幼馴染「…だれ?」男「…」

1 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:18:11 ID:XaZRTt9w (1/74)

「幼、俺だよ、男だよ」

「…おとこくん?」

「そうだよ、幼」

「おとこくんは、おにいちゃんみたいにおおきくないよー」

「…幼」

「おにいちゃんは、おとこくんのおにいちゃん?」

「おとこくんはどこ?」

「きょうきてくれるって、ママがいってた!」

「どこにいるの?」

元スレッド情報
幼馴染「…だれ?」男「…」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1341735491/
2 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:18:47 ID:XaZRTt9w (2/74)

「…ご、ごめんね、幼ちゃん。男は今日は来てないんだ…」

「えー。おとこくんにあいたいー!あいたい!あいたいー!」

「…」

「幼…お前は、そうじゃないだろう…?」

「えー?」

「も、もっとさ、いつもみたいにさ」

「意味の無い会話を、延々続けたりさ…」

「理不尽で暴力的なツッコミ入れたりさ…」

「俺の事、悪く言ってもいいからさ…」

「お、俺の事…お、思い出してくれよ、幼…」

3 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:19:26 ID:XaZRTt9w (3/74)

「おにいちゃん、ないてるのー?」

「…う、ううん。違うよ!」

「泣いてないよ、大丈夫だよ!」

「そっかー。ならいいやー」

「はぁあー。おとこくんにあいたいなー」

「…ごめんな、幼」

4 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:20:02 ID:XaZRTt9w (4/74)




「おばさん…」

幼母「ごめんね、男ちゃん…辛い思いさせちゃって…」

幼母「でも、男ちゃんの顔を見れば、何か…」

幼母「何か、思い出すかと思って…本当にごめんね…」

5 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:20:42 ID:XaZRTt9w (5/74)

「あ、謝らないで、ください…」

「幼がああなってしまった責任は俺にあるんだから…」

「謝るのは、俺の方…だから…」



「…どうしてこんな事に、なっちまうかなぁ」

「幼…」

6 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:21:37 ID:XaZRTt9w (6/74)

…3日前…

ガラッ
「男、覚悟出来てる?」

「…んあ?なんだよ、幼…急に窓開けるなよ…」

「ちょっと。昼間っから寝てたの?」

「昨日、遅くまで勉強してたんだよ…」

「もうちょっと寝かせてくれよ…」

7 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:22:43 ID:XaZRTt9w (7/74)

「もう!ちゃんと覚悟は出来てるんでしょうね?」

「は?何だって?何が出来てるかって?」

「覚悟だよ、覚悟」

「何の覚悟だよ」

「…じゃあ、寝ぼけている男に」

「特別に覚悟を決める時間をあげよう!」

「ありがとうございます?」

「10分後に、また来るからね!」

8 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:23:16 ID:XaZRTt9w (8/74)

「今日と言う日が、何の日なのかをちゃんと思い出して!」

「そして、覚悟を決めてね!」

「じゃ!」
ガラガラピシャッ

「…今日?」

「…」

「あ!」

「今日、幼の誕生日か!」

「寝ぼけてたぜー」

「まぁ、プレゼントは1ヶ月前に買ってあるしな」

「大丈夫」

「…別に覚悟が必要な事じゃあないけどな?」

9 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:24:02 ID:XaZRTt9w (9/74)

ガラッ
「…覚悟、出来た?」

「おう、出来てるぞ!」

「ほ、本当に?」

「おう、取り敢えず、危ないから部屋に入れよ、幼」

「入る前にはっきり聞かせて!」

「何を?」

「本当に、良いんだね?」

10 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:24:51 ID:XaZRTt9w (10/74)

(あれ?ひょっとして誕生日の事じゃない?)

