友「最近姉ちゃんが怖い」

1 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 22:53:39 ID:/z.OxmEw (1/58)

「姉ちゃん、晩飯はー?」

「…」

「おーい」

「…」スッ

「よしまずはその火炎放射機を床におこうか」

「…」カチッ

ボォォォ!

「ひぃぃやぁぁ!」ダダダダダ

「…バーカ…」


元スレッド情報
友「最近姉ちゃんが怖い」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1331474019/
2 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 22:56:51 ID:/z.OxmEw (2/58)

「というわけで命からがら逃げてきた」

「お兄ちゃんなにしたのよ」

「いやとくに…」

「原因があるはず」

「うーん…」

「よぉく思いだそう」

「一昨日は…」

「姉ちゃんが包丁で切ったからって指なめたな…」

「その時は普通だった?」

「うむ」


3 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 22:59:07 ID:/z.OxmEw (3/58)

「じゃあそのあとだよ」

「んー…」

「あ、背が小さくて可愛いねって」

「ふむ」

「で、そのあと頭をポンポンって」

「どんな反応だった?」

「顔真っ赤にして逃げた」

「多分それで…」

「…」


4 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:02:30 ID:/z.OxmEw (4/58)

「おねーちゃーん!」

「お前俺を殺す気?」

「さーねー」

ガチャ

「呼んだ?」

「!」

「ども…」

「…」スッ

「ほらもー!」

「あは、ホントだねー」


5 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:04:22 ID:/z.OxmEw (5/58)

「…」

カチッ

ボォォォ!

「いぃぃぃぃやぁぁ!」

「なんで私までぇぇ!」
ダダダダダ

「…何で攻撃しちゃうんだろ…」

「うぅ…」


6 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:07:46 ID:/z.OxmEw (6/58)



「はぁはぁ…」

「走ったな…」

「ボルトも驚きだよ…」

「…な?言っただろ?」

「でも殺気はなかったよ」

「いやあの目見たろ」

「犯罪者の目だぞ」

「美人が睨むと怖いんじゃない?」

「いやまぁ…」

「とりあえず、私が話聞いてくるから」

「葬式は明後日でいいな」

「死なないよ!」


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:10:35 ID:/z.OxmEw (7/58)



「へい!」

「あ…さっきはごめんね」

「いいよいいよー」

「何であんな殺戮行為をしたの?」

「その…ね」

「あいつ見てると体熱くなるんだよね」

「直視できないから…」

「それって…」

「攻撃しようかと」

「どんな過程でそんな風になったの!?」


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:13:19 ID:/z.OxmEw (8/58)

部屋

「待っておったぞ」

「ほっほ」

「結果を聞きたいか」

「うむ」

「つまりじゃな」

「…」

「ん?」

「怒ってるよ」

「もうむちゃくちゃに」

「そ、そんな…」

「だからなだめるためにもっと優しくしなよ」

「わ、わかった」


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:16:43 ID:/z.OxmEw (9/58)

翌日

「姉ちゃん!」

「…ん?」

「!」

「…」スッ

「おぉ…」

「怯むか」

「姉ちゃん、今日の買い物俺もついてくよ」

「え?」

「姉ちゃん美人だからそれに合った服を買ってあげるわ」

「やっ…え?」

「何で急に?」

「好きだからさ」


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:19:41 ID:/z.OxmEw (10/58)

「」ボッ

「ん?」

「まぁいいや。また後でね」タタタタ

「す、すき、すき、すきすき…」

部屋

「こんな感じでいいか?」

「もうグッジョブだよ」

「でもなんで好きっていったの?」

「え?家族を嫌いなんて奴あんまいないだろ?」

「あぁ…そゆことか」

(下手したら勘違いしてるかもね、姉ちゃん…)


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:34:42 ID:/z.OxmEw (11/58)

デパート

「」ドキドキ

「あ、玉ねぎが20円安い」

「」ドキドキ

服売り場

「これとか…どう?」

「うわーおかわいいねー」

「チョーヤバイ」

「心がこもってない」

「可愛いな…」

「そう」


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:39:25 ID:/z.OxmEw (12/58)



