃったな。
141 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/21 00:25:23 ID:knYxJo6Q (115/118)
乙。また書いて
142 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/21 03:27:58 ID:c8Zqh.w6 (116/118)
乙
面白かった
日本人で良かったと思ったわ
143 : 以下、名無しが深夜にお送りします[sage] : 2012/10/23 02:45:34 ID:46PxO4W6 (117/118)
なにこれほのぼの
楽しかったよ
144 : 以下、名無しが深夜にお送りします[Sage] : 2012/10/24 20:43:00 ID:yEvjHtZI (118/118)
深夜に読むと腹が減って危険なssだなw
面白かったからまた何か書いてくれ。
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