「…男、約束は覚えてるよね?」

「お、おう。覚えて…るぜ?」

「…」

「と、取り敢えずさ、部屋に入れよ、幼」

「そこ、危ないからさ」

「…覚えて、ないんだね?」

11 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:25:43 ID:XaZRTt9w (11/74)

「今日は幼の誕生日、だろ?」

「…」

「ち、ちゃんとプレゼントも用意してあるんだぜ?」

「ほら、先月、誕生石がはめられてる装飾品が欲しいって言ってただろ?」

「凄く綺麗なネックレスだぜ?」

12 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:26:29 ID:XaZRTt9w (12/74)

「…ぐすっ」

「え?何で泣く?」

「あ、う、嬉し泣き…じゃ…ないよ、ね?」

「男のバカッ!」
ズルッ

「あっ!」

ゴスッ

「幼!幼っ!」

13 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:27:17 ID:XaZRTt9w (13/74)




「おばさんっ!」

幼母「あっ!男ちゃん…」

「幼は大丈夫なんですか?」

幼母「頭を強く打って…」

幼母「まだ目を覚まさないの…」

14 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:28:19 ID:XaZRTt9w (14/74)

「あ、会えますか?」

幼母「面会謝絶なのよ…」

「そ、そうですか…」

幼母「何度言っても、窓から入るのを止めなかった、あの子が悪いのよ…」

幼母「ごめんね、男ちゃん…」

「いえ、俺の方こそ、すみませんでした…」

「とりあえず、今日は帰ります…」

15 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:29:16 ID:XaZRTt9w (15/74)

…1時間前…

「ほ、本当ですか!」

幼母『今、目を覚ましたのよ…』

「す、すぐ行きます!」

幼母『あ、男ちゃん、ちょっと待って!』

「今、行きます!」
プツッ

16 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:30:11 ID:XaZRTt9w (16/74)

…10分前…
「…え?記憶喪失?」

幼母「…そうなの」

「でもね、何も覚えてない訳じゃないのよ」

「?」

幼母「5、6歳くらいの子供みたいになっちゃってるのよ…」

「え?」

17 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:30:53 ID:XaZRTt9w (17/74)

幼母「それでも、あの子に会ってくれる?」

「は、はい!もちろんです!」


「幼!」

「…だれ?」



「…あの時、幼は…何で…」

「…約束…って、何だっけ…」

18 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:32:10 ID:XaZRTt9w (18/74)




幼母「男ちゃん、今日も来てくれたのね」

「…はい」

幼母「ありがとうね…」

幼母「一応脳波の検査とかは終わってね」

幼母「異常はなしって事になってるんだけど」

19 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:32:58 ID:XaZRTt9w (19/74)

「あの…幼の記憶は…戻るんですよね?」

幼母「それが…医者もわからないって…」

幼母「何かのきっかけで、急に思い出す事もあるらしいけど…」

「幼の記憶が戻るまで、毎日来ます!」


「こんにちは、幼」

「あ、きのうのおにいちゃんだー」

「きょうはおとこくん、きたー?」

20 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:33:40 ID:XaZRTt9w (20/74)

「ごめんね、男も今は病気なんだ」

「かわりにお兄ちゃんが来たんだよ」

「おとこくん、だいじょうぶ?」

「うん…大丈夫、大丈夫だからね」

「おにいちゃん、またないてるのー?」

「泣いてないよ、幼ちゃん」

「そお?」

21 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:34:24 ID:XaZRTt9w (21/74)

「幼ちゃんは何をしていたの?」

「えへへー。えほんよんでたんだー」

「それじゃ、お兄ちゃんに聞かせてくれる?」

「いいよー。おさな、よむのとっってもじょうずだよ!」

「楽しみだなぁ」

「それじゃ、はじまりはじまりー」

「…」

22 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:35:25 ID:XaZRTt9w (22/74)