「おかいり」

「俺誰に似てる?」

「さぁ?」

「そこはムカイリって言えよ」

「ムカイオサムだよ」

「知ってるもん!」

「知ってるもん!」

「…」

「飯の準備する」

「サー!」

「イエッサー!」

「お兄ちゃんカモン」

「ほい」スタスタ


15 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:42:10 ID:/z.OxmEw (13/58)

部屋

「何だかんだで仲いいじゃん」

「あれ?見えなかったか?」

「何が?」

「後ろにアイスピック持ってたの」

「…えぇ…」

「何回か刺されたよ」

「慣れたからどーってことないけど」

「あんた…苦労してるね」

「そーか?」


16 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:45:46 ID:/z.OxmEw (14/58)



「いただきまーす」

「いただき…」

「何で俺だけアジなの?」

「魚行けるでしょ」

「…何で生きてるか聞いてんの!」

アジ「ピチピチ」

「ほら、野蛮人じゃん?」

「当たり前のように言うな!」

「私の作ったもの食えないの?」

「違うよね、産地直送で皿に置いただけだよね」

「食え」

「…」


17 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:48:22 ID:/z.OxmEw (15/58)

「もー我慢ならん!」

「え?」

「いちいち刺すわ焼こうとするわ…」

「もうたくさんだ!」

「いや…あの…」オロオロ

「機嫌悪いって聞いたからなんとかしようと思ったけど…もういい!」

「ちょ…」

「機嫌悪い…?」

「」ソー

「…」ジロ

「ホントふざけんな!」ダダダダダ


18 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:51:03 ID:/z.OxmEw (16/58)

ガチャン!

「あー…」

「あぁ…」

「妹…部屋へ」

「はい…」

「訳を聞かしてもらう」

「はい…」

部屋

「かくかくしかじか」

「」ワナワナ

「…」

「ご、ごめんなさい…」

「いや…いいよ…」ウルウル

「こんな姉貴嫌われて当たり前だもんね…」ポロポロ

「えぇ…」


19 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:54:20 ID:/z.OxmEw (17/58)



「うぉぉぉ!」

ガチャ

「あらんきぃぁぁ!」

「おぉ?」

「物語中盤にして初登場の男!」

「ん?」

「泊めてくれ!」

「ちょっと待っててな」


20 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/11(日) 23:56:27 ID:/z.OxmEw (18/58)



「待たせたな」

「いやいや」

幼馴染「しかし何でこんな時間に?」

「かくかくしかじか」

「はー」

「ほー」

「じゃ、おやすみなさい」

「いやいや」

「今行かない方が…」

「知らん」スタスタ


23 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 06:18:08 ID:Atmw0S.E (19/58)

翌日

「おはよ」

「おう」

「あの子は?」

「昨日帰ったよ」

「そうか」

「いつまで泊まる?」

「出来れば今週一杯」

「はいよ、着替え出しとくな」

「」ウルウル

「ありがとよ」


24 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 06:20:55 ID:Atmw0S.E (20/58)

友の家

「」オロオロ

「お、落ち着きなよ…」

「だ、だって…」

「すぐ帰ってくるよ」

「事故にでもあったら…」

「お姉ちゃん!」

「」ビクッ

「ちょっと真面目な話していい?」

「はい」


25 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 06:29:31 ID:Atmw0S.E (21/58)

「まずね、お姉ちゃんはお兄ちゃんをどう思ってるの?」

「どうって…」

「カッコいいなって…」

「見てると腹は立つ?」

「ううん」フルフル

「腹はたたないけど心臓がばくばくする」

「わかりました。」

「それは恋ですね」

「?」

「恋ってなに?」

「え?」

「え?」


26 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 06:31:51 ID:Atmw0S.E (22/58)

「いやほら」

「好きって言うこと?」

「家族だもん」

「ノンノン」

「異性としてってことですばい」

「…?」

「…」

「お姉ちゃんさ、彼氏いる?」

「いたことないよ」

「心臓がばくばくするなんて初めて?」

「うん」

「これは…」


27 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 06:34:14 ID:Atmw0S.E (23/58)

男の家

「昨日はいきなりですまんな」

「まぁそういう奴だってわかってるから」

「図々しいといいたいのかー?」

「おま、心読むなよ」

「えぇ…」

「まぁ何はともあれ」

「家事の手伝いぐらいするぜ」

「マジか」

「じゃあ洗濯物頼むわ」

「オーケー」


28 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 06:36:41 ID:Atmw0S.E (24/58)

2時間後

「もう昼だな」

「台所と冷蔵庫借りるぞ」

「ん?飯作ってくれるのか?」

「料理人の息子だからな」

「おー」

「今は夫婦でグアム行ってるんだっけ?」

「そうだよ、帰るのは来年」

「またずいぶんといるな」

「それがうちの親だ」


29 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 06:40:09 ID:Atmw0S.E (25/58)

友の家

「…なるほど」

「そういうのが恋って言うんだね」

「そうだよ」

「あいつに…恋」

「しっかし美人なのに彼氏いないとはなー」

「告白ってされた?」

「告白がどーゆーのかわかんないけど」

「俺の側でいつまでも笑っててくれって」

「何回か言われたことある」

「もはやプロポーズだよそれ」

「そうなんだ」


30 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 06:42:44 ID:Atmw0S.E (26/58)

「あ、ご飯作るね」

「うん」

「それと…」

「うん?」

「友くん帰ってくるよね」

「うん」

「どうしたらいいかな…」

「うーん…」

「うん」

「ん?」

「私に任せなさい」

「う、うん」


31 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 06:45:15 ID:Atmw0S.E (27/58)

1週間後

「そろそろ帰るわ」

「あい了解」

「ありがとな」

「おう」

「お元気で」

「はい」

ガチャ

「朝日が眩しい…」

「まるで俺を包むように…」

子供「ママー変な人いるー」

ママ「こら、見ちゃいけません」


32 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 06:48:25 ID:Atmw0S.E (28/58)

友の家

「ただいまー…」

「おかえり」

「遅かったね」

「…ごめん」

「私は別にいいけど…」

「お姉ちゃんが…」

「怒ってるか?」

「いや…張り切ってクッキー焼いてる」

「え?」

「あ!おっかえりぃ!」

「クッキー焼いてるから待っててね!」

「あ、はい」

「キャラ違うぞ」

「私のせいです」


33 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:05:45 ID:Atmw0S.E (29/58)

「できたよー」

「あ…どうも」

「」パクパク

「妹、来い」

「きゃーまだ処女なのにー」

「だまらっしゃい」

「ほらはよくる」

「へーい」

「クッキーはー?」

「すぐ戻るから残しといてー」

「はぁい♪」


34 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:09:06 ID:Atmw0S.E (30/58)

部屋

「お前さんは何をした」

「特になにも」

「明らかに変わってるだろ!」

「そう?」

「私はただそんな感じだと嫌われるよって」

「それだけか?」

「お兄ちゃん年上好きだからまず性格直して積極的にって」

「え?姉ちゃん片想い中なの?」

「うん」

「おっほ、誰に誰に?」

「そういう食い付きキモいんだけど…」

「…」


35 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:11:52 ID:Atmw0S.E (31/58)

「お兄ちゃんが一番よく知る人だよ」

「男か」

「あのやろー」

「違う違う」

「誰よ」

「その内わかるよ」

「えー」

「それとさ、ちゃんと受け止めてあげてね」

「何を?」

「わかった?」

「いや何」

「クッキー食べに戻ろう」タタタタ

「…何がやねん」


36 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:14:24 ID:Atmw0S.E (32/58)

「お、きたきた」

「お姉ちゃん、わかってる?」

「うん」

「姉ちゃん、好きな人出来たの?」

「このバカちんがぁ!」バシッ

「痛い!」

「できたんだよ」

「マジで?」

「そう」

「言っちゃうの?」

「まだ言わない」


38 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:16:34 ID:Atmw0S.E (33/58)