「はくしゅは?ちゃんとはくしゅないとおはなし、はじまらないよ?」

「あ、ごめんごめん」

「わー。幼ちゃんの絵本読むの、楽しみー」
パチパチパチパチ

「はい!それじゃあ、はじめます!」



「こうして、おにがしまからもどったももたろうは」

「おじいさんとおばあさんと、いっしょに」

「いつまでもしあわせにくらしましたとさ。おしまい」

「…」

23 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:37:04 ID:XaZRTt9w (23/74)

「はくしゅは?おにいちゃん!」

「わ、わーーー。幼ちゃん、読むの上手だねー!」
パチパチパチ

「えへへー。そうでしょ?」

「せんせいにも、おとこくんにもじょうずっていわれたんだよー」

「…目を覚ましてくれよ、幼」

「えー?おさな、ちゃんとおきてるよー?」

「そうだね、幼ちゃんは起きてるもんね」

24 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:37:50 ID:XaZRTt9w (24/74)

「でもねー」

「うん?」

「おひめさまの、めをさまさせるのは~」

「おうじさまのちゅーなんだよ!」

「…幼」

「あはは。いまのはようちえんでよんだ」

「えほんのおはなしだからねー」

「でもー」

「おさながずーとねてたらー」

「おとこくんが、ちゅーしておこしてくれるかなー?」

25 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:38:33 ID:XaZRTt9w (25/74)

「でもでもー」

「おさなはねー」

「おとこくんとけっこんするってやくそくしたからねー」

「けっこんするまではー」

「ちゅーできないんでしたー」

「!」

「や、約束…?」

26 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:39:18 ID:XaZRTt9w (26/74)

「うん!ようちえんでねー」

「やくそくしたの!」

「ふたりともじゅうはちさいになったら」

「ちゅーして、けっこんするんだよ!」

「…あぁ、そうだ…あの時…」

27 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:39:54 ID:XaZRTt9w (27/74)

…13年前…

「こうして、めをさました、おひめさまは」

「すてきなおうじさまとけっこんして」

「ずっとしあわせにくらしました。おわり」

「おさなちゃん読むのじょうずー」
パチパチ



「せんせー、けっこんってなぁに?」

先生「結婚っていうのはねー」

先生「好きな人と、チューして、ずーーっと一緒にいるっていう事だよー」

28 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:41:13 ID:XaZRTt9w (28/74)

「じゃあ、おさな、おとこくんとけっこんするー」

「え?」

「おさな、おとこくんのこと、だいすきだもん!」

「おとこくんはー?」

「ぼくも、おさなちゃんのことだいすきだよ!」

「じゃあ、けっこんねー」

29 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:42:08 ID:XaZRTt9w (29/74)

「けっこんってどうやるの?」

「ちゅーして、ずーっといっしょにいればいいんだって!」

「わかった!じゃあ、おさなちゃんとちゅーして、ずっといっしょにいる!」

先生「ちょ、ちょっと待ってー。幼ちゃーん、男くーん」

幼・男「はーい」

先生「結婚っていうのはねー、大きくならないと出来ないのよ?」

「おおきくってなにがー?」

先生「2人とも、お誕生日をあと10回以上やらないと」

先生「結婚は出来ないんだよー」

30 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:43:09 ID:XaZRTt9w (30/74)

「えー!いまけっこんしたいー!」

「ぼくもぼくもー!」

先生「じゃ、じゃあ、今は2人で約束だけしておけばいいんじゃない?」

「やくそく?」

先生「そう、お約束」

「どんな?」

先生「2人が18歳になったら、結婚する、とか?」

「じゅうはっさいってじゅうはち?」

先生「そう、2人とも、18歳になったら、結婚できるよ」

31 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:43:56 ID:XaZRTt9w (31/74)

先生「チューするのは、結婚する時に、ね?」

「じゃあ、ほんとはいまがいいけど、じゅうはちさいになったら」

「おさなとけっこんね?おとこくん!」

「わかった!けっこんね!」

「ぜったい、わすれちゃだめだからね!」

「ぜったいわすれない!けっこん!」

先生(フフ。きっとすぐに忘れちゃうんだろうなぁ)

32 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:44:48 ID:XaZRTt9w (32/74)

…8年前…

「あと8年だね、男くん!」

「ん?」

「まさか、約束忘れてる?」

「何の約束?」

「…今日でわたし、10歳だよ?」

「知ってるよ。さっきまで、幼ちゃんの家で誕生会、やってたじゃん」

33 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:45:44 ID:XaZRTt9w (33/74)

「結婚!」

「あ!幼稚園の時の約束な?」

「絶対忘れないって言ったのに!」

「毎年、わたしの誕生日に言わないと、絶対忘れちゃうでしょ!」

「わ、忘れてないよ!」

「本当に?」

「ほんとほんとー」

34 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:46:33 ID:XaZRTt9w (34/74)

「わたしと、結婚したくないの?」

「…わたしの事、嫌いなの?」

「嫌いじゃないよ!幼ちゃんの事、好きだよ!」

「じゃあ、約束!」

「大丈夫!絶対忘れないから!」

「じゃあねー」

「わたしの18歳の誕生日にねー」

「男くんの部屋に、行くから!」

35 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:47:32 ID:XaZRTt9w (35/74)

「毎日ゲームやりに来てるじゃん」

「そう言うんじゃなくて!」

「約束、ちゃんと覚えてたら、部屋に入れてね?」

「また窓から入ってくるのかよー」

「急に開けて入ってこられたら、びっくりするしさー」

「それに、幼ちゃん、何回か滑って落ちそうになってるでしょー?」

「危ないから、玄関から入ってきてよー」

「いいから!ちゃんと覚えててよね?」

「それまで、わたし何も言わないからね!」

「わかったわかったー」

36 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:48:23 ID:XaZRTt9w (36/74)

…1年前…

「はーい。私、今日で17歳になりましたー」

「知ってるよ、俺もだし」

「おめでとさん。プレゼント、このぬいぐるみで良いんだよな?」

「はーい、そうでーす。毎年ありがとねー」

「幼は欲しい物言ってくれるから、選ぶの楽だよ」

37 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:49:16 ID:XaZRTt9w (37/74)

「ぶっちゃけ母ちゃんの方が面倒だよ」

「ふーん、おばさんってどんなの欲しがるの?」

「まず最初に現金って言いやがるんだ」

「あはは、おばさんらしいじゃん」

「で、金の次は?って聞いたら、自分で考えろって言うんだよ」

「ちなみに今年は何あげたの?」

「帽子あげた」

「なんで帽子?」

38 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:50:26 ID:XaZRTt9w (38/74)

「庭で草木の手入れする時、だっさい麦わら帽かぶってたからさ」

「ちょっとカッコ良いヤツ、あげた」

「へー。おばさん喜んでた?」

「喜びすぎて、外行き用の帽子になった」

「だから本来の目的は果せなかったって事になるな」

「今も庭で作業する時は、だっさい麦わら帽かぶってるよ」

「あははー。そういう所もおばさんらしいじゃん?」

「まぁなー」

39 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:51:20 ID:XaZRTt9w (39/74)

「男、私が本当に欲しいもの、わかってる?」

「は?」

「そのクマじゃねーの?」

「…」

「おいおい!幼が欲しいって言ったんじゃん」

「来年…」

「ん?来年?」

「これ以上は何も言わないっ!」

「…18歳」

「!」

40 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:52:45 ID:XaZRTt9w (40/74)

「18歳だよなぁ、来年」

「そ、そうだよ、18歳になるんだよ!」

「運転免許取れるなー」

「…」

「アダルトビデオを堂々と借りられるな!」

「ばかっ!それは高校卒業してからだよっ!」

「じょ、冗談だよ、そんなに怒るなよ」

「…ばーか…」

41 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:53:31 ID:XaZRTt9w (41/74)