「友くん、あとで遊びにいこ?」

「その片想いの人といけば?」

「いいからいいから」

「んー、いいの?」

「うん」

「じゃあ私はお留守番だね」

「ごめんね」

「いいよいいよ」

「じゃあ支度するから待ってて」

「うん♪」


39 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:19:01 ID:Atmw0S.E (34/58)

20分後

「行ってきまーす」

「行ってきまーす」

「気を付けてねー」

ガチャ

「さて皆さん」

「ここで私はどうすると思いますか?」

「え?」

「尾行しろ?」

「ははは、言わずもがな」タタタタ


40 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:20:56 ID:Atmw0S.E (35/58)

噴水広場

「綺麗だね」

「そうだねー」

「でもどうしたん?」

「ん?」

「何であんな敵対してた俺を遊びに誘ったの?」

「好きだから」

「え?」

「ほら、あっち行ってみよー」スタスタ

「ちょいちょい」スタスタ


41 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:24:09 ID:Atmw0S.E (36/58)



「ここに来たなら映画でも見る?」

「そのつもりで二枚チケットがあるよ」

「用意がいいな」

「~♪」





「ハケーン」

「さぁさぁあっしは見守ってますぜ」

「…え?映画いくの?」

「うわ…小遣いピンチなのに…」

「でも行かなきゃ楽しめない…」

「くそぉ!」タタタタ


42 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:27:38 ID:Atmw0S.E (37/58)

館内

「こういうの好き?」

「ホラーは好きだけどさ」

「うん?」

「怖すぎるのはあれですわ…」

「失神者がでるくらいだからね」

「そりゃそうでしょ」



「」ピクピク


43 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:32:03 ID:Atmw0S.E (38/58)



「最後が以外だった」

「だねー」

「次はどうする?」

「プリ!」

「あいよー」




「なっ…私でもプリは撮ったことないのに…」

「なぜかって?恋人がいないし、クラスは皆がり勉だからさ」

「恋人作れ?」

「やだなー、私もお兄ちゃんが好きだから恋人作る気ないよ」

「あ、移動した」スタスタ


44 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:34:01 ID:Atmw0S.E (39/58)

プリクラ

フレームヲエランデネ

「…」
ピピピピ

「はいとるよー」

「あ、うん」

カシャ

「あと何枚?」

「5枚」

「多くね?」

「選びやすいからいいの」

「ほー」


45 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:35:58 ID:Atmw0S.E (40/58)



「ふー…」

「~♪」

「姉ちゃん、車多いから危ないよ」

「大丈夫だよぉ」





「なんで死亡フラグたてんの?」

「え?殺したいの?」

「まぁいざとなったら私が助けるか…」


46 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:38:02 ID:Atmw0S.E (41/58)

「…ん?」

「どうしたの?」

「…ヤバイ」

「え?」

「」ダダダダダ

「え?」





「え?何でこっちくんの?」

「バレた?」


47 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:40:49 ID:Atmw0S.E (42/58)

ヨケテクレー!

「ん?」クルッ

キキーッ
「危ない!」ドンッ

「え…?」フワッ

ドーン
「うぐっ…」ズザザー

「…え?」

「友くん…?」

「お姉ちゃ…」

「キャァァア!」

「…っ」

(言葉がでない…)


48 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:43:19 ID:Atmw0S.E (43/58)

トボトボ

トボトボ

「…」トボトボ

「…ん」

「あれ?何ここ」

「んー…」

「確か…妹が轢かれそうになって…」

「あぁ…」

「俺、死んだのか」


49 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:45:31 ID:Atmw0S.E (44/58)

「なーんだ」

「あっけなかったなぁ」

「…ここからどう進むんだろ…」

…チャン!

「ん?」

「向こうから声が…」

トボトボ

トボトボ

…イチャン!

「だんだん近くなってきたな…」


50 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:47:29 ID:Atmw0S.E (45/58)

光が差す場所

「こっからだな」

ニイチャン!