「…あぁ、そうか…幼…や、約束…」

「おにいちゃん、またないてるの?」

「だいじょうぶだからねー」

「おさながいいこいいこしてあげるねー」
ナデナデ

「!」

「おにいちゃんが、なかないようにー」
ナデナデ

42 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:54:22 ID:XaZRTt9w (42/74)

「げんきでたー?」

「幼…」

(…お姫様の眠りを覚まさせるのは、王子様のキス…)

(…)

「幼ちゃん」

「なあに?」

「ちょっとだけ、目を瞑っていてくれる?」

「なんでー?」

43 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:55:28 ID:XaZRTt9w (43/74)

「ちょっとだけだから、ね?」

「いやっ!」

「本当に、お願いだから!」

「おにいちゃん、こわい!」

「ママー!ママーー!こわいよー!」

「うぁーーーーーん!」

看護師「ちょ、ちょっと!何してるんですか!」

幼母「お、男ちゃん?」

44 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:56:08 ID:XaZRTt9w (44/74)

看護師「見た目は18歳でも、中身は子供なんですよ?」

「あ、あの、ちょっとだけ、あの…」

「うわぁーーーーーーーん!ママー!」

看護師「もう、今日は帰ってください!」

幼母「男ちゃん、今日は、ね?」

「…は、はい」

45 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:56:49 ID:XaZRTt9w (45/74)




「…おばさん、昨日はすみません」

幼母「私は男ちゃんの事、信じてるわよ!」

「幼は?」

幼母「今は寝てるけど…」

「…その方が都合がいいです」

「ちょっとだけ、会わせてください」

幼母「信じてるからね、男ちゃん!」

46 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:57:52 ID:XaZRTt9w (46/74)



「すーすー」

「…幼」

「…お姫様の」

「眠りを覚ますのは…」

「王子様の、キス…」

「…」

チュ

パチッ

「!」

47 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:58:42 ID:XaZRTt9w (47/74)

「あっ、幼ちゃん、起きちゃった?」

「…今、私にチューした?」

「ご、ごめんね、幼ちゃん」

「なっ…なっ…」

「何を…何をしてくれてるのよっ!」
バキッ!

「へぶっ」
バタッ

48 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 17:59:41 ID:XaZRTt9w (48/74)

「お、男!…一体どう言うつもりっ?」

「お、幼、俺の事がわかるのか?」

「わ、わかるもなにも…」

「…あれ?ここどこ?」

「ここは病院で、お前は、2階から落ちて…」

「あっ!」

49 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:00:39 ID:XaZRTt9w (49/74)

看護師「騒がしいと思ったら、また、あなた!」

「あ、看護師さん、違うんです!」

医師「どうした、騒々しい!」

看護師「あ、先生!この子、昨日も無理やり…」

医師「なにっ?無理やりだと?」

医師「ん?顔に殴られたような痕があるな?」

医師「…なるほど、幼ちゃんに、無理やり変な事をしようとして…」

50 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:01:22 ID:XaZRTt9w (50/74)

「ち、違うんです、ちょっと落ち着いて!」

「記憶!記憶が戻ったんです!」

幼母「えっ?」

看護師「えっ?」

医師「えっ?」

「な?幼?俺の事、解るよな?」

51 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:02:07 ID:XaZRTt9w (51/74)

「…だれ?」

「…」

幼母「…」

看護師「…」

医師「…」

「いやいやいや!さっき、いつもの調子で、俺の顔殴ったろ!」

「名前も、ちゃんと!」

52 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:03:22 ID:XaZRTt9w (52/74)

幼母「…幼?」

「…」

「…すみません、色々全部、思い出しました…」

幼母「…幼ちゃん、良かった」

看護師「本当に思い出したの?良かったー!」

医師「えっ?マジで?えっ?マジで?」

53 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:04:09 ID:XaZRTt9w (53/74)

「何で2回言ったんですか?」

「…って、先生、よく見たら、何ですかその格好」

医師「えっ?あっ!」

看護師「ホントだ先生、何ですか、その格好?」

幼母「…白衣じゃなくて…スモック?」

「…手作り?」

医師「あ、あの…」

54 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:05:12 ID:XaZRTt9w (54/74)

「幼児の気持ちを知るには、まず見た目から…」

「って、言ってましたよね…」

「あ、赤ちゃん言葉で…」

一同「…」

看護師「…先生、ちょーっと外で話しましょうか?」

医師「ち、違う!そんなんじゃなくて!」

看護師「せ・ん・せ・い?」

医師「…ハイ」

55 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:05:56 ID:XaZRTt9w (55/74)

看護師「後でまた来ますから」

看護師「記憶戻って良かったわね、幼さん」

「あ、ありがとうございます」

幼母「本当に…良かった…」

幼母「あっ!お母さん、ちょっと売店で飲み物買ってくるわね」

幼母「男ちゃん、幼の事、よろしくね?」

「は、はい」

56 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:07:08 ID:XaZRTt9w (56/74)

「…」

「…」

「あの、さ」

「何?」

「さっきは殴ってごめん…」

「い、いや、いいよそれは」

「む、無理やり…キスした俺が、悪いし」

「…」

57 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:07:46 ID:XaZRTt9w (57/74)

「あの…ちょっと聞きたい事、あるんだけど」

「何?」

「ぶっちゃけ、この1週間の記憶ってあるの?」

「…ある」

「そ、そうか…」

「…何よ?」

58 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:14:43 ID:XaZRTt9w (58/74)

「ごめん!」

「え?」

「あれだけ言われてたのに、約束忘れてごめん!」

「…」

「昨日、幼が言ってくれて、全部思い出した」

「…」

「…それでさ、幼」

「…」

59 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:15:45 ID:XaZRTt9w (59/74)

「さっきはバタバタして、ちゃんと言ってないから」

「改めて、言うけどさ」

「…」

「幼さん、俺と結婚してください」

「まぁ、大学に合格して、卒業して、就職出来た後…だけど」

「…いいの?約束忘れてたのに」

「俺さ、幼稚園の頃の約束は忘れてたけどさ」

60 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:16:43 ID:XaZRTt9w (60/74)

「幼の事、好きなんだ」

「長年の付き合いでさ」

「いつも一緒に居てさ」

「普通に、一人の女の子として、好きなんだ」

「だから、俺と結婚してください」

「…嬉しいよ、男」

「私、すごく不安だったんだー」

61 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:17:24 ID:XaZRTt9w (61/74)

「幼稚園の頃の約束でさー」

「男の人生を縛るのはどうかな?って思ったり」

「でも、私は幼稚園の頃からずーっと男の事が好きだし」

「…」

「そんな事色々考えて、ぐちゃぐちゃになっちゃって」

「わかんなくなっちゃってたんだよねー」

「約束も大事だけど、やっぱりちゃんと気持ち確かめるべきだったね」

62 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:18:00 ID:XaZRTt9w (62/74)

「私も、男の事が大好きです」

「私を、男のお嫁さんにして下さいっ」

「…幼」

「ね、もう一度、ちゃんとキスして?」

「…うん」

「…」

チュ

ガラッ
幼母「お茶で良かったわ…よ…ね?」

63 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:19:02 ID:XaZRTt9w (63/74)

「!」

「!」

幼母「あ、あはは。ちょーっと、お母さん空気読めて無かったわね?」

「ち、ちがっ!お、おかあさんっ!」
ガタッ

「幼、危ない!」
ガシッ

ゴスッ

バタッ

64 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:19:33 ID:XaZRTt9w (64/74)

「ちょ、ちょっと男!大丈夫?ねえ!」

「」

「男っ!男!」



「…何でこんな事に…」

「倒れる私を庇って自分がこんな事になるなんて」

「男、あんたバカよ。大バカよ…」

「…ねぇ、男」

65 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:21:55 ID:XaZRTt9w (65/74)