「兄ちゃんって聞こえる」

「妹なのか?」

「…ここに入ればいいのかな…」

ヨジヨジ

「んー?入れねぇ」

「んー…」


51 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:49:17 ID:Atmw0S.E (46/58)

「あと少しなのにな…」

トモ!

ニイチャン!

「おぉ、声が増えた」

「行けるか?」

ヨジヨジ

「…無理か…」

「やっぱ死んだ方がいいのかな」

「…まぁいいかな…」

トボトボ


52 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:51:49 ID:Atmw0S.E (47/58)

トモクン!

「」ピクッ

トモクン!モドッテキテ!

「姉ちゃん…?」

トモクン!

「姉ちゃんが心配してる…」

「行かなきゃ…」トボトボ

ヨジヨジ

「入れねぇ…」

トモクン!カエッテキテヨ!

「……」


53 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:53:58 ID:Atmw0S.E (48/58)

「姉ちゃん…」

トモクン!

「姉ちゃんに会いたい…」

ゴゴゴ

「今だ!」シュタッ

「体が…あと少しなのに…!」

トモクン…スキダヨ…

ダカラハヤクカエッテキテ…

「!」

「うぉぉ!」

スポン

「え?」

ヒュウウウ

「うわぁぁおぉ!」


54 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:56:01 ID:Atmw0S.E (49/58)

病院

「友くん!」

「お兄ちゃん!」

「友!」

「…」

医者「さ、今日の面会は終了です」

医者「身内だけならいいですが…」

「くそ…」

「…」


55 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:58:09 ID:Atmw0S.E (50/58)

「男くん」

「は、はい」

「その子を家まで送ってってくれる?」

「え…」

「嫌だよ!お兄ちゃんが危ないのに離れたくない!」

「明日は学校でしょ」

「休むから!」

「いいから帰りなさい!」

「…」

「これ以上私に心配ごとさせないで…」ポロポロ


56 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 07:59:56 ID:Atmw0S.E (51/58)

「男くん、よろしくね」

「…はい」グイッ

「いやだよぉ…」

「いこう」スタスタ

「うぅ…」ポロポロスタスタ

「…」

医者「では、何かありましたら呼んでください」

「はい…」


57 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 08:01:33 ID:Atmw0S.E (52/58)

「…友くん」

「私ね、好きな人がいるっていったじゃん?」

「友くんのことなんだよ」

「初めての恋なんだ」

「でも付き合えないよね…」

「…友くん…」

「…」


58 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 08:03:21 ID:Atmw0S.E (53/58)

翌日

「ん…」

「…あれ?」

「毛布…」

「誰が…」

「姉ちゃん、おはよ」

「おはよ…」

「え?」

「うそ…なんで…?」

「まだ死んでないみたい」

「生死の境はさまよったけど」

「…」


59 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 08:04:56 ID:Atmw0S.E (54/58)

「俺もすきだよ」

「え?」

「別に付き合えなくてもいいじゃない」

「俺がずっと側にいるから」

「へ…?聞いてたの?」

「そりゃもう」

「」カーッ

「」ウルウル

「ど、どうしたの?」


60 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 08:06:59 ID:Atmw0S.E (55/58)

「よかったぁ…」ポロポロ

「…」

「戻ってきてくれて…」

「姉ちゃんを置いてどこにもいかないよ」

「…」グスッ

「退院したら遊びにいこう」

「今度は邪魔が入らないようにしてね」

「…うん、うん…」

「…ありがとう」


61 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 08:08:22 ID:Atmw0S.E (56/58)

「ねぇ…」

「ん?」

「もう一回聞かせて…」

「好きって…」

「すきだよ」ギュッ


「えへへ…」ギュッ

「これからも」

「よろしくね」


Fin


63 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 14:51:53 ID:lhgkdteM (57/58)

男とはなんだったのか

それを問いかけながらナイアガラの滝に落とす傑作


64 : 以下、名無しが深夜にお送りします : 2012/03/12(月) 16:16:42 ID:Atmw0S.E (58/58)

>>63
男には触れない約束だ


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