「…だれ?」

「…」

「だーーーーーーーーーー!」

「何で!今度は!アンタが記憶喪失なのよ!」

「おねえちゃん、こわいー」

「昭和か!」

「何で机の角に頭ぶつけたくらいで記憶喪失か!」

66 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:23:50 ID:XaZRTt9w (66/74)

「おさなちゃんにあいたいよー」

「あんたの目の前にいるでしょ!」

「うわーーーん」

「キスか!私の時と同じで、キスすれば目を覚ますのか?」
ガシッ!

「うわーーーーーーーん」

「泣いてないで、観念しなさい!男!」

67 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:24:52 ID:XaZRTt9w (67/74)

ガラッ
女医「ちょっと!何をしてるんですか?」

「あ、ちょっと…ショック療法を…」

「うわーーん!せんせーちゃんー」

「このおねえちゃんが、こわいよー」

女医「あらあら、男ちゃん。大丈夫ですからねー?」

「うぅ…せんせーちゃんー」

女医「ほら、先生ちゃんが傍に居ますからねー?」

「…」

68 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:25:39 ID:XaZRTt9w (68/74)

女医「アナタ、無理やり何かしようとしたのね?」

女医「駄目よ、そんな事しちゃ!」

「それについては、ごめんなさい」

「…ところで先生、その格好は何ですか?」

女医「え?あっ!こ、これは…その」

「…手作りのスモック?」

看護師「あっ!先生!こんな所に居た!」

女医「あっ!看護師君」

69 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:26:36 ID:XaZRTt9w (69/74)

看護師「って、何してるんですか?」

看護師「男君は先生の担当じゃないでしょ!」

女医「…だって、見た目は高校生、中身は子供」

女医「このギャップ、YESじゃない?」

看護師「YESじゃないですよ!まったく!」

看護師「て言うか、その格好は何ですか?」

70 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:27:22 ID:XaZRTt9w (70/74)

看護師「年、考えて下さいよ!」

女医「と、年の事は言うなー!」

「せんせーちゃんをいじめるなー!」

「…何、このカオスな状況」

看護師「とにかく!行きますよ、先生!」

女医「…はい、男ちゃん、またねー」

「せんせーちゃん、またきてねー!」

71 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:28:19 ID:XaZRTt9w (71/74)

「…」

「おねえちゃんはかえらないの?」

「ぼく、おさなちゃんにあいたいなー」

「…今すぐ会わせてあげるわよ!」

「ほんとー?わーーい!」

「目、覚ましなさいよ、男!」

「…ん」
チュッ

72 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:29:35 ID:XaZRTt9w (72/74)




「いやあ、一時はどうなる事かと思ったよな」

「思ったわね、本当に」

「入院して遅れた分、受験勉強頑張らねーとな」

「私達、結構ギリギリだもんね」

「…頑張ろうな、この先も、一緒にさ」

「…うん、一緒に、ね」

73 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:30:25 ID:XaZRTt9w (73/74)

「二十歳になったらさ」

「うん?」

「幼の誕生石が入った指輪をさ」

「婚約指輪として、ちゃんと渡すからさ」

「…うん」

「取り敢えず、今はそのネックレスで我慢しててくれよな」

74 : ◆L0dG93FE2w[sage] : 2012/07/08 18:31:15 ID:XaZRTt9w (74/74)

「これ、ずっと着けてるからね?」

「今度こそ、約束、忘れないでよねっ?」

「おう!絶対忘れない!」

「…記憶喪失にでもならない限り」

「ちょっと!それはフリじゃないわよね?」

「そこは信じてくれよ!」



おわり

関連記事
[ 2012/07/08 18:57 ] オリジナル作品 幼馴染 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://ryosakumatome.blog.fc2.com/tb.php/519-ee0a33fb